鮎小説あとがき



とんでもない時間をかけて、ついに鮎小説、
『旋律の降りしきる彼方へ』も完結しました。

連載開始が10月でしたから、半年以上もやってたわけですな。
当初は全部で15章ぐらい。冬の間には終わるという
予定のもとでやっていたんですが、気がつけば30章近くにまで膨れあがっていました。
予定の意味がない(笑)


そもそもこの小説のテーマは、『別れ』です。

「北へ。」関係の小説が次々とネットで発表されましたが、これをメインに構想されたものはないだろうと思って
アイディアを練りはじめたわけです。
当時まだフォトメモは出てませんでしたので、本編を基調に筋を考えてました。

出会いと常に繋がっている別れ。
ラブソングがあれば、別れを描いた歌もあります。
一度は表現してみたかった。

構想がまとまった段階では、鮎と冴木邦彦は別れたままで再び巡り合うことはありませんでした。
違ったラストシーンにしたのは、執筆を始めてから。

途中である読者の感想を聞いているうちに、どうしてももう一つのテーマを組み入れたくなりました。
それは、『成長』です。

いつでも不安をどこかに抱えている鮎。
彼女がその呪縛から逃れ、精神的に自立するまでの過程と結果をも表したくなったんです。

そして、成長の証明として二人を再会させました。

賛否両論あるでしょうし、別れ自体が強引で意味不明な展開だと思われるかもしれません。

できる限りリアルさを重んじて書きましたが、不自然な部分も目についてしまうでしょう。
それはすべて、irishmanの力不足です。
海外でのシーンなども、昔の記憶なので変わっているところもきっとあるでしょう。
取材には行けないしなぁ(涙)

とにもかくにも完結したわけで、鮎と邦彦が綴ってきた
ストーリーを楽しんで頂けていたら幸いです。

付け加えますと、最後の章で鮎が歌っているのは
友達のちぼりさんが送ってくれた詩です。
この作品のために書いてくれたわけではないのですが、
あまりにもirishmanが考えていたシーンにぴったりだったので
無理にお願いして使用させてもらいました。
ちぼりさんにはアーティストの契約などについても教えてもらい、非常に助かりました。
この場を借りて、お礼を申し上げます。
ありがとう!

『二人の水平線』の歌詞は、irishmanの詩です。
読んでくれたらんまるさんが「この歌の歌詞も知りたい」
といったカキコをなさったので、使えるシーンがあったら
作詞してみようと思っていました。
人生最初で、きっと最後の作詞です。
うわ〜恥ずかしい〜(笑)

アルさんにはスタジオ設備についてのアドバイスをしてもらい、早速に活用させてもらいました。
これにも、深く感謝です。

新しい章を掲載する度に、いろいろな感想が飛び込んできました。
予想どおりのもあれば、意外なものも。
宮本さんに一部で人気が出たりしたのは、後者。
もっと悪女にするつもりでしたが、やめました(笑)

読み手あっての小説であり、作者だと改めて実感しました。
ここに名前を上げられなかったあらゆる読者の方々に、ありったけの気持ちで、言います。

みんなのおかげで、やってこれました。
本当に、ありがとう。

そして、これからもよろしく!


                 2000年5月15日
                       irishman



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