執筆後記



"Melodies of the sandglass"を読んでいただきまして、誠にありがとうございます。
いかがだったでしょうか。

キッドより発売された「Memories Off 2nd」において、最下位に近い人気ぶりで
不遇をかこっている相摩希。
悲劇的なシナリオ展開に加え、実はあまり出番がなかったこともあり、
双子の妹・望の引き立て役程度にしか認識されていないことが多いようです。

しかし、私は彼女たちのシナリオに入ってから、ずっと希の方が気になっていました。
彼女が抱えている葛藤や痛みについて考えずにはいられませんでした。
そうして出来上がったのがこの短編です。

主格を稲穂信として、前半はゲームシナリオを踏襲してあります。
後半はオリジナルな展開にしましたが、都合良く望の命を救うことはせずに、
どうしようもない現実と二人を対面させました。

彼と彼女が、幸せに向かうように見えたら、作者としては満足です。
最後までお付き合いください、ありがとうございました。

並びに、この作品を最初に発表する場所を提供してくださった
「いらすてりあん」主宰のこたろーさん・花さんに
心より感謝いたします。



最後に、タイトルとサブタイトルについて。

Melodies of the sandglassとは「砂時計の旋律」
相摩望の限られた時間がもたらすもの、という意味を込めました。

Missing Boyは「欠けた少年」もしくは「行方不明の少年」というのが直訳。
尾崎豊のライブ・アルバムのタイトルから引用しました。

Summertime Bluesはそのまんまの意味。
A half of self portraitとA half of hopeも片方だけの自画像、片方だけの希望という
双子の姉妹をイメージさせるものです。

Sorrows Falling down like snowflakesは、「悲しみは雪のように」
浜田省吾のヒットナンバーを訳したものです。



君の肩に悲しみが
雪のように積もる夜には
心の底から
誰かを愛することが出来るはず
孤独で
きみのからっぽの そのグラスを
満たさないで
誰もが泣いてる
涙を人には見せずに
誰もが愛する人の前を
気付かずに通り過ぎてく

悲しみが雪のように積もる夜に.....


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