TOP 2013年7月(英国・長距離フットパス) |
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![]() ![]() 麦畑のトレイルを行く |
![]() 1 はじめに 今回のトレイルは、以前にトレースしたサウス・ダウンズ・ウエイの兄弟トレイルとも云える。英国南部の比較的穏やかな気候と地形で初級クラスのロング・フットパスと紹介されている。 トレイルは丘陵地帯の森・畑や牧場を通り北部の湿地帯にはない陽気さが期待出来るナショナル・トレイルのひとつ。そして、ロンドンからも近いこともあり人気が高いらしい。前半はジョギングの仲間4名と湖水地方とコッツウオルズを訪れ、ユースホステル泊で自炊しながらこの国の自然を探索する。その後半となるので、難易度と場所から本トレイルが適当と判断した。 歩行時のタイムやポイント等、歩行者の参考用として「資料編」を作成する。 日 程 |
2 トピックス&スケッチ 概略総距離=204Km(トレイルから離れて宿泊地までの距離を含む)。 総歩行時間=57時間10分(休憩時間を除く)。 |
第1日目7月4日(天気 曇後晴):London Waterloo・・FarnhamからPuttenham(小屋泊) 距離:10km。行動時間:2時間30分 |
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![]() ファンナムの町を過ぎると耕作地帯になり丘陵全体が見事なジャガイモ畑。 広大な ジャガイモ畑は 花盛り 慎ましやかな 色は紫
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第2日目 7月5日天気晴):PuttenhamからDorking・・Puttenham(小屋泊) 距離:29km。行動時間:8時間10分 宿に連泊して今日は空身で距離を稼ぐ。宿の最寄り駅まで3kmあるのが難点だが適切なキャンプ場がないため往復鉄道を利用とした。 |
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![]() 第二次大戦時の遺物が数ケ所保存されていた。古くはローマ時代から国防の要として重要な地域だったとのこと。 トーチカの 小さな窓は 今もなお 眼下の敵を 捜し続ける ![]() 昨夜、管理人さん夫婦から夕食を招待された。そのお礼に折り紙の「鶴」を贈ったら大喜びされ日英親善が出来た。 折り紙に 感謝託せば ハグされて 小さな縁で 旅は豊かに |
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第3日目 7月6日(天気 快晴):Puttenham・・Reigate駅からMerstham (Caravan Park キャンプ) 距離:17km。行動時間:4時間30分 昨日歩いた駅まで鉄道で戻る。ジョギングやマウンテンバイクでトレイルは大賑わいだが荷物を担いだ歩行者は皆無。宿泊地の都合で今日は軽い歩行となった。 |
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![]() 土曜日の為かゴルフ場にも人影が目立つトレイルはゴルフ場の中を通るのでプレイヤーもギャラリーを意識していた。 さりげなく ボールの行方 眼で追えば ナイスショットに 我を見返る |
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第4日目 7月7日(天気快晴):MersthamからBrasted Hill Farm(牧場キャンプ) 距離:25km。行動時間:7時間20分 この先40km近くキャンプ場がないので中間位の所で牧場主に設営の許可を得る。一般的には大きな町まで下り民宿に泊まるが、今回は日曜日で案内所も閉まり当日宿を捜すのも難しい。 |
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![]() 今日の好天気を暗示するようにヒバリが広大な畑のあちこちから囀る。 早起きの ヒバリさえずる 麦畑 朝日を受けて 我が影映す |
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![]() 朝方、テント近くで馬の鼻息に目を覚ます。まさか踏みつぶす事はないだろうが大声をあげて追い払った。 夜明け前 馬の気配に 飛び起きて 想定外に 共に驚く |
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![]() 早朝からガスが発生し雲行きが怪しい。今日まで雨に遭わなかったので「降られても仕方がないか」と観念しつつ歩いた。 曇天の 空を仰いで 懸念する 晴りゃルンルン 降られりゃみじめ |
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![]() 町に近いせいか早朝ジョガーや犬の散歩者が多い。生活習慣の一部として人々に受け入れら歩行文化を感じた。 重そうに 身体ふり振り オバサンは 香り残して 追い越して行く |
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![]() 案じていた天候も当分は大丈夫らしい。仮に降ってもテント泊でないので気が楽になる。 空高く 短い夏は 今盛り 貪るように 草花開く |
9日目 7月12日(天気 晴):Canterbury・・WyeからEtchinghill・・Dover |
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![]() ドーバー海峡を越えたトンネルのターミナルが十数キロ離れた当地に設置されてた。 トンネルを 抜けた車や 入る車 順番待ちの 巨大なインター |
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![]() 町のどこからもDover城が見える。それだけ城の存在が大きいと思えた。 城壁の 門は閉ざされ その奥の 要塞照らす ドーバーの朝 |
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![]() 登降の少ないトレイルはシニア向けでナショナル・トレイルとして期待に答えてくれた。 あの辺か 車窓に映る フットパス 今年の夏は 過ぎて行く |
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13日目 7月16日(天気 晴):成田空港着 ジェット気流の関係か予定時刻より早目に成田空港に到着。ムッとした高湿度の日本の夏に迎えられトレイルの爽やかさが懐かしくなった。 |
![]() New Land Corner付近の遠景 3 あとがき(所感) 1)昨年の長距離フットパスは、悪天候のせいもあって「今後は200km・10日間以上の歩行は止そう」と反省した。にも拘わらず再度「南部地方なら大丈夫だろう」と難易度の低いノース・ダウンズ・ウエイをトレースすることにした。 2)結果、下記の要因で何とか完歩出来たことは幸いであったが今回が限度と思えた。その理由として①連日好天気で雨に遭わず②トレイルは登降量が少なく整備され③道標完備で道幅も広く初級グレード④テント泊のため体調に合わせた歩行が出来たこと。 3)半面、地図上に表示されたキャンプ場(Caravan Park)が数ケ所廃業して設営地を捜すのに苦労した。又、荷物は10kg程度だが体力低下で長時間の行動は厳しかった。加齢条件を考慮すると、1週間以内が許容範囲のようだ。 4)ロンドンの南部の東西に伸びる台地をノース・ダウンズと呼ばれている。従って、本トレイルも台地沿いに東方へ向かう。幾日も朝日に向かって進むうちに旅の方角でモチベーンが変わるような気がした。 旅の方角として、哀しい時は北へ、嬉しい時は南へ、夢ある時は東へ、そして、そこそこに叶えたら日没に従い西へ消えよう。 5)食料について ・白米に鳥ガラダシやこぶ茶をいれた炊込飯(オジヤ)はオカズ不要で便利。 ・前半組から良質の塩をもらったのでカット野菜や殺菌用に活用。 ・行動食は全て現地購入(価格も安く旨い)。 6)装備について ・ガスはキャンプ6泊で半分残した(100g容量の小型で十分)。 ・衣類の予備は不要(アプローチ用と行動用のみ)。 ・雨具はビニール製の軽量品として防寒用は別途考量する(荷物用は大き目のビニールシートで特製要)。 ・長ズボンを捲り半ズボンの代行。 ・軽量化を計り全体重量を7kg程度にしたい。 ![]() Gotton Park付近の牧草地 |
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