<東海自然歩道・伊賀奈良コース>
期 間:平成28年3月21日から3月25日(5日間) |
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1 はじめに |
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昨年9月に東海自然歩道の枝線・恵那コースをトレースしたので、今回は同じく大阪寄りの枝線・伊賀奈良コースを訪れる。本線との分岐は琵琶湖南部の石山寺駅と東方の柘植駅で、距離は約250kmのU字に南下するコース。 一度で踏破するには12日間程度を要するので2回に分割、今回は底部の長谷寺駅を起点に時計廻りに奈良県側を通り石山寺駅まで北上する。次回に残り半分・長谷寺駅からの反時計廻りに伊賀コースを経て柘植駅としたい。 コースは古都に点在する多くの史跡を通るから古代ロマン漂うトレイルを期待したい。また、半年振りの野営ロングウオークになるので、加齢に伴う心身の低下程度を把握し、出来れば今夏の歩行シーズンに向けて準備しよう。 ![]() 奈良・山の辺の道 |
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2 トピック&スケッチ 総距離110Km。総行動36時間10分(実績値) | |||
*出発日 3月20日:新宿駅BTから夜行高速バスで奈良県・天理駅へ向かう。 第1日目 3月21日(天気 曇):長谷寺駅から白川ダム運動公園 距離21:km。行動時間6時間30分 夜行バスで早朝天理駅に到着。駅に荷物をデポして電車で起点の長谷寺駅まで行き、長谷寺から長谷のみち、山の辺の道をたどる。いくつもの寺院・神社そして天皇陵を訪れて天理駅に戻り、駅で荷物を回収後3km北上して白川ダムの運動公園に設営した ![]() 長谷寺の総門を兼ねる仁王門は改修中で覆われていたが、垣間見てその荘厳な建築に感嘆。 縁ありて 総門に立ち 仰ぎ見る 古代のロマン 胸に刻みつ 第2日目 3月22日(天気 快晴):白川ダム運動公園から笠置駅 距離:26km。行動時間:8時間40分 昨日の続きで奈良市内の白亳寺まで天平文化の聖地を北上。山の辺の道から剣の達人が往来した柳生街道(歴史のみち)へはいる。柳生の里を経て関西本線の笠置駅のキャンプ場に設営した ![]() 山の辺の道も柳生街道も古道の名にふさわしく石畳と落ち葉のトレイルが続く。 集落の分岐路には必ず標示板が設置され大助かりだ。 辻毎に こちらこちらと 道しるべ 導びかれ行く 山の辺の道 第3日目 3月23日(天気 快晴):笠置駅から鷲峰山 距離:26km。行動時間:8時間20分 駅から木津川沿いに国道(伊賀街道)を7km東進して押原から大河原尾根を登り開拓地を過ぎて南山城横断道路から原山集落へ下る。設営地がなく再び鷲峰山の登山路に入り山中で設営した。 ![]() 朝の冷え込みも陽が当たる時刻になると春らしい雰囲気になり、鶯が鳴き始めてときめき探しの旅は始まる。 鶯の 鳴く声聞けば 想い出す 昨年の春の 旅のつれずれ ![]() 山道でノルデックウオーク(ストック2本歩行)の超高齢者に出会った。持病もあってか非常にゆっくりと足元に注意して歩行に集中。その心意気に思わず声をかけた、能力の限界に挑む姿に敬服。 ヨロヨロと 杖が頼りの 山歩き 気力みなぎり からだ従う 第4日目 3月24日(天気 晴):鷲峰山から炭山 距離23:km。行動時間:7時間10分 日本有数の銘茶の産地・宇治田原地区を経て天ガ瀬ダムを通り川沿いに北上して宇治市内の平等院、宇治上神社から志津川に沿って6km北上。炭山集落の公道脇に設営した。 ![]() 鷲峰山周辺に茶畑が広がる。長閑な風景に溶け込むように作業道のトレイルを進む。 南斜面 地形生かした 茶畑に 陽光浴びて 新芽うながす 第5日目3月25日(天気 晴):炭山から石山寺駅・帰宅 距離:14km。行動時間:5時間30分。 最終日は北東へ西笠取、清龍宮を通り西国12番寺・岩間寺、更に東進して13番寺・石山寺を巡拝。石山駅から大津駅へ出て市内で時間をつぶしてから夜行バスで翌朝大宮駅に到着した。 ![]() 一般に神社や天満宮は民家近くにあるが、清龍宮は人里離れた林道脇に鎮座。その名から乙姫様が祀られているのかも。 爽やかな パワーあふれる 龍宮の 境内巡り 英気賜る 3 あとがき (教訓と所感) 1)出発1週間前に天気予報を確認して3日前倒した。そのために雨天を避けて行動が出来た。 2)予想通りトレイルは寺院、神社そして天皇稜と多くの史跡を通り、人気のあるコースのためトレイルは整備され標示板も完備していた。 3)半年前の歩行と比べて体力的な低下は感じなかった。しかし、記憶力やバランス感覚は衰えたようだ。具体的には地図の確認頻度が多くなったり、シングルトレイルの下降が不安定だった。これ等は年齢を重ねると自然な現象だから「どう受け入れるか」が今後の課題。 4)従って歩行寿命を延ばすには、心身の負荷を軽くして疲労が蓄積しない行動にとどめる。そのバロメーターとして、汗が出ない範囲の負荷で心拍数100/分以下。また、休憩は疲れてからでなく疲れる前に食料と水の補給で少休止。今回は2時間行動して5~10分休止、平均7時間/日だったが設営場所の都合でムリに守ることはない。 5)行動期間について: ・過去には最長3週間のこともあったが、今後は長期、中期、短期と3区分して計画したい。即ち10日間±2日、5日間±2日、2日間±1日としてイベントを企画したい。 6)食料について:1,5kg程度 ・今回初めてパック飯と魚缶詰の主食品を現地調達した。その結果持参食料を減らし荷物軽減が出来た(パック飯でオジヤ)。 ・行動食にカニヤ製カンパン、柿の種、ザブレクッキー及び食パンを持参、他は現地入手にしたい(事前に食料店の有無を確認要)。 7)装備について:6kg程度。 ・超軽量の寝袋と防寒インナーズボンを新替したので夜間の寒さに耐えれた。 ・ガスボンベは小型(ガス量100g)で朝夕2回X4日分使用可。 8)夜行高速バスは事故の危険性もあるが、利点として安価、現地早朝着、行き先が多方面(大宮駅発着で富士五湖、伊勢、南紀白浜、京都、大阪そして上高地がある)。また、長時間乗るので国外旅行時のフライト練習にもなれた。 4 概略タイム&ポイント(連泊ハイク向け) ![]() 第1日目3月21日: 天理駅(6:15/40)・・・長谷寺駅(7:08/15)-初瀬(7:28)-長谷寺(7:35/45)-天満宮(7:55/8:10) <→>-柱神社(8:35)-黒崎(9:10/20)-大神神社(10:10)-桧原神社(10:35)-長岳寺(11:30/35)-菅生町(12:10/20)-石上神社(13:00)-天理駅(13:30/50)-白川ダム・設営(15:00) <写真参照> 1)長谷寺駅<↓>から門前町の初瀬を経て西国33寺の8番寺・長谷寺<↓>に着く。本尊は重要文化財で身の丈約8mで迫力がある。寺から西方の桜井方面へ進み金谷石仏から「山の辺の道」に入る。 2)三輪山をご神体とした大神神社<↓>は三つの鳥居があり、拝殿と共に国の重要文化財で日本最古の神社で参拝者も多く人気スポット。 3)山の辺の道は、奈良~桜井間約35kmだが天理駅から南部約15kmは古道が残り標示板が目立つ。 4)設営地の白川ダム運動公園は数ケ所休憩舎あり野営適地。 ![]() ![]() ![]() 第2日目3月22日: 発(4:50)-円照寺(6:00)-鹿野園(7:25/35)-白亳寺(8:00/40)道間違-柳生街道入口(9:00)-奥山ドライブ道横断(9:30/40)-円城寺(10:40)-大柳生(11:20)-青少年センター(11:40)給水-柳生バス停(13:00/10)-笠置駅キャンプ場・設営(14:10) <写真参照> 1))白亳寺先で山の辺の道から旧柳生街道(歴史の道)へ入るも類似した生活路が交叉して間違い易い(白亳寺を一周して3kmロスした)。 2)旧柳生街道は能登川沿いに石畳敷き混じりの古道を辿り、首切り地蔵<↓>、石切峠、円城寺をへて柳生集落へ至る。 3)笠置駅キャンプ場は木津川の旧船着場跡を整備したもの。近くに笠置温泉と食品店あり。 第3日目3月23日: 発(5:00)-国津神社(6:10)-大河原駅(6:40/50)-押原分岐(7::45)-野殿(9:35)-童仙房(10:35)-四番(10:50/11:30)-原山バス停(13:30/40)-鷲峰山手前2km・設営(14:30)写真参照>。 1)笠置駅から木津川沿いの伊賀街道を東進して押原バス停から大河原多羅尾根を標高差400mの野殿集落まで登路。 2)東西に広がる南山城村の童仙房高原には一時は千軒の開拓地として茶栽培が営まれていた。その集落名は1番から9番まで数字が地名になっている。 3)設営予定していた原山バス停付近には適地がなく、鷲峰山への登山路(標高差550m)の途中の急斜面の狭いスペースに設営(その100m先に立派な休憩舎あり)。 ![]() ![]() ![]() 第4日目 3月24日: 発(5:30)-金胎寺(6:20/35) <↑>-御栗栖神社(8:30/45) <↑>-郷の口(9:00)-天ケ瀬ダム(10:30)-平等院(11:00/20)-明星町(12:00)-炭山・設営(13:30) <写真参照> 1)郷の口は宇治田原町役場の所在地で国道307号線が通りコンビニあり。 2)宇治駅近くの平等院や日本最古の神社建築・宇治上神社は観光客で賑わう。 3)宇治上神社裏手の仏徳山を巻き明星町から志津川沿いに北上し炭山へ向かう。 第5日目 3月25日: 発(4:50)-西笠取(6:45/50)-東笠取(7:30)-清竜宮(7:45/55) <↓>-岩間寺(8:45/50)-北千町バス停(9:10)-石山寺(10:38)-石山寺駅(10:50/11:20) ・・・大津駅(11:38/21:51)・・・夜行高速バスで翌朝・大宮駅 1)岩間寺への徒歩急登路は標高差250mのシングルトレイル。下山は車道を東進み石山寺へ向かう。 2)岩間寺<↓>は西国12番寺、石山寺は13番でいずれも広大な敷地の寺院。 3)石山寺駅から京阪石山坂本線で浜大津駅下車が便利。(夜行バスは大津駅前発だが浜大津駅からも近い) 4)時間調整のため、銭湯および市立図書館を利用。 ![]() ![]() 写 真 (テント設営地) ![]() ![]() ![]() 3月21日 3月22日 3月23日 ![]() 3月24日 |
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