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<東海自然歩道・恵那コース>

東 海 編 ・・・愛知・寧比曾岳から愛知・善師野駅・・・

期 間:平成27年9月1日から9月6日
 
 
1 はじめに
 日本で最初に設定された長距離自然歩道は東海自然歩道で大阪・箕面公園から東京・高尾山まで総距離1,343kmになっている。
 自然歩道は、本線以外に数ケ所支線コースがあり、今回は、そのひとつ愛知県下の恵那コース・寧比曾(ねびそ)岳から善師野駅間、約120kmを訪れる。このコースは歴史的にも要衝の中馬街道・大名街道そして美濃中山道の古道を辿るので多くの史跡が楽しみだ。

 9月上旬で残暑が厳しいかも知れないので熱射病を気にしながら夜行バスで起点の愛知県・豊田市へ向かった。

 
      
                      寧比曾岳の山頂
 
  2 トピック&スケッチ  総距離124Km。総行動35時間30分(実績値)
出発日 8月31日:東京駅から夜行高速バスで新豊田駅へ向かう。

第1日目 9月1日(天気 雨後曇):伊勢神バス停から寧比曾岳往復後伊勢神峠 
                      距離:9km。行動時間:4時間30分
 足助町の伊勢神バス停で下車して林道を歩き始める。2時間ほどで大多賀峠に着き荷物をデポして寧比曾岳を往復。屋根のあるテント設営地を探ながら恵那コースを北上した。

 天気予報では前線が停滞しており初日から雨具着用となる。トレイルの状況が良いのが救い。

   気がつけば 雲は薄れて
   雨あがる
   予報外れて 足軽くなる










第2日目 9月2日(天気 雨後曇):伊勢神峠から明智町
                      距離:28km。行動時間:8時間20分
 明智光秀を生んだ明智町を目指して閑羅瀬、川瀬集落を通り、明智川沿いに北上した。途中林道を間違え東進してしまい1時間ほどロス。
 夜間の降雨を案じてテント設営をバス待合所にしたが、中学校の管理地のため警察から職務質問を受けた。

 以前から山間部の限界集落が社会問題となっていたが、対策は難しく経済最優先の社会は続く。


   村朽ちて 鎮守の森も
   野仏も
   役目はたして 自然に還る







 第3日目 9月3日(天気 曇後雨):明智町から槙ケ根・まきがね公園口
                       距離:26km。行動時間:6時間50分
 明智鉄道の岩村駅を経てトレイルは北西へ進むが、今朝腕時計が故障し新替のために大きな町・恵那市へ迂回した。恵那市(旧大井宿)から大湫宿(おおくて)まで約14kmは美濃中山道の十三峠で有名な難所で明日からのトレースとなる。
 
 小雨になるのを待ち構えてセミやスズムシが鳴きだす。


   昼のセミ 夜のスズムシ
   今盛り
   無心に聴けば 孤独薄れる





第4日目 9月4日(天気 曇後晴):槙ケ根から津橋
                      距離:22km。行動時間:5時間50分
 今日は終日尾根筋の美濃中山道を歩いた。一部の平地は車道に消えているが多くは山道で峠部には石畳が残っていた。

 五街道のひとつ美濃中山道にも有名な史跡が多く<首なし地蔵>もそのひとつ。


   道脇の 首なし地蔵
   手を合わせ
   笑っているの 嘆いているの







 登降差は100m程度の峠だが数が多いので疲れがたまる。昔も人馬の休憩所として峠の茶屋は繁盛したようだ。馬の水場として茶屋付近に立場、一里塚も残存しており往時を偲ぶ。  


   十三の 峠の毎に
   茶屋の跡
   一息入れて 喉を潤す




第5日目 9月5日(天気 晴):津橋から二野
                   距離:21km。行動時間:5時間30分
 今日も美濃中山道を御嵩町までトレース。人馬が休んだ「唄清水や一呑の清水」には今も清水が湧いていた。江戸末期に皇女和宮が降嫁された時の宿泊御殿や休憩所跡が表示されており往時にタイムスリップした。


 400年の歴史に耐えて今もウオーキングコースとして役目を果たしている。それなりに管理がなされているので、後世に残したい遺産のひとつ。


   時を経て 丸みをおびた
   石畳
   峠を越えて 麓まで続く 




第6日目 9月6日(天気 曇):二野から善師野駅・可児市から帰宅
                   距離:18km。行動時間:4時間30分
 最終日は、御嵩駅から美濃中山道と分かれ南下して可児市へ。姫川を渡り西進して石原集落を通り善師野駅に到着した。

 本線との合流点近くなって珍しくヤブ路になる。待ち構えたブヨの群れに襲われ一気に駆け抜ける。


   雨模様 ブヨやヤブ蚊に
   まとわれて
   頭ふりふり ヤブ路を駆ける





 
3 あとがき (教訓と所感)

1)残暑を案じて入山したが8月の猛暑が嘘のような長雨の日々だった。好天候が期待出来る9月下旬か10月まで待てば良かった。
2)今回のコースは東海自然歩道の支線だが本線並みの標識やトレイルで期待通りに快適な歩行が出来た。特に美濃中山道は多くの史跡と由来看板があり道中を豊かにしてくれた。そのために定期的な管理がなされていることに感謝したい。 

3)天候や体調によりトレイルに拘らずシニアの特権?として脇道を幾度か迂回した。そのために今回は持参しなかったが最新の道路地図が必要。
4)13年前に東海自然歩道を訪れた時の記録によると、荷物重量は19kgで今回は9kgと半減していた。理由はザック、テント及び寝袋等の装備品の材質改良、食料品の改善がある。又1日の行動距離や期間もそれなりに短くなっている。
 こうした負荷の軽減が歩行寿命を延ばしているので、今後も更に実態に合わせてムリない負荷で続けたいものだ。

5)関西地区の支線に伊賀奈良コース(石山寺から拓殖間250km)がある。必要日数は12日程度で奈良県下の史跡を巡るので実施するなら2回分割になるだろう。
6)他の自然歩道と同様に歩行者と行き交うことはなかった(コースの基本は日帰りだから時間的にも早朝から正午まで野営行動とは会わないのかも知れない)。 

7)最終日の行動を半日に設定しているので、夜行バスの発車まで待ち時間が長すぎた。今回は多治見駅まで電車で往復して温泉に入ったが、朝帰りに拘らず当日電車利用で帰宅する選択に変更したい。帰宅途中に別途興味があるテーマを見つけて立ち寄る余裕を持ちたい。
8)2度ほど道を間違えてしまった。原因は勘違いや確認が面倒になり怠ったことだが、その裏には記憶力始め視力や聴力の低下がある。これ等を謙虚に認めて心身の低下をいたわりハードルを下げたい。

9)食料について 
・夕食は無洗米(150g/回)パックにし設営地に到着しだい多目の水に浸す(オジヤ)現地でナット、ヨーグルト入手。
・朝食はラーメンまたはパン(乳糖付)。
・行動食はパン類。全体として摂取熱量を不足気味にして体脂肪の消費でバランス。
10)装備について・消費ガス量:30〜40g/日。
・特性グランドシートは荷物用雨具と兼用。


 
4 概略タイム&ポイント(連泊ハイク向け

第1日目 9月1日(雨後曇):伊勢神バス停から寧比曾岳往復後伊勢神峠
 前夜発・東京駅八重洲口(23:00) 
タイム:新豊田駅(5:46/50)-豊田駅(5:53/6:35)・・・足助町(7:21/30)・・・伊勢神バス停(8:00)<↓>-旧いこいの村(9:15/20)-大多賀峠・荷物デポ(9:40)-寧比曾岳(10:40/45)-大多賀峠(11:25)-伊勢神峠・遥拝所(12:40)-1km先・設営(13:00)

1)愛知環状線の新豊田駅と名古屋鉄道線の豊田駅間はアーケイド連絡通路。
2)大多賀峠<↓>から寧比曾岳まで急登の登山道を往復(道標完備)。
3)伊勢神峠・遥拝所<↓>から1km先のトイレ脇に設営(旧いこいの村近くの沢水使用)。
    

第2日目 9月2日(雨後曇):伊勢神峠から明智町 
タイム:発(5:00)-町境(5:40)-坪崎(6:25)-旭大橋(7:15/20)-閑羅瀬・石仏群(8:00) <↓>-大簗(9:20/25)-明智橋(10:20/25)-岩竹(12:10)-中沢口(12:35)-明智城跡(13:55/00)-明智町(14:10)中学校前バス停・設営(水は学校から入手)

1)坪崎から閑羅瀬間は尾根筋のトレイルを避けて東面の県道を通り矢作ダム経由とした。
2)颪から更に高波川をつめて明智川沿いの県道を北上したが、途中間違えて林道に入り中沢口まで東進して4km遠まわり。
3)明智駅<↓>前に大型スーパ有り。市街地は大正ロマンを表現した町づくりで観光の町。
     

第3日目 9月3日(曇後雨):明智町から槙ケ根・まきがね公園口 
タイム:発(5:10)-杉野(5:33)-安住寺(5:55)-兼平(7:15/20)-岩村駅(8:00/10)-下切(9:00)-恵那市駅(11:30/12:10)-上町観音堂(12:40)-槙ケ根(13:00)まきがね公園口・設営

1)岩村駅<↑>周辺は食料店無し。
2)中切の飯羽間川付近は新設道路が出来て取付き不明。今回は国道を恵那市へ出て腕時計を購入後19号線で槙ケ根へ向かう。
3)設営は、まきがね公園入口の休憩舎を利用したが深夜まで交通量が多く騒音大。 

第4日目 9月4日(曇後晴):槙ケ根から津橋 
タイム:発(5:00)-中山道合流(5:35)-首なし地蔵(5:50)-紅坂一里塚(6:30) <↓>-深萱(6:50)-大久後(7:30)-大湫宿(8:35/9:10)-琵琶峠(9:50)-北野神社(10:35)-弁財天の池(10:55/00)-津橋(11:30)設営

1)美濃中山道は下草も刈られて整備良好。各所に史跡の案内板があり日帰りハイキングコースとして適地。
2)大久後及び琵琶峠の休憩舎は大きく設営可。
3)津橋集落の手前1kmの農道脇に設営(付近に休憩舎なし)水は細久手で入手。

第5日目 9月5日(晴):津橋から二野 
タイム:発(4:40)-御殿場(5:25)-謡場(5:40)-和泉式部廟所(6:30)-御嵩駅(7:20/25)<↓>-久々利(9:10)-泳宮(9:35/00)-二野(10:40)二野池設営

1)謡場に安藤広重の東海道五十三次・御嶽宿木賃宿のモデルの宿<↓>が保存されていた。
2)御嵩駅から3km先(ゴルフ場裏)に大型休憩舎有り。
3)泳宮に休憩舎はないが水道、トイレ及びベンチあり。
    

第6日目 9月6日(曇):二野から善師野駅・可児市から帰宅 
タイム:発(4:30)-381号線(4:50)-乗里踏切(5:45)-井の鼻(6:55)-可児川駅(7:05/10)-土田城跡(7:30)-石原(8:00)-本線合流点(8:30/35) <↓>-熊野神社(8:55)-善師野駅(9:10/41)<↓>・・・新可児駅(10:00/20:40)-可児車庫(21:00/22:00)・・・夜行バスで翌朝・新宿駅(5:10)

1)二野から道路工事で通行禁止のため下切駅を通らずに国道84号線を西進。
2)石原集落付近から本線合流点までは村道が交差して一部案内板無し。
3)可児車庫は可児駅から1km離れた広見小学校隣りだが待合所もない。駅最寄りバス停は市役所前だが、乗車地は次のバス停・多治見駅前が便利(待合所および駅近くに商店街&風呂あり)。
4)バスの待時間が長い(12時間)ので、帰路は夜行バスより電車選択が賢明。
         


 写 真 (テント設営地)
     
       9月1日        9月2日       9月3日

          
           9月4日        9月5日






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