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09年8月(ドイツ・アルテナ:ユースホステル運動100年記念)


シルマン・ウオーク


トレイルからの遠望

       

期  間:平成21年8月12日から8月26日(15日間)
  参加者:9名(内4名はアルテナ周辺8日間・180kmウオークに参加) 




 
1 はじめに

  2年前、ユースホステル運動100年記念を機会に、その発祥の地を訪ねる誘いがフットツーリングクラブ・山浦正昭代表からあった。ユースホステルの縁者ではないが「ドイツのウオーキング」に魅力を感じ、英国のフットパス終了後にドイツへ移動して参加することにした。
 前半は記念行事の一環として、運動の創立者をテーマした手作り紙芝居「シルマン物語(演奏付き)」を同クラブの有志で作成&出演。現地で草の根的に公開するのでボランテア気分で協力をする。
 後半のウオーキングは、同地区を全日程YH泊(3食付き)でアルテナを起点に一周、初体験ドイツのトレイルを期待してフランクフルトの空港で本隊と合流した。



日   程

8月12日 Frankfurt空港で本隊と合流(Frankfurtユースホステル・YH泊)
8月13日 FrankfurtからBacharach
YH泊)
8月14日 Bacharachからライン下りをしてK
ӧln経由HagenYH泊)
8月15日 HagenからAltena往複(
YH泊)紙芝&演奏

8月16日 HagenからAltena Altenaからウオーキング開始 
                Gl
ӧrseeYH泊)25km
8月17日 Gl
ӧrseeからRadevornwaldYH泊)22km
8月18日 RadevornwaldからBung Solingen
YH泊)22km
8月19日 Bung SolingenからSolingen Gr
ӓfrathYH泊)16km
8月20日 Solingen Gr
ӓfrathからWuppentalYH泊)21km

8月21日 WuppentalからGl
ӧrseeYH泊)29km
8月22日 Gl
ӧrseeからHagenYH泊)28km
8月23日 HagenからAltena 帰路は電車(
YH泊)22km
          ウオーキング終了(総距離=180km)

8月24日 HagenからFrankfurtYH泊)
8月25日 Frankfurt空港からLondon経由・翌日成田空港・・・岩槻駅


 


2 トピックス&スケッチ

第1日目 8月12日(天気 快晴):Frankfurt空港で本隊と合流
               (Frankfurtユースホステル・
YH
 空港から15分程で、フランクフルト市街地に到着。初めてのドイツに少々緊張気味。
 YHに不要なテント用具を預けて明日からの旅に備えた。




  マイン川
  岸辺の塔は 天を突き
  チャイムの音は 祈りを告げる







第2日目 8月13日(天気 快晴):FrankfurtからBacharachYH泊)

 街を見下ろす古城がYHとなっているドイツのYH事情に驚く。さすがは発祥の地だと感心しきり。
 明日は「ライン川下り」の予定とか、今回は全泊YHの舎営だから「3食昼寝付き」のルンルン気分。


  ライン川
  見下ろす丘の 樹々の間に
  バッハラッハの 古城聳える




第3日目 8月14日(天気 快晴):BacharachからKӧln経由HagenYH泊)
 前半のテーマは「演奏付き紙芝居」題はシルマン物語。
 YHのロビーで実演開始、女性軍の熱演に拍手喝采。草の根運動としても大成功と思えた。


  天然の
  調べに似たる 演奏の
  曲は優しく 石壁覆う






第4日目 8月15日(天気 快晴):HagenからAltena往複(YH泊)

 アルテナの小高い丘にあるYHの創設者・シルマン氏と日本の先達・横山氏の墓標に参拝。
 その後、最初のYHとなったアルテナ城を見物。当時の少年達の賑やかな声が聞こえるようだった。



  少年の
  心を育む システムを
  築いた先達 敬い偲ぶ







第5日目 8月16日(天気 快晴):HagenからAltena 
            ウオーキング開始・・Gl
ӧrseeYH泊)

 今日から8日間のウオーキング開始。地形的には平坦だか、集落が多いせいか舗装道の里道を繋ぐトレイル。
 頻繁に交差路があり歩行に専念出来ない。


  
モロコシの
  畑を過ぎて 森を抜け
  ドイツの小路 右へ左へ





第6日目 8月17日(天気 快晴):GlӧrseeからRadevornwaldYH泊)

 目的は「野火の監視台」らしいが、いかにも堅実なドイツらしく頑丈な出来具合。
 仲間のひとりが「下見聞」と登ってみたら見晴らし良好とのこと。



  半世紀 
  前の子供に 若返り
  巨木の基地に 誘われ登る







第7日目 8月18日(天気 快晴):RadevornwaldからBung SolingenYH泊)

 連日の快晴で気温は上昇しているが乾燥地だから発汗は少ない。
 朝食の都合で9時頃の出発になり、午後の一番暑い時も行動。牧場の牛達もけだるそうに水場に集まっていた。


  牛達は

  尻を揃えて 水を飲む
  夏の陽射の 木影の中で





第8日目 8月19日(天気 晴):Bung SolingenからSolingen GrӓfrathYH泊)

 既存のトレイルに拘らず、舗装道路を避けて細い路を選びながらの歩行スタイル。
 初めてのドイツだから「代表的なトレイルを歩けるのでは・・」と期待していたが。早合点だった。



  今日までの
  コースを辿り 明日からの
  あれやこれやと トレイル談義






第9日目 8月20日(天気 曇):Solingen GrӓfrathからWuppentalYH泊)
                              21km

 戦災を受けたせいか、英国に比べて古い民家がない。清潔感のある建物が多く、ほとんどの窓や庭先には花壇や花籠で飾ってある。 それが自慢のように手入れされ、眼ざわりにさえなる。



  煩悩が
  自慢の裏に 見え隠れ
  他山の石と 吾を戒しむ







第10日目 8月21日(天気 小雨後晴):WuppentalからGl
ӧrseeYH泊)29km
 里近くの土手に高山植物の釣舟草が群生していた。
 花の名前と由来を教えて貰ったが、他にも草花が随所に咲いて花好きな人には、格好の散歩道と云える。 



  小川沿い
  釣舟草の 散歩道
  ピンク花弁 優しさ競う







第11日目 8月22日(天気 快晴):Gl
ӧrseeからHagenYH泊)28km
 ユトリか趣味か、多くのトレイルから更に外れた近道を選んで進む。
 時として牧草地の私道に入り地主からクレームをつけられる。
 最後は<珍しく東洋人だから・・>と云った顔で了承。


  「この道は
   私有地だから 公道を」
   マナー違反は 旅のかき捨て





第12日目 8月23日(天気 晴):HagenからAltena 帰路は電車(
YH泊)22k
                        ウオーキング終了(総距離=180km)

 日曜日で、今日が祭りの最終日とあって山上のアルテナ城は満員。
 これほどYH運動に関心がある国民に驚く。子供のころから、YHを身近に感じているからだろう。




  長旅を
  終えて起点の アルテナへ
  ユースのお城は シルマン祭り






第13日目 8月24日(天気 快晴):HagenからFrankfurt
YH泊)
 完成までに600年以上の月日が費やされ、現在も一部足場で覆っている。
 規模の大きさでは、外側の2つの塔も眼を引くが内部の見事なステンドガラスは眺めて居ると首が痛くなる。



   ケルン市の
   世界遺産の 大聖堂
   文化伝える ステンドグラス








第14日目 8月25日(天気 曇):FrankfurtからFrankfurt空港より
                    翌日・成田空港
・・・岩槻駅

帰路、隣席のイタリヤ青年は東京7日、京都2日の予定で日本見物とか。
 関連情報として奈良、日光、都内では原宿、秋葉原、浅草等を紹介してあげた。



  ミラノから
  初体験の 日本行き
  日数はないが あれこれ見たい






 3 あとがき(所感

3-1全般
1)ユースホステル発祥に国だけあって、全国に600ケ所以上の施設があり特に青少年の野外活動の教育システムに組み入れら活発に利用されている。その中には、今回訪れたアルテナ城やバッハラッハ城のように城内をユースホステルとして開放されているのには驚いた。

2)ホステルは、団体(グループ)利用が主流で食事も用意されており自炊の設備はない。空いていれば一般客も利用出来るがハイシーズンは満員になる頻度も高く、単独の宿泊で自炊向きではないようだ。

3)そのような最盛期に3週間も全泊する貴重な体験が出来た。手続をして下さった日本ユースホステル協会の皆様に感謝したい。


3-2前半:記念行事「紙芝居・シルマン物語」
1)構想から3年の準備を経て完成した作品は現地でも好意を持って受け入れられた。推進者のフットツーリングクラブ・山浦正昭代表はじめ賛同者皆さんに拍手を送りたい。
2)特に生演奏のハーモニカー、オカリナそしてバイオリンと夫々味わい深い音色に癒された。最後のアルテナ城では、屋外演奏で楽譜が風で飛ぶので演奏者の下に座り楽譜を押さえていたので「頭上からのバイオリンを聴く」と云う貴重な体験が出来た。

3)路上のパホーマンスにも似て、予約なしで「演出」を申し込んでも快く了解してくれこの国の文化と大らかさを感じた。また、お互いのコミニケーションに言葉は必要だが、それ以上に強い意志の伝達が肝要だと今回の催しから再認識をした。


3-3後半:ドイツのトレイル
1)今回のウオーキングの趣旨はシルマン氏ゆかりの地域を一周することであった。しかし、ドイツ・トレイルの初体験と意気込んで夢は広がり、自分勝手に「人里離れた深い森と湖のトレイル」と夢想してしまった。そんなトレイルもあるかも知れないが今回の趣旨と違うため、修正するのに苦労した。

2)具体的には、トレイルは里道が主体でトレイルの半分は舗装道で車は少ないが「言葉の障害を乗り越え、飛行機に乗ってくる所ではない」と思いつつ歩いた。年金ジーサンとしては「我まま気まま」を旗印に歩いているので、やはりテント担いだ独り旅に魅せられる。

3)連日好天気に恵まれ、初秋を思わせる爽やかな風と草花が旅を癒してくれたが、1週間前に英国の静かなフットパスを味わい「舗装道がツヤ消し」と残念に思えた。

4)今回のトレイルは標示マークも完備され初心者でも老年者でも気軽に訪れる。同等のトレイルが網の目に配置され、人々の生活の中に「歩行・散歩」が定着しているようだった。

5)連日1パーテイーで行動したが、宿泊地は決まっているので2組に分かれて別々のトレイルを選択すれば、自立度が高まったような気がする。

 



          ドイツ・アルテナ周辺ウオーク 略 図

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