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 ロング・ウオーキングと私

                                                        飯星 宏徳   
 ロング・ウオーキング?あまり聞きなれない言葉ですが、「長距離歩行」の意味で、日帰りの場合と数日間又は数十日間を連続しての歩行があります。ウオーキングは今更云うまでになく健康促進に推奨され市民権を得ていますが「長距離のウオーキング」で後者のケースについては、余り馴染まれていませんので、簡単にご紹介したいと思います。

 国内の事例を挙げれば、四国の八十八寺巡拝や旧街道(中仙道や東海道)の歩行が代表的でしょう。又、一般的ではありませんが環境庁省が策定した「日本長距離自然歩道」は全国レベルで設定されております。これ等の総距離をみると、四国八十八寺は約1200キロ、日本長距離自然歩道は全長約2万3千キロ、最も古い東海自然歩道(大阪・箕面公園〜東京・高尾山)だけでも四国遍路道と同じ距離を歩くコースになっていますから、踏破するのも数十日が必要になります。従って、日帰りの場合と異なり宿泊地や食料及び装備品についてもそれなりの配慮が必要です。


 最初から長期間の歩行はムリですから、ランニングと同じくステップ・バイ・ステップで最初は2・3日から体験するのが良いと云われています。他方、海外の事情は、ウオーキング大国と呼ばれる英国やヨーロッパ諸国をはじめ、ニュージランド及び米国のナショナル・トレイルとして、いずれも数万キロと途方もない規模で市民権を得ております。国内で経験を積んで海外のスケールの大きな「長距離自然歩道」にチャレンジするのも夢ではありません。

 私のロング・ウオーキングとの縁は、20代からの山登りが起点ですが、加齢と共に「高さ・高度への挑戦」が厳しくなり「長さ・距離へ」と転換し、定年後の自由時間が後押し、四国八十八寺巡拝への44日間・歩行が入門でした。その後、10年を経て「日本長距離自然歩道」を随時歩行して鹿児島・佐多岬から北海道・宗谷岬までのトレース。更に、夢を膨らませて、米国、ニュージランド及び英国の自然歩道へ二十数回訪問することが出来、益々没頭している次第です。歩行には、野営技術も必要ですが基本は歩行能力であることは云うまでもありまでん。


 幸い、槻の森JCのお仲間の導きで、ジョギングを続けられ何とか維持出来ており感謝しております。今後もムリせずに「身の丈にあったロング・ウオーク」を続けたいものです。

        <2010・6.20 所属ジョギングクラブ・槻の森JCの機関紙に掲載>