News  <近畿自然歩道・山陽路コース:兵庫県>

        平成30年春期
       
・・・・兵庫・妙見口から岡山・県境・・・・
               期   間:平成30年3月14日~20日 (6泊7日)
                参加人員:単独              記:飯星宏徳

            
                   14日・南田原集落                     東光寺

 1 はじめに
 中国地方の自然歩道は日本海側と瀬戸内海側があり、今回は近畿自然歩道に属する瀬戸内海の兵庫県内をトレースする。これで九州、中国、東海そして東北の各自然歩道を結ぶことになる。最初は大阪から東京までの東海自然歩道を16年前にスタート。記録を読み直すとその間の心身の変化がわかり興味深い。

 近年の反省として3月の野営・ロングウオークは、体力的にムリだと自覚していた。しかし、1年過ぎれば「喉元過ぎれば何とやら」で早春の誘惑に誘われて「計画を緩めて再トライしよう」と実行することにした。

 具体的には1日の行動量や日数を軽減、更にトレイルの状況によってはエスケープ路を選択。また、荷物軽減対策として現地の食糧調達を増やすこと。そして行動中は身体からの信号を無視せず早め早めに対応し、従来の結果重点(ゴール)ではなく経過重点(道中充実)で余裕を失わないようにしたい。


 2 トピック&スケッチ 
 

 *出発日 3月13日:東京駅八重洲口から 夜行高速バスで大阪・梅田駅へ向かう。始発ターミナルで車内は満席、若者達には人気がある便のようだ。

第1日目 3月14日(天気 快晴):妙見口駅からソエ谷峠
               距離:17km。行動時間:5時間30分。

 電車で妙見口駅に下車。1kmほど緩い坂を進むが、体調不良で駅へ引き返す。日生中央駅まで電車で行き平坦路を選択。モデルコースを敬遠して公道を先へ進み、ソエ峠に設営した。

 妙見山の参道は「花折街道」と呼ばれ一帯は花見の名所とか。体調不良で風情を楽しむ余裕もなく平坦路にエスケープする。

    春の里ゆるりゆるりと
     漕ぎだせば
      梅は満開 桜はつぼみ

 第2日目 3月15日(天気 快晴):ソエ谷峠からフルーツパーク 
                距離:27km。行動時間:9時間10分。     

 コースを西進して千刈貯水池から千刈ゴルフ場脇を経て道場駅へ。更に南下して二郎駅から連絡路を4kmほど進みフルーツフラワー・パークに到着。パーク近くに設営。

 一般的に湖畔沿いには作業路があるが千刈貯水池は踏跡薄いシングルトレイルしかない。ヤブの中にコース案内があり「これ以上トレイル探しはムリ」と引き返し別道を選択する。


  
 湖畔沿い朽ちた案内
    ヤブの中 
     トレイル探しにとどめの一撃

第3日目 3月16日(天気 雨):フルーツパークから原野
                距離:19km。行動時間:6時間10分。

 雨天時は展望も期待できないので、シングルトレイルは避けて脇道の公道を選択して神戸青少年公園へ。公園で設営予定だったが冬期シーズンで閉鎖中、しかたなく先へ進み志久峠を越えて原野・大塚山公園に設営。

 マイペースを心がけているが雨天の山道は歩き難い。特に降り路は落葉に隠れた浮石に神経を使う。昨年と比べても平衡感覚がさらに低下しているようだ。
   ハレの時ケの時もあり
    ひとり旅 
     八十路の峠ハレて越せるや



第4日目 3月17日(天気 快晴):大滝口バス停から女池  
               距離:26km。行動時間:8時間。

 県道85号線を西進して、つくはら湖北岸の遊歩道経て御坂バス停に到着。ここから県道38号線を西進して恵比寿駅着。駅から電車で小野駅まで移動して鴨池キャンプ場まで。キャンプ場が閉鎖のためにその先の女池付近の公道脇に設営した。

  落葉の吹き溜まりは意外と平坦地で風も弱い。公道から少し離れてそんな場所に出会うと嬉しくなる。


   花冷の落葉の床は
    温シップ
      疲れを癒し土の夢みる


第5日目 3月18日(天気 快晴):女池から砥掘経由姫路駅・ゲストハウス
                  距離:20km。行動時間:6時間。

 峠越えのシングルトレイルは荒れているので今日も迂回路を選択。県道118号線を西進し志方東公園、国道372号線を通り豊富から砥堀駅に出た。姫路駅まで路線バスを利用して今夜は市内のゲストハウスに舎営。

  コースは神戸のベットタウンとして開発されている所が多いが、少し山側にいると昭和の面影を残す素朴な集落で会う。


    回想の箱に入れたし
     ふるさとの
      風情に似たる兵庫の田舎
 



第6日目 3月19日(天気 雨):ゲストハウス・本竜野駅から榊バス停
                距離:18km。行動時間:5時間。

  砥堀駅から本竜野駅までの連絡路は省略して、姫路駅から本竜野駅まで電車で移動。旧街道の県道5号線を西進して滝川橋から村道を北上する。菖蒲谷森林公園手前でシングルトレイルのモデスコースと合流。ふるさと交流館の榊バス停に設営。

 竜野町の旧街道沿いに切妻造りの民家が続く。そんな中を小学生たちの通学列が賑やに通る。


  傘の列賑やか声が 
   通るとき
    切妻造りの民家華やぐ



第7日目 3月20日(天気 雨後曇り):榊バス停から大股バス停・姫路駅経由帰宅 
                 距離:25km。行動時間:7時間30分。

 昨夜の雨でテントや衣類も濡れており3日連続で明日も雨天の予報。身体の疲労度も増しているので、予定を変更して今日下山する。そのためにモデルコースの峠越えを放棄して県道5号線で上郡駅まで、さらに県道90号線を西進して県堺・山伏峠を経て終了点・大股バス停に到着。バスで吉永駅に出て姫路駅から新幹線で東京駅へ。

 雨天であっても最終日は陽気になる。晴れておれば更にルンルンだが・・・。ともかく無事に帰宅出来ることは愉快だ。


  下山日の心は軽く
   荷も軽し
    地蔵菩薩に笑顔のお礼


               
                      15日・千刈貯水池

 3 あとがき(所感
 
1)当初4月上旬に予定していたが「天候も安定しているし・・」と半月早めて実施した。結果は、後半に雨天続きでコースを変更して1日早く帰宅した。今後は帰宅日のチケットはオープンにして夜行バスまたは新幹線を選択したい(今回は夜行バスのチケットをキャンセルした)。
2)しかし、天候が良くてもシングルトレイルは荒れており敬遠していたと思う。ハイキングコースでも関東と異なりハイカー人口が少ないので、踏跡が少ないのも当然かもしれない。加えて、自身の身体能力低下、特に下降時のバランス能力低下にも原因がある。
3)いずれにしても、現状及び今後予想される心身の老化を身近に体験できたことは、意義深い。

4)と云うことで、環境が整えれば来年は3月度を放棄して4月からの活動にしよう。また、日数も5泊6日程度が適当のようだ。

5)今回のコースは比較的大都市に近いためか、これまでにない初体験をした。そのひとつ、16日・原野の大塚山公園に設営した時、近くの団地管理者と市役所担当者そして最後はオマワリまで来て「何のために?!」と質問された。自然歩道をロングウオークで野営しているのが理解出来ないのだ。結局、場所の移動を要請され夜9時ごろ撤収して近くの公道脇に再設営した。
6)考えてみれば、スマホをはじめ便利な世の中になり衣食住が満たされた今、腹を減らし野宿をしてウロウロ歩くのは奇人・変人に違いない。それでも止められないのは何故だろうか?自問しても答えは見つからないが、要は「行けるから行く・歩けるから歩く」。

7)食料について
 ・餅米は1回分(150g)毎に袋詰(昼ごろに洗米してキャップ付きのシエカー保存)
・夕食はパスタの素で味付け。朝食は行動時にコンビニでカップラーメン購入。行動食はパン、チョコレート、ナッツ類(現地調達の店少ないので要注意)。
・自家製味噌(パック詰)は御飯のフリカケ及びスープに便利。・非常食(カンパン)は最終日の朝食、行動食とした。
・牛乳(500CC)を焼酎カップ(200cc)を分けして残量を購入時呑む。

8)装備について
・防寒具はフリーズの上服とズボンで効果大。
・ガス燃料消費量は90cc/5日分。・道路地図はコース周辺だけでなく出来るだけ広範囲に持参(コース変更時必要)

           
                   17日・つくはら湖の大橋


 4 テント泊の参考資料

4-1概略タイム&ポイント(連泊ハイク向け) (実働 152km、 47時間20分) 

第1日目 3月14日(天気 快晴):妙見口駅からソエ谷峠
 タイム:妙見口駅(8:00)-吉川(8:25)引返-妙見口駅(9:00/12)・・日生中央駅(9:25/30)-東光寺(10:47)-大原公園(11:55/12:35)-悠久の里(13:15/20)-ソエ峠・設営(14:45)(→)
1)モデルコースは妙見口駅から知明湖の北岸を経て日生中央駅。そこから阿古谷毘沙門天、東光寺を経てソエ峠に至る。
2)代官所跡からソエ谷峠まではシングルトレイルだがトレイル明瞭。
3)東光寺は巨木から彫出した子安地蔵を祀り、本堂には数体の木彫仏像あり。4)多田銀山は昭和48年ごろまで採掘しており、奥深く豊臣秀吉の埋蔵金が眠るとも伝えられる。  

第2日目 3月15日(天気 快晴):ソエ谷峠からフルーツパーク
 タ イム:発(4:30)-西谷支所バス停(5:55)-千刈湖・途中で引返(7:05/15)-新大橋(7:40)-平井(8:30)-道場駅(10:40/00)-二郎駅(12:25)-道場南口駅(12:50/00)-フルーツパーク・設営(14:30)(→)
1)千刈湖は波豆川をせき止めて造られた神戸市の水源池。衛生面からも周囲の立ち入りを規制しているのかも知れない。ガイド書のコースは未修正。
2)上記迂回コースは、西側の山田川沿いの行動を選択。
3)道場駅前にコンビニあり。4)二郎駅からフルーツパーク間は連絡路で北神戸ゴルフ場脇を北上する。 

第3日目 3月16日(天気 雨):フルーツパークから原野
  タイム:発(6:00)-大沢(7:00)-高速道架橋下(9:30/50)-青少年公園(10:10/15)-志久峠(10:45)-原野・大塚山公園・設営(12:00) 食糧購入(12:30)-谷寺口(12:50)-大塚山公園(13:10)(→)
1)石峯寺付近のシングルトレイルは不明確。
2)神戸青少年公園のキャンプ場は閉鎖中(4月からオープン)。この先の志久峠越えて原野までシングルトレイルは浮石多く不明確。
3)団地脇の大塚山公園は、野営不適(団地住民の通報で市役所&警察から撤去要請あり)。

第4日目 3月17日(天気 快晴):大滝口バス停から女池  
 タイム:発(4:40)-千年家(6:50/00)-つくはら大橋(7:50)-呑吐ダム(8:40)-満願寺(9:00)-御坂バス停(9:20/50)-恵比寿駅(11:30/39)・・・小野駅(11:55/12:30)-鴨池(13:30/40)-女池・設営(14:30)(→)
1)千年家は日本最古の民家でチョウナ削りの柱は黒光して見事。
2)つくはら湖は途中の大橋を渡り県道85線を進み、御坂バス停。モデルコースは豊地バス停、大村バス停を通るが、エスケープして道38号線を西進して神戸電鉄栗生線の恵比寿駅から電車で小野駅まで移動。
3)小野駅前にコンビニあり。4)鴨池キャンプ場も3月までは閉鎖中。  


第5日目 3月18日(天気 快晴):女池から砥掘駅経由姫路駅・ゲストハウス
 タイム:発(6:00)-権現池(6:50)-志方東公園(7:40/45)-北口バス停(8:10))-休憩(9:00/20) 志方町畑(9:40)-砥掘・豊富バス停(12:25/35)・・・姫路駅(12:55/13:30)・縁楽堂ゲストハウス(13:50)
1)権現池は加古川工業用水として3つのダムが建設された。周辺はサイクリング道路が整備されている。
2)権現池の途中から県道118号線に出て志方東公園から細工所北口バス停へ。この先畑法華バス停まではシングルトレイルになるので敬遠して西面の県道515号線を進んだ。連絡路は、国道372号線を西進して砥掘駅まで。
3)砥堀駅近くの豊富バス停から姫路駅へ移動して市内のゲストハウス(2軒あり)に投宿。宿近くに大型スーパあり。  

第6日目 3月19日(天気 雨):ゲストハウス・本竜野駅から榊バス停  
 タイム:発(5:40)-姫路駅(6:00/10)・・・本竜野駅(6:27/40)-竜野公園(7:15)-恩徳寺(8:00)-釜出(10:45/55))-榊バス停・設営(11:30)(→)
1)砥堀駅から書写駅バス停、刀出バス停間は電車で移動して本竜野駅から歩き始める。
2)菖蒲谷森林公園から釜出までのシングルトレイルは浮石が多い。また、山麓には獣防止柵が全面設置され出入扉は施錠(モデルコースとは思われない)。
3)相生市立ふるさと交流館は予約をすれば宿泊可(食事付)。 


第7日目 3月20日(天気 雨後曇り):榊バス停から大股バス停・姫路駅経由帰宅
  タイム:発(5:00)-森バス停(5:20)-小河トンネル(6:25)-椿峠(7:15/25)-上郡駅(9:10/20)-山伏峠(12:05)-大股バス停(12:50/13:47)・・・吉永駅(14:15/47)・・・姫路駅(14:40/49)・・・新幹線・・・東京駅(18:50)・・・帰宅(20:00)  
1)森バス停から鞍居バス停、円心駅間、及び皆坂の滝から岡山県堺まではシングルトレイルで踏跡が不明瞭の恐れがありエスケープして、山麓の県道5号線と9号線を西進して終点の大股バス停に着く。
2)大股バス停発吉永駅行の平日ダイヤ(11:54 ,13:47,16:49,18:10)、 運賃¥200-
   

           
              18日・権現池          19日・本竜野の切妻造り
              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  4-2 費 用

1)交通費:\26,040-  
       岩槻駅から大宮駅経由東京駅・電車往復(\1,500)
       東京駅八重洲口鍛冶屋橋駐車場から・梅田 高速バス(\8,000) 
       梅田駅から妙見口駅・電車(\590)   
       妙見口駅から日生中央口駅・電車(\270)
       砥掘バス停から姫路駅(\380)
       姫路駅から本竜野駅・電車(\240)
       大股バス停から吉永駅(\200)
       吉永駅から東京駅・電車(\9,180+特急\5,290


2)食料費:\5,630-  
      持込分(\1,750)、現地食料(\3,520)、現地酒類(\360)

3)装備費:\300-     ブタンガス・在庫(0)、電池(\300)

4)その他:\3,900-  
      ゲストハウス宿代(\2,500)、ハガキ&電話(\400)、賽銭(\1,000)  


     合計金額=¥35、870-


  4-3 資 料
A) 道路地図(1/3万)県内の関連部のコピー
B) 自然歩道関連のHP「自然大好きクラブ」
         http:://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/chugoku/  

C) ルート(No33~No54)「ひょうごの自然歩道ガイド」兵庫県自然環境保全課編
D)国土地理院地図(1/5万 ) 広根、神戸、北条、龍野、上郡

*  舎営:ゲストハウス: 縁楽堂(エンガクドウ)¥2,500-/泊・ドミトリー外人バックパッカー用
        電話090-9717-6763 姫路駅から徒歩20分(姫路城脇)    
  

  4-4 略  図 
     
     

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