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  <北海道自然歩道・松前街道> C1
・・函館市から松前町へ・・
期 間:平成30年7月11日から7月15日 (5日間)

 
函館湾の向こうに函館山


 1 はじめに 
 北海道を初めて訪れたのは平成20年6月。函館から札幌までのロングウオークを皮切りに、今迄に5回訪れて延べ78日間で宗谷、襟裳、納沙布各岬や知床半島を歩いた。が、加齢の実態に合わせて今回は1週間程度にした。
 コースは松前街道(福山街道)と呼ばれる函館から松前までの約100kmをトレースし。そして、終了後は路線バスでJR木古内駅まで引き返し、北海道新幹線・はやぶさ号を初めて利用する。
 
 歩行時のタイムやポイント等、テント利用者の参考用として「資料編」を作成する


 2 トピック&スケッチ

 概略総距離=100Km(実績値) 総行動時間=31時間10分(実績値・休憩時間を除く

第1日目 7月11日(天気 晴):函館空港から七重浜駅
           距離:7km。行動時間:2時間10分
 函館市内でコンロ用ガスを購入して国道227号線を函館湾沿いに西進。初日はムリをせずに道南いさりび鉄道(江差線)の七重浜駅で設営した。

 ANAの機内誌に英国のロングフット・パス(ペナンウェイ)が紹介されていた。数年前に同地を訪れた想い出が蘇る。


  荒涼の ヒースの原野
   さまよった 
    あの日を想い 機内誌めくる 




第2日目 7月12日(天気 晴):七重浜駅から釜谷駅
            距離:24km。行動時間:7時間10分 
 国道227号線から228号線に変わり、昨日と同様に函館湾沿を西進、且つ南下気味に進む。渡島当別駅に荷物を置いて、1km北方の男爵資料館(閉鎖)とトラピスト修道院を見物。ひと駅先の釜谷駅まで電車で移動して釜谷駅(貨車利用)内に宿泊。

 開拓当時から人々の思い刻んできた津軽海峡。北の大地の玄関口とも云える松前から函館までの松前街道は開拓の歴史道でもある。


   町並みと道路を削除
    してみれば 
     函館湾に 蝦夷の風吹く





第3日目 7月13日(天気 雨後曇):釜谷駅から知内キャンプ場
           距離:23km。行動時間:7時間20分
 人家が途切れた海岸沿いを、道南いざりび鉄道と並行した国道を進み、終点の木古内駅を目指す。木古内駅は、北海道の新幹線最初の停車駅で周囲の景観にそぐわないモダンな新設駅だ。駅から交通量の多い国道を10km南下して知内町に到着。知内川沿いのスポーツ広場内のキャンプ場に設営した。

 貨車を転用した簡易駅は北海道ならではの風景。そのほとんどは無人だが、釜谷駅は篤志家が管理している。生憎の雨天でテント適地もないので、好意で泊めてもらう。


  開拓の こころをつなぐ
   おもてなし
    床の温もり 眠気を誘う
 




第4日目 7月14日(天気 曇後晴):キャンプ場から福島キャンプ場 
            距離:24km。行動時間:8時間
 知内から国道は内陸部に入り、しりうち道の駅、湯ノ里温泉口を過ぎる。そこから緩やかな登り坂になり、福島峠のトンネルを越えて海岸沿いの福島町へ向けて下降。
 町の森林公園のキャンプ場は閉鎖していたので、公園入口の空き地に設営。

 北海道は、内地に比べて寺院は少ないが神社は更に少ない。
 原生林を開拓して集落を造る厳しい生活だからこそ信仰・祀りが支えになったようだ。


   質素でも パワーあふれる
    上雷神社 
      杉の神木 ひときわ高く 




第5日目 7月15日(天気 晴後曇):福島キャンプ場から松前城・木古内駅経由帰宅
           距離:22km。行動時間:6時間30分
 松前半島の最南端・白神岬まで南下した国道は、ここから松前市街地まで北西へ方向転換。北前船の基地として、また、松前藩の北海道施策の重要地として繁栄していた。
 松前公園を見物後に路線バスで木古内駅へ戻り新幹線で帰宅した。
 
 海岸沿いに数ケ所の漁港がある。漁村の集落に人々の逞しい営みを感じる。


  人は逝き 家は朽ちても
   その先の 
    空き地に新た モダンな家屋 


          
                  
 松前町遠望

 3 あとがき(所感)


1)過去に歩いた北海道・ロングウオークを参考に、今夏は充分余裕を設けて計画したが、それでも予想以上に身体は鈍化していた。体力については想定内だったが、視力や聴力の退化に伴う不具合は多く今後の行動には加味したい。
2)具体的には、視力低下による平衡感覚の不安定化や案内板や地図の文字が読難い、その為に一段と注意力を要した。また、聴力低下はコンビニ等の店で係員の言葉を聞きにくい(特に若い人の早口)。これ等に費やす「気疲れ」は無意識の内に蓄積して「面白さ」を萎えさせた。

3)ルートに関しては予想通り国道沿いで車の騒音に悩まされた。しかし、市街地から離れると広大な北海道ならではの景観を堪能出来た。いまどき国道を歩いている人は皆無なので歩道は貸切状態で解放感を味わえた。
4)特に、開拓時代の遺構や人々の営みを想うと自然の摂理を身近に感じ、パワースポットとも云える寺院や神社または祠で八百万の神?の啓示を受けたいもの。
5)そして、後期高齢者の一員としてアンチ・エイジングからエンジョイ・エイジングへの変換ヒントを道中で感受出来れば愉快だ。が、その為には更なる旅が必要のようだ。

6)北海道長距離自然歩道については、環境省の予定では平成15年整備完了だがほとんど計画ルート策定だけで未整備のままだ。新規に整備しても利用者が皆無ではメンテナンスにも多額の費用が発生するので、現実問題としては不可能。英国のような「歩行者天国」になるには「歩く楽しさ」を草の根運動で認知されなければなるまい。

7)食料について
 ・夕食は無洗米140gを早目(午前中)に水に浸し水密形シェカーで持参。
・行動中の水分補給はコンビニ等で牛乳(500cc)購入し小分け。 
・体脂肪の消化を期待して食料からのカロリー摂取をセーブ(水分多め)。 
・朝食はコンロ使用せずバナナやパン類の軽食。

8)装備について
・道路地図は市街地以外は10万分の1で歩行用としては粗過ぎた。でも、国道以外の道が無いので慣れるより仕方がない。
・防水靴下の効果あり(靴が濡れてもグチャグチャにならず)。
・雨天用のザックカバーと身体カバーを合体(ポンチョ)した軽量カバー試作要。・軽量化のためにデジタルカメラの変わりに携帯電話持参(自宅への連絡容易)。
 

   

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