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テント担いで四国遍路・5巡目 (愛媛編)

期 間:令和元年10月2日から10月10日(9日間) 


4日・大瀬付近

   はじめに
 5巡目の第3ステージとして、今回は愛媛県下の遍路道を辿る。そして、第4ステージで結願出来ればありがたい。
 行動ペースは、今年の指標である8時間/日程度(実歩行約6時間)として、体調により交通機関を適宜利用。野営地は2年前の巡拝と同じ場所を予定する。

 この時期は、天候も安定しているので好天気を期待して、夜行バスで起点の八幡浜駅へ向かった。 野営者向け歩き遍路の参考用としてタイム及び設営地の記録を作成。
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 §1 行動の記録  
  実総歩行時間(除く休憩)=59時間20分(6,6時間/日)、総徒歩距離=183km(20,3Km/日)


第1日目 10月2日(天気 曇夜大雨):卯之町駅から42番・41番寺経由上卯之町駅 
                       (距離 12Km)実歩行時間 4時間 

 八幡浜駅からJR与讃線で卯之町駅へ。駅から逆打ちで歯長峠を経て42番寺・41番寺から務田駅へ。電車で上卯之町駅に戻り設営した。

 痛みが出る前の違和感を無視せず、その原因を調べるのが大事だ。特に初日は、身体がペースを掴むまでは慎重が肝心。


  肩と足 違和感ありて
   歩をゆるめ
    旅の初日に 回復模索








 
第2日目 10月3日(天気 曇):上卯之町駅から内子駅 
              (距離 19Km)実歩行時間 5時間 
 国道56号線を宇和川沿いに北上して鳥坂峠を越えて大洲駅に到着。今日は負荷を軽くして大洲駅から内子駅まで電車を利用した。

 台風18号の直撃は避けたが、昨夜はその余波で夜半にカミナリと大雨でどうなる事かと不安がつのる。


  風の日は 風に煽られ 
   雨の日は 
    芯まで濡れて 遍路道いく









 第3日目 10月4日(天気 快晴):内子駅から薬師堂 
               (距離23Km)実歩行時間 7時間 
  内子から山間部になり小田川沿いの谷間のコース辿る。久万高原帯に入ると涼風が秋の気配を感じる。予定通り午前中に設営地の薬師堂に到着。

 久万高原への遍路道は長い登り坂が続く。どの集落付近にも、旧い地蔵菩薩が鎮座して往来人を見守ってくれる。


  疲れ果て ひたすら歩く
   ヘンロ道 
    地蔵菩薩の 微笑に救われ







 第4日目 10月5日(天気 快晴)薬師堂から久万公園
                     (19距離Km) 実歩行時間 7時間20分 
 落合トンネル出口から、前回間違えた国道と別れ三嶋神社へ向かう。神社を過ぎると坂道になり下坂峠、ひわだ峠を経て久万町へ下った。44番寺を参拝後近くの久万公園着。空身で45番寺へ向かい途中から引返し公園に設営した。
 久し振りに満天の星座を眺めて出発。早朝ならではのプレゼントに「良い一日の予感」を感じる。


  見あげれば 天空にあり
   オリオン座
    凛と輝く 今も昔も 












 第5日目 10月6日(天気 晴):久万公園から松山ユースホステル 
                     (距離29Km)実歩行時間9時間10分
 標高500mの久万高原は空気が乾燥してさわやか。三坂峠を越えて松山市内に点在する46番寺から51番寺まで巡拝。予定の2日分行動して、道後温泉の松山ユースホステルに投宿した。
 久万高原から三坂峠経由で松山市内へ下る。四国山地を代表する景観に別れをつげて刈り入れが済んだ田園に出る。 


   耳なりと スズ虫の声
    重なりて 
     久万高原の 秋は深まる







 第6日目 10月7日(天気 快晴):松山ユースホステルから伊予北条駅 往復 
                      (距離22Km) 実歩行時間7時間(空身)
 52番寺から53番寺を経て国道196号線を北上して今日のゴール地・伊予北条駅に到着。電車で松山駅を経由して宿に戻った。
  松山市内は令和元年記念の秋祭りで大賑わい。特に道後温泉の総鎮守・湯月八幡では、夜明け前から多くの神輿が繰り出されていた。


   未明から ヨイサ ヨイサの
      声たかく 
     心ひとつに 神輿は踊る
 







 
第7日目 10月8日(天気 快晴):松山ユースホステル から大西駅 
                      (距離16Km)実歩行時間 5時間
 浅海駅から歩き始める。養護院、鏡大師、遍照院そして星の浦海浜公園を経て設営予定地の大西駅に到着した。
 松山市内を過ぎると遍路道は瀬戸内海沿いに東進。近く遠くに多くの島が点在している。 


    濃く薄く 瀬戸内海の
      島々は 
       重なりあって それぞれ違う  






 第8日目 10月9日(天気 快晴大西駅から伊予小松駅・設営
                     (距離22Km)実歩行時間 7時間10分
  国道196号線を東進して54番寺から今治市内に入り55番寺、56番寺、57番寺そして作礼山頂の58番寺では一汗流した。平地に下り伊予富田駅から59番寺に巡拝し予讃線沿いに南下。伊予桜井駅から予讃線で設営地の伊予小松駅まで乗車した。
 秋本来の安定した天気も数日後には大型台風で大荒れが予想される。


   ありがたや 秋一番の
    好天気
     こころも晴れて 持病忘れる 







  第9日目 10月10日(天気 快晴)快晴)伊予小松駅から60番〜63番・壬生川駅経由帰宅
                       (距離21Km)実歩行時間 7時間(空身)
 1日余裕が出来たので麓の61番寺・62番寺、更に山腹の60番寺を往復。伊予小松駅から壬生川駅へ出た。
 60番寺への急登は山道のシングルトレイルで難所のひとつ。浮石も多くバランスの衰えを感じつつ慎重に登る。


   山道の 安定歩き 
    思い出し
     足に腰いれ 呼吸合わせる 








 
               
                      
5日・44番寺の参道

 
§2あとがき

◇出発前から左足の足底筋に違和感があり「ロングウオークで悪化するのでは?」と案じていた。が、充分に用心して歩いたこともあり数日後に平常に戻った。今後も、類似した身体の不安を感じるだろうが、その時適切に対処する知恵を習得したい。
◇2年前の夏に同じコースを巡拝した。その時に比べて約8%歩速が遅くなったようだ(時速3.4km/時が3.1km/時)年換算で4%の低下で加齢の影響と思える。また、下降路でのバランスが不安定になり神経を費やした。これは動体視力の低下が原因。

◇今年の行動ペース(実歩行6時間/日)は現在の「身の丈」で、それ以上では疲労が蓄積され、以下では充実感が薄れるようだ。この値は年齢と共に修正要。
◇帰宅した翌日から大型台風19号が各地に惨事をもたらした。自然のパワーの恐ろしさを痛感し、旅における天候の重要性を改めて感じた。

◇今回も中日(6・7日)に松山ユースホステルに宿泊した。テント泊に比べてライフラインが完備した舎営泊はまさに天国と地獄?で、体験しないと実感は味わえない。震災での避難生活を思うと平凡な日々の有難さが判る。

◇食料について
・夕食に今回初めてパック白米を食べた(オジヤ・現地購入)。
・コンビニでイートイン(店内飲食スペース)を利用した。

・行動食にバナナチップ、食パン、ナットーを現地購入。
◇ 装備について
・コンロ用ガスは在庫品(約100cc)を使用。


◇略  図

        
     

  INDEX     資料編へ続く