第１日目　１０月２０日（天気　晴）：高知駅・安芸駅から２７番・神峰寺経由奈半利駅
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・安芸市（清月荘泊）
　朝、安芸駅近くの宿に荷物を預けて２７番寺まで逆打遍路。伊尾木付近は防波堤歩道を潮騒の音を聞きながら進み、唐浜から２７番寺まで標高差４３０ｍを往復して前回の終点・奈半利駅へ。奈半利駅から電車で安芸駅へ戻った。

　穏やかな海岸沿いの遊歩道を進むと岩礁に釣り人の姿があった。



　　　　南国の
　　　　大海原に　吹き渡る
　　　　風に包まれ　疲れ忘れる


　





第２日目　１０月２１日（天気　曇り）：安芸市から２８番・大日寺
　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・宮東町（レインボー泊）
　今日から３０番寺に近い民宿に３連泊。高知市内の寺を巡拝し宿の送迎車で戻った。この方式だと空身で行動出来るのでシニア遍路者は助かる。

　宿の主人が気功師で身体の歪を整え現代人の悩みを解決してくれるとか、メンバー数名が治療してもらった。



　　　　整体で　歪を治す
　　　　気導術
　　　　体ととのえ　心おだやか

第３日目　１０月２２日（天気　風雨）：宮東町・・２９番・国分寺から３２番・禅師峰寺
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・宮東町（レインボー泊）
　宿の車で２９番寺へ送ってもらう。天気を気にしながら３０番寺を過ぎて昼食中に降雨、次第に大雨になる。３２番寺から迎車で宿へ戻った。

　予報をくつがえす悪天候のドシャブリ。雨宿りをしながら五台山の山道を３１番寺へ向かった。



　　　　雷の　不気味な音に
　　　　怯えつつ
　　　　念仏となえ　ひたすら進む








第４日目　１０月２３日（天気　快晴）：宮東町・・桂浜から３５番・清滝寺
　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・宮東町（レインボー泊）
　遍路道から外れて桂浜へ寄り道。県道２７８号線で３３・３４寺を経て仁淀川橋から北上して３５番寺に到着。３５番からの復路はタクシーを利用して高石神社で宿の迎車を待った。

　名所・桂浜や竜馬像を見物。昨日の大雨で空気が一段と爽やかになった。



　　　　竜馬像　瞳の先に
　　　　光る海
　　　　水平線に　異国の香り







第５日目　１０月２４日（天気　快晴）：宮東町・・塚地トンネンルから須崎（一福旅館泊）
　３６番寺手前の宇佐大橋の乗船場・埋立から１時間弱で１２ｋｍ先の横浪へ。便数が少ないので駆け足で船着場に急いだ。
　弘法大師も乗った「渡し」も今は利用者も少なくその面影はない。奥深い湾内へ湖のような海面は続きその奥に秋空があつた。



　　　　湾奥へ　巡航船で
　　　　船の旅　
　　　　眠気を誘う　エンジンの音







　第６日目　１０月２５日（天気　晴）：須崎から影野駅・・土佐久礼駅（大谷旅館泊）
　最終日の行動を短縮するために、七子峠手前の土佐駅前の宿に荷物を預けて空身で峠を越える。峠での展望を楽しみ影野駅へ下った。

　影野駅で下校中の女子児童に会った。ピアニカの練習帰りとかで「聴かせて」とのリクエストに快く演奏してくれた。


　　　　ピアニカの　接待音色
　　　　聴きほれて
　　　　遍路ジジｲは　拍手かっさい







第７日目　１０月２６日（天気　快晴）：土佐久礼駅・・影野駅から３７番・岩本寺経由窪川駅
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・高知駅。翌朝・新宿駅。
　昨日、峠を越えたので今日は半日行動となる。無事に1週間の遍路を終え安堵の雰囲気に包まれ夜行バスで新宿へ向かった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　土佐久礼駅と影野駅間はひと駅・１０ｋｍに２０数ケ所のトンネルを抜ける。海沿いの複雑な地形のためだろうか。人の世の幸不幸に似ていると思えた。



　　　　幾たびも　トンネル抜けて
　　　　脱皮して
　　　　次の世代へ　いのち引き継ぐ










　３　あとがき（所感）

　１）今回で延べ３週間の遍路歩行が終わった。各自参拝の要領も馴染んできて歩く姿も遍路者らしくなった。結願は遠い存在だが先を急がず、今日まで参加出来たことを感謝して次回も参加したいものだ。そのためには日頃の準備は勿論、周囲の協力が得られるよう努めなければなるまい。

　２）参加者の半数が７０代だから、次回も心身共にムリをしない日程を組みたい。即ち、体力や体調により２コースを設けフルコースの歩行時間を１日平均６〜７時間、ハーフコースを３〜４時間（いずれも休憩や参拝時間を除く）、参考距離として前者は２０〜２５km、後者は１０〜１５kmを目安にしたい。

　３）荷物がなければ歩行負担は著しく軽くなるので、今回は送迎車可能な宿に３連泊して空身で巡拝した。又、宿に荷物を預けて逆打ちコースも効果があったので、今後も採用したい。

　４）忠実に遍路道を辿るだけでなく、当地の名所や名産にも可能な限り訪れてロングウオーキングの長所を生かしたい。

　５）民宿・レイボーの気導師によれば、現代人の多くは心身のバランスが崩れその結果病気が多発している。主原因は本来人間が持っている「気」と「感謝の心」を忘れているとのこと。ピンピンコロリで往生するヒントになった。