| テント担いで四国遍路・3巡目 結願編(愛媛・香川) |

はじめに 前回は、梅雨明けの猛暑で苦難の遍路行であった。だから、結願の日々は快適なシーズンの10月に実行しよう。今回は二つの難所、即ち60番・横峰寺と66番・雲辺寺の参拝がポイントとなるので、体調に注意して後遺症が残らないように心がけたいものだ。そして、機会があれば将来再訪を望みたいが運を天にまかすしかあるまい。自分で出来ることは日常生活で<歩く習慣>を続けることしかない。 野営者向け歩き遍路の参考用としてタイム及び設営地の記録を作成した。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ §1 行動の記録 総徒歩距離=213km、実働総時間=69時間40分 第1日目 10月10日(快晴)愛媛・壬生川駅から石鎚山駅(石鎚山駅 泊) 実歩行距離 18Km 実歩行時間 7時間 夜行バスで壬生川駅に到着。駅から2駅先の伊予小松駅へ電車で行き難所の60番寺へ向かう。登り3時間半、下り2時間程の行程である。下りは麓の黒瀬湖・京屋バス停まで地元の参拝者に同乗させてもらい、デポした荷物を伊予小松で回収して62番寺、63番寺経由で64番寺近くの石鎚山駅に設営した。
第2日目 10月11 日(快晴)石鎚山駅から伊予土居駅(土居駅 泊) 実歩行距離 25Km 実歩行時間 7時間40分 石鎚山駅近くの64番寺からスタート。松山高速道とJR予讃線に挟まれた旧街道を東進して伊予三条、新居浜市を通る。トレイルから離れて関川駅に野営地を期待したが適地がなくひとつ先の伊予土居駅の駐輪場に設営した。
第3日目 10月12日(晴)伊予土居駅から・66番・雲辺寺山腹(雲辺寺山腹泊) 実歩行距離 23Km 実歩行時間 7時間50分 一度に標高差900mを登るのは負担が大きいので、今日山腹まで登り明日の行動を楽にする。そのために出発地を2駅電車で移動して伊予三島駅からスタートし、65番寺への標高差500mを早目にクリアー。椿堂から境目トンネルを抜けて予定通り雲辺寺山の中腹に設営。
第4日目 10月13日(晴)雲辺寺山腹から観音寺駅(駅前広場泊) 実歩行距離24Km 実歩行時間 9時間 66番寺を参拝後に県道240号線を進み67番寺、更に県道6号線を東進して賑やかな観音寺市内へ出た。観音寺駅広場に設営後近くの68・69番寺を参拝。
第5日目 10月14日(曇時々雨)観音寺駅から金蔵寺駅(金蔵寺駅泊) 実歩行距離26Km実歩行時間 9時間 財田川上流の70番寺を経て国道11号線と並行した旧街道を北進して71番寺へ。ここまで来ると善通寺市内も近くなり72番寺〜75番寺まで同一地区にある。善通寺駅は都市型駅で設営スペースがないので、ひとつ先の金蔵寺駅に電車で移動して設営した。
第6日目 10月15日(曇)金蔵寺駅から国分駅(国分駅泊) 実歩行距離20Km 実歩行時間 6時間30分 金蔵寺駅近くの金蔵寺からスタートして4km程で77番寺へ。予讃線沿いに21号線を進み78番寺、79番寺を経て近くの八十場駅に到着。この駅で設営予定だったがホームに待合ベンチしかなく対象ならないので先の国分駅まで電車で移動し設営した。
第7日目 10月16日(雨)国分駅から鬼無駅(国分駅泊) 実歩行距離19Km実歩行時間 6時間20分 80番寺から北上する遍路道を選び一本松を経て十九丁石分岐点に荷物をデポする。西進して81番寺を往復し、十九丁石分岐点を東進して82番寺へ。82番寺から100m戻った所から旧遍路道を下って鬼無駅に出た。駅には設営適地がないので、昨日の国分駅まで電車で移動設営した。
第8日目 10月17日(曇後雨)鬼無駅から84番・屋島寺(屋島泊) 実歩行距離20Km 実歩行時間 6時間 鬼無駅まで戻り、判り難い遍路道を案内マークを頼りに南下して83番寺に到着。寺から高松市内を北上してJR屋島駅へ、。駅前発の屋島山上行のバスで84番寺に到着。山頂近くの廃ホテルの庇下に設営した。
第9日目 10月18日(雨)屋島寺から87寺・長尾寺(ながお路 民泊) 実歩距離20Km 実歩行時間 6時間 屋島西面の急な裏参道を下り、檀の浦を廻りこんで八栗山の山頂下からのロープウエイに乗って85番寺へ。寺から県道145号線でJR高徳線沿いの旧道を進み86番寺を経て南下して県道3号線を南下して87番寺の民宿に到着。今回初めての風呂と夕食にありついた。
第10日目 10月19日(雨)長尾寺から88番寺経由帰宅 実歩行距離18Km 実歩行時間 4時間20分 歩道のない県道3号線を大型車が頻繁に通る。額峠まではジリジリとした登路が続く。峠を越え多和集落を過ぎ、やがて88番寺の山門が見えて来た。復路はコミュニテイバスで志度高速バス停に下車した。バス時刻まで時間があるので志度駅まで出て図書館で資料を整理をした。
§2 あとがき ◇長期天気予報を調べて10日から19日に期日を決めた。しかし、前半は遍路日和だったが後半は連日雨だった。その原因は四国地方に前線が停滞したせいでこの時期の予報は難しいそうだ。 ◇幸い気温の低下はなく、濡れても寒さを感じずに行動出来たが、靴の防水性が悪くマメが出来て難儀した。今年購入した新品靴でも千キロ近く使用すれば防水性も低下するので、防水性の高い靴下が欲しいものだ。 ◇今回は通常の野営地でなく6夜は駅内の駐輪場(無人)を利用させてもらった。利点はトイレ、給水完備で待合室を整理用に使用出来。また、緊急時に電車で移動可。難点は電車(意外と夜間の貨物車が多い)の通過音が大きいことだ。四国に限らず他の地方でも無人駅利用は今後参考になると思う。 ◇最終日は民宿に泊まり、気分を転換して結願寺に参拝した。テント泊と民泊の落差は大きいので、今後はテント泊を減らして民泊(舎営泊)を増やしたい。それが「身の丈」に合ったスタイルのようだ。 ◇今回で感じたことは「身の丈」の歩き遍路のスタイルとしては、完全踏破でなく良いとこ取りの「つまみ歩き」だろう。それは、前記の民宿泊採用や平坦路で静かなトレイル、また、食料の現地手配を主体にして荷物を軽減することだろう。全体のアプローチとしては、初回を2日延長した方が後の行動が容易だった。 ◇そうした要因を加味すれば、四国遍路にこだわらず近場の関東地方でも探せば適地があるようだ。観光スポットとは無関係な「自分向け」のフイルドを探したい。 ◇身体力の低下は、平坦路では約3.2km/時間程度だが、登降時は約2、5km/時間で低下していた。特に荒れたシングルトレイルではバランスが不安定で転倒やスリップ事故の発生度が高く、その距離が長くなれば更に疲労と緊張感の持続が困難になるので、事前のルート調査で避けたい。 ◇ちなみに、10年前及び16年前の実績と比較すると、総距離は1105km(45日間・320Hr) 1143km(44日間・331Hr)に対し、今回は1003km(44日間・312Hr)で平均歩速は約10%低下していた。 ◇ 食料について ・夕食(餅米オジヤ)にスパゲテイーソース3食分。ウドンの汁付きパックは量質とも充分だった ・朝食は行動途中のコンビニでカップラーメンやパン+牛乳。 ・牛乳は購入時に300cc飲み残り200ccはプラカップ(焼酎容器)で持参。頻繁にコンビニ等で水分補給 ◇ 装備について ・クッション劣化で新替要。・燃料使用量:150g(7回分) ・下着は各1枚で充分、カメラ作動不良。・靴の防水対策要(靴全体を覆うカバー?)。 略 図 ![]() ![]() INDEX 資料編へ続く |
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