ふたり旅へ TOP
   **** 北米・カリフオルニア州** 平成14年・9月 ****
ヨセミテ国立公園・キャンプ
                              

  
   1 キャンプの準備 

1−1 キャンプ地の検討

 NYテロ事件の影響で米国行の旅行客は、通年の4割弱に低迷しているそうだ。
そこで、航空チケットも宿泊費も安価で空いていることを期待して、昨年秋に続きカリフォルニアのヨセミテ行きを計画した。
 今回は夫婦で行くことになる。そのため「バックパック」はムリだから「ハイキングとキャンプ」を主流にする。
 幸いレイバー・デイの週までは、上部のトウオルミーまで公営バスが走っており、標高2500mの高地まで進めるので、テント地はヨセミテ・バリーとトウオルミーの2ケ所にする。

 
1−2 航空券の予約
 1) チケット代理店(HIS)に、出発2,5ケ月前に最も安価なチケットを問い合わせると「タイ航空便でロスアンゼルス往復・¥4,9万円」との返事。
 ヨセミテへの最短空港はサンフランシスコだが、価格上はロスアンゼルス経由が需要度のせいか、断然安いのでこれに決める。
 2) 傷害保険は、前回から下記の選別加入(15日間)とする。保険料¥1,850円(一人)。
            傷害死亡10,000k\、傷害治療1,000k\
            疾病死亡10,000k\、賠償責任100,000k\
            航空遅延30k\、旅行変更100k\。

 1−3 食料・装備の準備
 1) 主食は白米(洗米)とレトルト米飯を用意。野菜、果物、肉類は現地のスーパマーケットや食料店で入手する。
 2) 今回は二人前を用意するので一人時の1,5倍量を目安にする。
 3) 装備は、背負って行動しないので、重量軽減については考慮する必要はない。快適なテント生活するため床クッションを充実させる。
 4) 宿泊の予約は、ロスアンゼルス・ダウンタウンのカワダホテル(注1)に入山時1泊、下山時2泊分を同社のHPから申し込み通常の25%引きを適用。途中のマセイド(注2)宿泊とキャンプ地は現地申し込みにする。
           注1:reservations@kawadahotel.com
           注2:Slumber Motel Tel209-722-5783
                     * * * * * * * *


 2 旅の経過とメモ
  (次回の参考資料として)

 2−1まえがき
 今回は中途半パな「結婚34周年記念」と名目を付けて夫婦でキャンプをすることなった。
「ヨセミテ初体験」のカミサンの体調と、現地の天候状況をみて短時間のハイキングも予定に入れる。加えて同地域のバックパックの情報収集したい。
 又、高地のトウオルミーでジョギングをして平地との違いを体験したいので、ジョギング品も持参する。
                                                

 1日目(成田空港からロスアンゼルス)
 タイ航空便は満席で成田を離陸する「さすがに最安チケットだけのことはある」と納得。
 ロスの空港からダウンタウンのホテルまでは、スーパー・シャトルバスを利用出来るが、急ぐ旅でもないので地下鉄を利用する。
 ダウンタウンまでのこのルートは昨秋初めて利用したもので、無料のシャトルバスで地下鉄・アビアシオン駅へ行き2回乗り換えてシビック・センター駅で下車する。
 地下鉄は地元の人の足として重宝されているようで、車内には、自転車や乳母車の姿も見られる。それにしても、数人の太ったオバサン達の<高々な笑い声とスペイン語のオシャベリ>はオペラを聞いているようで、その陽気サに感心させられる。
 2ケ所ある出口の南口から地上に出ると、50mほど先に今夜の宿・ホテルカワダのワイン色の建物が見えるが、地上に出て方角が掴めず通行人のオジサンに「1―ストリートはどっちデスカ?」と聞いてしまう。
 前回は北口から出入していたので、記憶が混乱したようだ。 明日は、バスの旅で7時間揺られるので、今夜は早目にベッドにもぐる。


 2日目(ロスアンゼルスからマセイド)
 ホテルから2kmほど離れた所にバス・ターミナルがある。ターミナル付近の治安が悪いのと、早朝から重いザックを担ぐ気にもなれず、昨夜予約していたタクシーでターミナルへ向かう。
 今朝のTVの天気予報によれば「今日は36℃の猛暑」との事。しかし、車内の冷房はガンガンに冷えており長袖でも寒い。現地の人は太っているので平気なのか半袖姿が多い。
 バスは6割ほどの混みようで、3度小休止して<ヨセミテ行バス乗換>のマセイドの町で下車する。
 バス停から1kmほど歩いて今夜の宿・スランバーモーテルに着く。午後2時頃の一番暑い時で大汗が出る。チェックインもそこそこに宿のプールに浸かり生き返った感じがする。
 明日は始発のヨセミテ行きに乗って「緑の森と巨岩峰」のヨセミテ渓谷に入る。


 3日目(マセイドからヨセミテ・バリー)
 朝30分寝過ごして、慌ててパッキングをしてバス停へ行く。
 1日4往復のバスで、7時の始発の次は8時45分までない。
 バスは、2時間ほど西部劇に出てくるような荒野を走り、更にシェラネバタ山脈の山裾からヨセミテの渓谷を奥へ奥へと進む。
 最奥がヨセミテ・バリーと呼ばれている核心地で、両岸の高度差千メートル級の岸壁に圧倒される。
 年間400万人が訪れる「一大観光名所」と云われており、ヨセミテ・バリー内は、小1時間で一廻りするシャトルバス(無料)が15分毎に運転さてる。スーパー、土産店やキャンプ地間の足として便利だ。
 ヨセミテの徒歩者用テント地(キャンプ・4)は先着順で受け付けるので、最盛期は過ぎたとは云え満員の恐れもあるので早く着きたい。バックパッカーの許可書があれば、別枠で専用のテント地があるが今回は出来ない。
 無事に今回初めてのテントを張り、夕食の食材とガソリンをマーケットで購入する。
 購入したガソリンがコンロに不適で、炎が不安定で使用に耐えない。 
 何度かトライするがダメ。近くのキャンパーが「オレ達も同じ状態ダヨ、ガソリンが悪いヨ」とコメントをくれた。しかたなく別の銘柄のガソリンを再度購入して、やっと正常の炎になりホッとする。


 4日目 (ヨセミテ・バリーからトウオルミー)
 今日のテント地は、標高2、500mの高地で、(バスは9月14日で閉鎖される)トウオルミーと云う所。 バックパッカーにとっては、トレイル途中の中継地として日常品程度の売店もあり重宝されている。
 バスはヨセミテ渓谷からグングン高度を上げ高原地帯へ出る。途中山火事で煙が立ち昇り、道脇の枯れ木が赤い炎でチョロチョロ燃えている。
 運転手の説明では「この時期は、自然発火による山火事は頻繁に発生する。人家に被害のない場合は自然鎮火を待って消火作業はしない」とか、火事も自然のサイクルに必要な現象と云う。
 テント設営後、高原散策で1時間ほど歩いてソーダー・スプリングスへ行く。スプリングと云うから「温泉があるかも?」と期待して行ってみたが、炭酸水が湧き出ているだけの「霊泉の湯」であった。


 5日目 (エリザベス湖往復) 
 ハイキングコースになっているエリザベス湖へ行く。片道2時間・標高差300mほど登る。湖は、周囲を岩稜で囲まれ静寂そのもの。
 ユニコン・ピークと呼ばれている岩峰が湖面に映えて美しい。
 湖面に足を入れると冷たくないので「折角来たから・・」とズボンを脱いで半身浸かりサッパリする。カミサンも真似して水浴を始める。
  この地区で一番美しい湖として人気のコースようで、下山の途中に数パーテイー出会った。
 
 午後は、車道沿いに90分のジョギングをする。高地のためユックリ走っても呼吸が苦しい。心肺機能のトレーニングとしては確かに効果的だが、ムリをすると後遺症が出そう。
 その後、キャンプ地周辺の散策と売店の買出しで時間をつぶす。夕方から雨になり夜半から本降りになった。


 
 

 6日目(トウオルミーからヨセミテ・バリー)
 キャンプ地の洗面所はテントから80m程離れた所にある。カミサンが夜明け前に独りでトイレへ行って、10分以上過ぎても戻って来ない「帰り道を間違えたのでは?」と不安になって迎えに行く。案じた通り「ペンライトでは森の闇に役立たず方向が判らなくなった」と夜明けを待っていた。
 雨が止むのを待ってテント撤収をしたいが止みそうにない。早めの昼食を食べて小雨の中でテント撤収する。下山のバスでヨセミテ・バリーへ下ると、雨は止んでおりホッとする。  
 
 入山時のキャンプ地(キャンプ・4)へ行くと<本日は終了・テント地は満員>の張り紙でガッカリする。運悪く今日は金曜日・週末でもあり「やはり、夕方来てもダメ」と気が付いたが後の祭りだ。
 しかたなく、入山時と同じ場所へ行くと幸い空スペースになっていたので「仮に張ろう」と設営する。明日、受付が開いたら申請しよう。
 予定では、明日もテント泊だが、天候も芳しくないしテント地もはっきりしないので、明日はマセイドへ下山することの変更する。


 7日目 (ヨセミテ・バリーからマセイド)
 無料のシャトルバスで公園内を一巡。バックパック専用のテント地等を見物して、土産店で時間をつぶしてバスで下山する。         
 今夜からはベットとシャワーが使えるのでカミサンはご機嫌だ。入山時に山火事で煙の中に小さな炎が見えた所は、昨日までの降雨で炎は無かったが、くすぶりの煙は残っていた。「この時期は自然発火による山火事のシーズン」とかで余り気にしていないようだ。
 

 8日目 (マセイド休養)
 1日予定より早く下山してきたので、今日は終日マセイド見物とする。この町は百数年前にゴールト・ラッシュでだいぶ栄えた典型的な西部の町らしい。
 せっかくジョギングシューズを持参したので、早朝宿付近を走ることにする。60分ほど人気のない公園を廻ると、汗と共に疲れが取れて気分が爽快になる。
 
 宿の洗面所でコンロを使い朝食を作り腹ごしらえ後、町の中心部の博物館に行く。入植当時の資料が展示してあり、ボランテアの女子高生の館内ガイドで40分ばかり町の歴史を聞く。ここにもネイテブ・インデアンのことは何もない。彼ら歴史と主権が気になる。
 現在はサンフランシスコからヨセミテへ入る中継地になってが、観光客相手の店はなく。郡の中心地として周辺から人々が集まっているようだ。


 9日目 (マセイドからロスアンゼルス)                    
 割安な往復チケットを買っているので、バスに直接乗ろうとしたら運転手が「荷物の荷札がないゾ」とクレームをつけた。
 受付で乗車券を示して荷札券を発券してもらうことを知らず「申し訳ない。チョッと待ってて!」とバスを待たして受付に走る。
 バスは、左手にシエラネバタ山脈の遠景を見せて国道99号を南下。
 途中フレスノ、ベーカーズフレイルドで小休止をして予定通り午後3時過ぎにダウンタウンに到着。


 10日目 (ロスアンゼルス休養)
 明日は、10時間半飛行機に乗るので今日は充分に休養したい。ホテルから10分ほど歩くとリトル・トウキョウの「全米日系人博物館」に着く。米国で暮らす日系人の百年の歴史を偲ぶ。
 更に10分歩き「エル・プエブ州立史跡公園」でメキシコの民芸品店街を見物して異国情緒を味わう。その先の「チャイナタウン」で餃子専門店・王堂の水餃子を食べる。
 ここの餃子は日本人向きで、妙な臭みもなくジューシーでその上安い!初めてのカミサンに何度も「ウマイだろう」と云って得意になった。


 11日目 (ロスアンゼルスから成田空港)
 早朝からTVは、NYテロの追悼セレモニー関連を放映している。
 昨年は<空港閉鎖>で苦労したのでまさかとは思うが、気持ちが急いで早目に空港へ行く。
 往路と同じく地下鉄を利用するが、入口の自動発券機が$5札を受け付けず。しかたなく一人分$1,6だけ小銭で買って乗車する。
 日本のように「ホームに入る時に改札口でキップを通さないので、無券でも支障がないが良心が少々痛む。 昨年の4日間の遅延を思い出しながら空港内で帰国便の搭乗を待つ。
 往路は、これからの緊張で機内でも疲れたが、帰路は「ホッ」としてリラックス出来た。

                * * * * * * * *


 2−3 あとがき と ・教訓
 1) これまでの単独行に比べて話相手がいるので、気分が楽になり精神的な疲れが少なかった。
 2) 宿代は一人でも二人でも同額だし、食料も1,5倍で余り負担にならないが、土産品が増えるのには閉口した。カミサンは「たまに行くのだから」と云うが・・・。
 3 ヨセミテ公園内で、バックパック姿を見て「オレも行きたいナ」とチンタラしていることが惜しまれた。
   資料をだいぶ入手したので、じっくり調べて次の機会を待ちたい。
 4) 9月になると天候が不安定になることが判った。バックパックの時期は7・8月がベストと思えた。
 5) 闇夜のキャンプ地で夜トイレへ行時は、方向感覚を充分確認したい。又今回はテントにローソクとコンロを灯したまま迎えに出た。留守の間に火事になる可能性もあったので「留守の時は火を消す」原則は守るべきだった。
 6)高所のジョギングは予想以上にハードな運動負荷がかかった。心肺機能を高める為には効果が あるが、短時間で切り上げることが肝要と思えた。
 7)装備でカソリンがコンロとマッチしなかった。こんな事は初めてで、今後は入山前にテストをする  必要がある。山へ入って「コンロが使えません」では話にならない。
 8)毎回バックパックで苦労するより、たまにはキャンプとハイキングで息抜きする山旅もリフレッシュ 出来る。出来れば次回は温泉のある所を探したい。

                 * * * * * * * *
                                                  
NEXT:タイム・会計等の資料編


TOP