【Myosotis】



作:藤和 価格:100円 A7サイズ 6ページ

ある青年の、兄との別れと思い出話。
手のひらサイズの折り本です。
※追々仕様を変えるかも知れません。

--本文サンプル--

 今日は兄さんとのお別れの日だ。  兄さんが大学に進学した時にひとり暮らしを始めてはいたけれど、それでもまたには家に帰って来ていたし、 私がひとり暮らしを始めてからも、たまに私の住んでいるところへ来てくれていた。もちろん、 私から兄さんが住んでいるところへ訪れる事もあった。
 今日改めて兄さんとのお別れだというのには、理由が有る。
 大学卒業後、今年の春まで神学校に通っていた兄さんが、遂に修道院に入る日なのだ。
 私たち家族は全員クリスチャンだけれども、修道院でどんな事をするのか、 どんな規則があるのかを詳しく知っているのは兄さんだけだ。
 これからもう兄さんには会えないのか。連絡を取る事も出来ないのか。そう思うと寂しくて仕方が無かった。

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