今日は兄さんとのお別れの日だ。 兄さんが大学に進学した時にひとり暮らしを始めてはいたけれど、それでもまたには家に帰って来ていたし、 私がひとり暮らしを始めてからも、たまに私の住んでいるところへ来てくれていた。もちろん、 私から兄さんが住んでいるところへ訪れる事もあった。 今日改めて兄さんとのお別れだというのには、理由が有る。 大学卒業後、今年の春まで神学校に通っていた兄さんが、遂に修道院に入る日なのだ。 私たち家族は全員クリスチャンだけれども、修道院でどんな事をするのか、 どんな規則があるのかを詳しく知っているのは兄さんだけだ。 これからもう兄さんには会えないのか。連絡を取る事も出来ないのか。そう思うと寂しくて仕方が無かった。