【Salvia】



作:藤和 価格:100円 A7サイズ 6ページ

ある少年が、お兄ちゃんについて歩くようになったきっかけ。
手のひらサイズの折り本です。
※追々仕様を変えるかも知れません。

--本文サンプル--

「もう、いつまでも僕に甘えてばっかりじゃ、いけないよ?」
 兄ちゃんはそう言って笑うけど。俺は兄ちゃんに手の届かないところに行って欲しくなかった。

 俺がまだ小さかった頃、幼稚園に入ってすぐくらいの頃。その頃から、兄ちゃんは俺によく構ってくれていた。
 両親は共働きで、父さんも母さんも仕事と家事に追われて、いつも忙しそうだった。
 父さんが残業をして、母さんが夕食の準備をして居る間一緒に遊んだり絵本を読んだりしてくれるのは、 いつも兄ちゃんだった。
 一緒に土手に出かけたときにシロツメクサを編んで花輪にする方法を教えてくれたり、 猫の家族がピクニックに行く絵本を読んでくれたりした。

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