所謂ウルシムものの小説。
即ち正史というヤツか?
頭の中で完全にプロットみたいなものはできあがっているんだが、如何せん量の多さと資料作りが芳しくなく一進一退以下である(苦笑)。
先ず何でこんなめんどくさい企画を始めたかと云えば、『孫子』を書きたかったのである。
記憶が正しければ僕にとって一番最初に読んだ文庫本は海音寺潮五郎先生の『孫子』である。
確か小学校5年の時だったはず。
アレはまさしく衝撃で、今でもその衝撃を引きずって生きている。
そしてこう思ったのだ。
<僕も僕の『孫子』を書きたい>、と。
よくよく考えると本気で文章書こうと思った走りがこれじゃないだろうか?
ちなみにその希望はすぐに打ち砕かれた。
理由は簡単。
「資料揃えられないよぉ(爆)」
イヤ、ホントに(苦笑)。
逆を云えば資料そろいさえすれば書ける気もするが……流石に中国の戦国春秋時代の書物を読みあさる気にはなれないねぇ。
そこで、
「だったらフルスクラッチで自分が世界を作って、自分の世界の『孫子』を書けばいい」
と思い、
「どうせだったらファンタジー世界にして剣も魔法も黒色火薬も龍騎士も何でもある世界で主人公が【兵法書】を書いていく様を描いてやる!」
と結論づけて中学時代からこつこつと設定を煮詰めていったのが、このアルスラントものである。
最初は既に主人公が【兵法書】を書いていて亡国の王子がその人物を軍師として迎え入れようとするものの老齢を理由に断られて息子をその元にやるってのが原点だった。
その上最初は冒険者まがいのことをするという……WIZに犯されてたねぇ(笑)。
で、最強の侍【阿賀鳴雲】やら色んな輩を出している内に……
「うわぉ、とてもじゃないがこの時代だけの設定だと書けねぇ~!!」
と頭を机に突っ伏し、全面敗北。
仕方なく父親の時代──ウルシムのこと──を少しずつ組んでいったら……
「ありゃ、こっちの方が書けそうだぞ?」
その上設定が二転三転してまた頓挫。
このころオウガバトルと出会って
「なるほど、こういう風な神話を作るのか……」
と、偉く感心して滅茶苦茶影響を受けてしまう(笑)。
その頃から造語による神様の名前を止めて実際に存在する神話から神様の名前をとってきてぐちゃぐちゃに混ぜ合わせる手法を選ぶ。
まぁ、まだ造語の神様は結構いるけどね、ウルシムとかザーハムラームとか。
で、気付いたらTRPGにどっぷりとはまっており、この世界でTRPGやりたいなとか思い始めてまた設定がぐちゃぐちゃになっていくという(笑)。
このころには“大本”では設定が完全に固まりましたけどね。
大学生になってからエストポリスにはまって今度はその影響が大きくなったりとかしましたが、あまりそれまで見たいにしっちゃかめっちゃかにはならずにすみまして、今に至るわけですな。
ま、他にも剣生世界の設定を平行してやってるから設定が今でも完全には出来てないって気もしますけどねぇ(苦笑)。
こんな世界ですが今しばらくおつきあい下さいませ。