なんか突然思いだしたので黒い話を書く。
世の中汚い世界というモノはごろごろしており、その一つが明治時代から解体されていない官庁だとは前にも何処かで書いた。
今日はその種の話である。
僕はこれでも材料工学科(正確に云えば最期の金属工学科出身)出身であるために金属材料などについては少々五月蝿い。
従って、何でもかんでも金属材料で防具を作るこの国の業界に対して冷ややかな視線で眺めているわけである。
まぁ、有機材料で作ったところで弾がスポスポ抜ける防弾チョッキというのもあるからどうでも良いことだが(待て)。
何でそんなことになるかと云えば『実戦データ』がないと言うことと企業に『実験施設』がないからである。
ついでを云えば、そういう業界にその種のデータに精通した『材料屋』がいないというのも大きな理由と言えよう。
まぁ、何せ第二次世界大戦の前半から進歩がない業界だからねぇ、日本のこの業界って。
で、そういうモノを何故に明治(以下略)な官庁が買っているかと言えば莫迦だからと云えば終わるのだが、それだけではなく、当然癒着があるからである。
日本の有史以来、一説によれば中央政府の役人で賄賂を蹴飛ばしたのは『勝海舟』ただ一人(少なくとも江戸幕府開闢以来初めての賄賂を蹴飛ばした御家人だったとか(苦笑))だそうで、日本って国は歴史からして基本的に賄賂は貰うのが『慣習』らしい。
当然明治(以下略)官庁ではそんなことは日常茶飯事のように行われていた(一応今は罰則があるからないと云うことにしておく)らしく、その最たる例が○々淳行とも云われているのだが、やはりここは噂でしかないとだけ云ってターン終了。
……少なくともね、この人がいなければとある企業(しかも国を食い物にしている国賊)が浮かび上がらなかったという事実を考えると……まぁ、言わずもかなかねぇ?
そういうところだけあり、例え国外で多大な『実績』を上げている商品であれ、駆け出しの企業が食らいつくには難しいところでもある。
まぁ、国内産業が死なない程度に高いレベルなら文句は云いませんが、あの『アメリカ(注1)』よりもレベルが低いってところで更に噴飯ものだのォ、殉職出るノォ、というのは公然の秘密なのであり寒い世の中じゃないかね、とかいってターン終了。
で、チタンが余ったときにチタンで防弾チョッキを作ってたりした莫迦なメーカーもあったりして嘲笑う方向。重いだけだね、跳弾するだけだね、あの『薄さ』では貫通されて砕けたチョッキの破片が人体に弾と一緒に混入されて出血多量で死んでまうだけだねぇ(黒)。
……いかん、ついヤバイ発言をしてしまっているぞ(汗)。
ちなみに、チタンで作るぐらいなら鉄で作った方がまだしもましとか見解を出しておきます。ちなみに『マシ』ね。
まぁね、金属材料も『厚い』んなら防弾性能(跳弾性能とも云う(待て))も上がるというモノですが人間が装備できる重量ではあまり期待できませんな。だからって戦車で期待できるかと云えば、この頃では戦車の装甲なんて紙以下という兵器が多くできているので戦車が廃れているそうです。もう20世紀の遺物なんですよねぇ、戦車。某軍では戦車を辞めて装甲車を主体にしているとか。まぁ、これは戦車が役に立たなくなってきているという理由よりかは『キャタピラ』の性能に頼らなくても不整地を走れるようになったという理由の方が大きいそうです。まだまだ戦車は十二分に戦えます、『平地』の多い国では。
日本では『北海道』程度しか使える場所がありません。関東平野はその大半が『舗装』されていたり『建物』が乱立しているため、戦車向きじゃないんですよねぇ。
むしろ縦深を生かした陣地を築くためにも『山岳戦専門部隊』を数多く作るべきなのですが……。
あう、話が逸れてきたぞ……。
で、今の問題は来年に押し迫ってきた『ワールドカップ』対策です。
最初から装備がアレなのは分かっていたから良しとして(本当は良くないのだが……)、皆様お考え下さい。
フル武装、しかも『軍隊』すら出していた『フランス』で殉職者が何人出たでしょう?
当然0人ではありません。その上、グラウンドまで軍隊が詰めていたという事実に何人気が付いたでしょうか?
さて、日本の場合はグラウンドは『警備会社』、外を『警察』で固めることになるそうです。
警察の現場の人達は一試合でも地元で試合がないことを『祈って』います。
なぜならばカード次第では『殉職』の数が『二桁』では済まないのを『覚悟』している節があるからです。
向こうのフーリガンってヤツは警察や軍隊といった辺りを最初から『殺し』に来ます。
タチが悪いことに彼らはその大半が『上流社会』の人間です。
しかも、狂乱したことで人を殺すという異常事態が珍しくないと云うことを『確信』してやっています。
はっきり云えばこんなモノを徒手空拳で抑えようとする方が間違っています。
何せ、彼らの主武装は『舗装』してある『石畳の石』とか、どこぞで手に入れた『打撃武器』とか、『人海戦術』とか、『鉢植え』、『机』、『椅子』、『自販機』と行った路上にあるモノ全てなワケですな。
防弾チョッキでも防刃チョッキでも防げない『打撃武器(?)』なのです。
当然日本人には理解できない概念(まぁ、学園紛争以来ないからネェ……暴動)なので当然のように癒着した連中が提示している最低条件が『アルミの外面がある商品』という莫迦なモノです。
どれっくらい莫迦かと云えば、衝撃打撃に対して金属というのはモノの役に立ちません。なぜならば『瞬間的』な力に対しては金属というモノは驚くべき程弱い。その上数ミリしかないアルミ板が何の役に立つのでしょうか? はっきり云ってダメージを増やすだけですね。
逆に車のバンパーなどはいかがなモノでしょうか?
アレは衝撃に強い『有機材料』を使っています。今やバンパーに金属材料を使っていない主たる理由はここにあります。
暴動、それもフーリガンやらIRAやらいっぱい問題を抱えたイギリスではそう云ったデータが豊富なために『防弾仕様』と『防刃仕様』及び『暴徒鎮圧仕様』が全く異なっているらしく、こないだのメーデーの暴動を未然に防いだりしています。
マンチェスターの事件を見れば分かるようにそう言うことができるのは『倫敦警視庁』ダケって説もありますが、それでも凄いことです。
何せ前年度はメーデーの暴動で人様に三桁の犠牲者、被害総額はかりしれずな損害が出ていたのですから。それを零に抑えたのはひとえに暴動に対する研究と、いかにして相手に対する武力抑止力を非常事態になる前に植え付けることができるかという実戦データがあるからと言えましょう。何せ、人間非常事態になると恐怖感を何処かに置き去って狂乱状態に陥るらしく、そうなったら抑止力などクソの役にも立ちませんから。
あう、父上風のモノの例えなのだ。もうちょっと上品にいこう、上品に……。
当然マンチェスターもフーリガンのメッカなワケですから対暴動用のノウハウもあったはずですが、フーリガンと人種問題の絡んだ暴動とでは勝手が違うんでしょうねぇ。
イギリスでは1980年代には『フーリガンの完全な押さえ込み』の成功を歌う宣言らしきモノがされておりまして、サッカー場の傍ではアルコールを売らないなどのちゃんとした法律まで作られています。何せ、アルコールがあればそれで酔っぱらい、試合でヒートアップした観客がフーリガン化しやすいってデータがあるぐらいですからネェ……。
まぁ、日本じゃ色んな意味で無理な話ですがね、うん。
で、中には莫迦な方もいらっしゃって、『バンパーの材料の上にある実をはっつける』防具を売り込もうとしている方々がおります。
何故に莫迦か?
先程『金属材料は瞬間的な力に弱い』と書きました。
逆に強いモノもあります。
それは、『持続的な圧力に強い』です。
ずーっとある程度の力を金属材料にかけ続けたところで、許容範囲内ならば決して金属材料はすぐには折れません。まぁ『疲労破壊』という言葉があるように常々周期的に違う方向からの許容範囲内の力をかけ続けられると壊れたりします。分かりやすい例を言えば、『針金をくねくね曲げて折る』時の現象とか『飛行機が落ちるときに尾翼や主翼が折れたりする現象』が良い例ですね。イヤ、起きて欲しくないと云う意味では『悪い例』ですが。
針金の方は直感的に分かるだろうから説明はしませんが、飛行機にどうしてそんな力がかかっているか分からない方へ簡単に説明しますと、揚力と重力って反対の力がかかっているというのが答えです。あの力がバランス良くかかることで飛行機は飛びますよね? その状態が『違う方向からの許容範囲内の力がかかっている』状態なのです。だから何回か跳ぶとオーバーホールをかけて修理するわけですな。当然エンジン部なんかはこの力がかかっているのはお約束ですし、前におきた『文殊のナトリウム漏れ事件』だってこの『疲労破壊』が原因だったりします。まぁ、あの事件は『熱疲労破壊』だったかもしれませんけどかかる力が熱なだけで原理は同じです。
あう、また話が逸れてる……。
で、金属が『持続的な力に強い』というコトは納得していただけただろうのでここで少し考えていただきます。
バンパーに使われている『有機材料』は何でバンパー材料として採用されたのでしょうか?
固いから? 衝撃を吸収しやすいから? 安いから?
答えはそれだけではありません。もう一つの大きな理由があるのです。それは『復元性がある』というモノです。
あの材料は事故って凹んだ後ある程度まで勝手に回復します。
想像できない方は輪ゴムなどのゴムが大きな塊で存在すると考えてみてください。それを思いっきり凹ませて数時間ほっといたら……元に戻りますよね。
そういった現象がバンパーの材料でも起きるわけです。
ただしこの力は瞬間的なモノではなく『徐々に』起こる現象であります。
そこで、本題に戻ります。
バンパーの材料でできた脛当ての上にアルミでコーティングした防具があります。
ある時それを装備した人が暴漢に襲われ、脛を痛打されました。
あまりにも強い力であったため、防具は凹んでモノの役に立ちませんでした。
さて、この防具は元の形に戻れるのでしょうか?
答え、戻れない。
理由:アルミの持続的な力に抑えつけられてバンパーの材料の回復が阻害されるから。
……莫迦らしいですな、イヤ本当に。
他にもアルミのお陰で『衝撃吸収力』も落ち込んでいますし、持久戦になった場合、塑形変形した脛当ての所為で持続的にダメージが足に蓄積されていきます。
悪いことずくめです。
ちなみにアルミだけで作ってもなおいっそう悪い結果しか残らず洒落になりません。
さて、何でこんな阿呆な防具ができるのでしょうか?
答は簡単。
正しい知識を持った人間が日本のその種の業界にいないからです。
それも材料や防具と言った専門知識を持った人間に、です。
製造過程にも設計過程にもこれに対して突っ込める人間がおらず、ただ単に国を食い物にする商人ばかりがいる所為で殉職者が出るとしたら……この国の未来は見えたモノです。
たった一つの綻びが大きな綻びになるまでにはそんなに時間はかからないでしょう。
全く、イヤな未来ばかり見えるのって不便なものですな……。
ちなみに韓国は軍隊を総動員して国の『威信』を書けてフーリガンを押さえ込むと宣言しております。
まぁ、日本よりは良い結果を残せそうですね、お隣は。
死者零って訳にはいかないでしょうけど。
でも僕の希望としては犠牲者零の方がステキなんですけどネェ……。
ここのところフーリガンの研究を行っている方の発表を聞けば聞くほど絶望的になってきていますが。
(注1)どうも日本ではこの種の技術がアメリカが世界一と考えている莫迦が多いようなので補足しておく。
アメリカではこの種の業界は『ベンチャー企業』が食い物にしているところで、有名なメーカー全てが『山師』である。
どう『山師』なのかと言えば、だいたい防弾チョッキというモノはテストする箇所とやり方が決まっており(四隅及び中央、中央は30度程度の角度をつけて跳弾テスト)、テストパネルではそこだけを『強化』したモノを提出、採用が決まったら『廉価版(要は強化してないヤツ)』をどっさり入れて、死者が出て回収及び代金を戻さなくてはいけなくなった瞬間、その会社を『破産』させて新しい会社をひっそりと持ち出した全財産を使って『創業』する。
この瞬間、代金返納の義務はなくなり、メーカーの大儲けになるシステムらしい。
ちなみに、これは『アメリカ』だからできることであり、欧羅巴の各企業は航空産業(軍事、宇宙など)の一部門として『防弾チョッキ』を制作しているからこういう手は打てず、真面目なものを作るしかないのである。
だから欧羅巴の品物はアメリカとか日本の手抜きに比べて高くなって入札で勝てないんだね。
随意契約でしか勝てないけど、その分性能は保証されている。
あとついでに、アメリカの規格では弾に当たった後4.2cm引っ込んでも良いのだが、欧羅巴だと2.1ぐらいだったはず。日本ではその種の規格はないが『耐トカレフ』とアメリカの規格ばかり云って真の意味での『対弾』を理解していない莫迦しかいないのは云うまでもあるまい(嘆息)。まぁ、JIS規格で云ってくるバカもいるけどさ……鉄砲で試射できないJIS規格が何の意味を持つんだか(遠い目)。
当然ですが、4cmだろうが2cmだろうが日本人の皮下脂肪を考えるとどちらにしろ衝撃で死んでしまいますよ。表層から内臓までの距離を考えれば楽にお釣りが来ますからねぇ。
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流石にこういう文章は表に晒せないわけで(苦笑)。