心が原因でおきる子供の眼の異常  


学校の視力検査で悪いといわれ受診しました。近視や乱視ではなく心因性視力
障害と言われました。どのような病気で家庭ではどのようなことに
気をつけていっ
たらいいでしょうか。

瞬きが増えて、チック症といわれました。精神的な問題だといわれましたが、どの
ようにしたらいいでしょうか。

学校にも行きたがりません。学校では親が一緒でも言いから登校するように言われ
ました。今井先生は無理しないほうがいいといいますがどうし
たらいいでしょうか。



どんな病気でしょうか 

心因性視力障害  ストレスが加わったときだけ視力低下がおきる状態です。目から入っ
た情報は最終的には後ろ頭の部分に伝わり、見えることになります。脳の物を見る部分に見えな
くするような力が働き(抑制といいます)見えなくなります。視野が狭くなったり、色覚にも異
常がでることがあります。視力検査では見えないのだがテレビなどは見えている。嫌いな授業の
時は見えないが、好きな授業は見える。好きなことをしているときは見えている。日によって状
況によって見え方が変化します。決して視力検査で嘘を言っているのでなく、その状況下では本
当に見えていません。

   チック症 瞬きが増え、強く目を閉じる。唇をぺろぺろなめ回す。おかしな体の動きを
するなどの症状がありますが、目を強く何回も閉じるという症状が多いです。一人で遊ばしてお
くと症状が殆どでないが、周りが注目すると症状が強くなる。

  原因は 症状の現れ方はちがいますが、心因性視力障害もチック症も精神的なストレスが
原因と考えられています。 ただ、子供は成長過程でストレスをみんなうけるわけです。同じよ
うな環境でも、ほとんどの子供は問題なく成長します。ストレスにたいする強さは個人差があり
ます。子供では大人から見るとちょっとしたことがストレスの原因となります。子供の生活の場
は学校と家庭ですからそのどこかにストレスとなる原因があることになります。担任の先生が嫌
いだ、友達関係がうまくいない、いじめに遭っている学校の行事が大変だ、親がよくしかる塾が
大変だなどです。根本は精神的に未熟なことだと思い
ます。

    
治療法は  基本は治療しないことです。
目の病気が無いことは確かめておきます。治療は原因を取り除いてあげることではありません。
一時的に原因を除いてあげてもまた同じような症状を繰り返
します。
子供は成長していく過程でこれからいろいろな事を乗り越
えていかなけ
ればなりません。大切なのは、周りの大人が暖かく見
守ってあげること
です。家族の方に次のように説明するようにして
います。
「大人だって外にでれば緊張するでしょう。お父さんは家
ではビールを
飲みながらテレビをみてリラックスしています。
子供だって同じなんで
す。学校で緊張して十分頑張ってきているわ
けですから、家ではできる
だけ子供に優しく甘えさせてあげてくだ
さい。特に多くの兄弟のいる
子供は、親は全員をかわいがっている
つもりでも子供はもっと愛して欲しいと思っています。
10歳まで
はお兄ちゃんだからとかお姉ちゃんだからしっかりしなさいと言わないでください。
学習や塾や習い事などは本人がいやがるようなら無理に行かせないでください。瞬きしているとき
目が痛いの痒いのかなどと聞かないでください。横目で見てまた瞬きしていると放っ
ておいて下さ
い。視力が悪いからテレビに近づいてみないようにとか、テレビゲームをしな
いようにとか言わな
いでください。

もしかして、学校に行きたくない日があったなら理由など聞かずに無理に行かせず休ませてあげて
ください。

暖かく見守ってあげることによって、殆どの場合は自然と解決していきます。

         

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