弱視の話
視力は発達する 生まれたときはほとんど見えていません。眼底にしっかりとピントがあっ
てその刺激が視神経を通じて脳に伝わることにより、脳の物を見る部分が発達して視力が良
くなってきます。3歳で視力は1.0になりますが、大人と同じ働きをするようになるのは10才
です。
弱視とは 視力の発達する年齢に、十分な刺激が脳に伝わら
ないため脳の物を見る部分の発達が止まっている状態です。
わかりやすくいうと角膜、水晶体、眼底に異常がないのに、
ピッタリ合ったメガネを掛けても視力の出ない状態です。
メガネを掛けないと0.05ですが、弱視ではないのでしょうか
強い近視や、乱視でもメガネやコンタクトを使って視力が
1.0以上出れば弱視ではありません。
弱視は頭が悪い? わかり易く説明するつもりで、このように言ったら、勉強できないの
もそためかと聞かれたことがあります。脳もいろいろな働きに分かれていて、視力に関係
するのは脳の後ろの部分です。この部分の発達が悪いのが弱視ですので、決して知能が低
いということではありません。
弱視の種類 脳に刺激が十分に送れない状態を原因別に分けることにより分類します。
不同視弱視 左右で遠視の度数が違い、
度数の弱いほうで物を見るために、度の
強いほうの視力の発達が止まっている状
態です。
治療は、ピッタリあったメガネを掛けて
様子をみて発達が悪いようなら悪いほう
の目を使わせるような訓練をします。
斜視弱視 斜視があり、ずれている
目が使われないために弱視になります。
斜視の手術をすれば視力が良くなると思
っている人がいますが、視力が悪いまま
手術しても、視力がよくならないばかり
か、また斜視になってきます。
屈折異常弱視 遠視、乱視が強いと、遠くも近くもピントが合わないため、両眼の視力の
発達が止まります。メガネを掛けることから始めます。
視性刺激遮断弱視 乳幼児に眼帯をしたり、瞼の病気で目が開かなかったりすると、刺激
が伝わらず弱視となります。この弱視は治療しても良くならないことが多いので乳幼児
では、病気をしても眼帯をしないなどの注意が必要です。
治 療 眼底にしっかりピントを合わせること。悪いほうの目を使わせること。
小さければ小さいほど治療に反応しますので、心配なら早めに眼科を受診してください。
小さいからまだ検査できない、大きくなってからなどと思っていると手遅れになることも
あります。
弱視がなおればメガネがはずせますか よく聞かれることですが、弱視の治療は脳の物
を見る部分を発達させることですので、近視、遠視、乱視はなおりません。つまり、メ
ガネを掛けて1.2見えるようにするのが治療の目的ですので、メガネなしで見えると思
わないで下さい。
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