安全な斜視手術(plication)     2025.12

斜視の手術では筋肉を切り離して再逢着します。例えば外斜視では、外直筋を切り離し後方にずらします。
(後転)
内直筋を切り取り前方にずらし引っ張ります。(短縮)

切り離すときにはつぎのような心配があります
筋を切ると血管も切るので出血します。血液が多いと術野が見えにくくなります。
糸をかけてから切りますが、筋肉を見失う危険があります。
筋肉の中を動脈(前毛様体動脈)が走っています。目のピントを合わせる毛様体や虹彩に栄養を送っている
血管です。一度に3本以上の筋を切断すると血行障害がおきます

後転は付着部で切り弛ませるので問題ないのですが、短縮は後方で切断し引っ張るので、操作が面倒
だと感
じていました。

短縮の時に切り離さない方法(plication)がより安全だとわかりました。
Plication」は折りたたむ行為や状態を指す言葉です。
目の上下のズレ、水平のズレを一度に直すには3本の筋肉を同時に手術する必要があり、安全な方法を検討し、
plicationを始めました。

Plicationの方法
左図のように、短縮したい部位の筋肉に糸をかけます。付着部より1mm前方に針を通します。
右図のように糸を結ぶと、筋肉が折りたたまれます。
筋肉を切り取るのと同様の効果が得られます。
1mm縫い縮めると目の向きを2度矯正する効果が得られます。

  

 Plicationの利点
 筋を切らないので手術中に出血がほとんどないです。
 筋を切らないので血管を切らずにすみ、目への栄養が保たれます。
 筋を切らないので、筋肉を見失うことはないです。
 手術後数日であればもとに戻すことができます。

短縮法よりも低侵襲で、安全で、修正も可能なのですべての症例に適します。
特に、術中に眼位を調べて行う方法にはお勧めです。

            戻る