眼瞼ミオキミア 2023.6
片側の瞼が、ピクピクと動く症状です。私も時々なります。不快ですが心配な病気ではありません。
ミオキミアとは、筋の収縮が表面をさざ波が伝わるように見える状態です。
症状
上瞼または下瞼の一部がピクピクする状態です。通常は片側に起こります。眼瞼けいれんと違い自覚症状
は軽く、瞼の開け閉めには影響しません。瞼の筋繊維が無意識のうちにさざ波状に収縮します。不規則で
持続時間が長いのが特徴です。多くの場合、数日間~数週間で自然に治癒するのが特徴です。数分で治り
ますが何度か繰り返すことが多いです。
日本語では眼輪筋波動症ともいいます。右の図の赤い部分が眼輪筋です。
眼瞼痙攣との違いは
眼瞼痙攣では、写真のように瞼が開けにくくなるのが特徴です。初期には瞼の痙攣、瞬きの回数が増える
などの症状があります。眼瞼痙攣は診断基準がありますのでそれに沿って診断します。
原因は
はっきりとはわかりません。私の感覚では、疲労や睡眠不足などが引き金になるケースが多いです。
なかには、サッカー・ワールドカップやオリンピックなど、世界的なスポーツイベントの深夜放送を
連日観戦していたら眼瞼ミオキミアを発症した、という人もいます。
人前で話すことなどの緊張も誘因となることがあります。近年では嚥下運動が関わっている可能性も
疑われています。
治療は
眼瞼ミオキミアの治療法や、適応がある薬は存在していません。
私の経験では、疲れ目用のシアノコバラミンという目薬を点眼すると楽になります。
エビデンスはありませんが『目を温めて血流を良くする』という対症療法もあります。たとえば、入
浴中に湯船でしぼったタオルをまぶたの上に乗せたり、ホットアイマスクを着けて眠ったり、などの
方法で快方に向かうケースもあります。
長期に続いて我慢できないときは、痙攣を止めるためにボトックスの注射をすることもありますが
そこまでひどい例を私は経験したことはありません。
受診したほうがいいときは
眼瞼痙攣は重要な病気が隠されていることもあり、詳しい検査が必要です。
症状が強くて長期に続くときは、眼瞼痙攣との区別をするために受診してください。
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