ステロイド緑内障

点眼薬や内服薬副作用で目に病気が起きることがあります。眼科での副作用で一番有名なのは、ステロイドです。
ステロイド点眼による副作用について説明します。


ステロイドとは
ステロイドは、腎臓の上にある副腎という小さな臓器で作られる副腎ホルモンのつです。

ステロイドの効果
炎症をおさめる効果、免疫の抑制作用、アレルギーを抑える効果かおります。眼科ではいろいろな病気に万能薬の
ように使います。結膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎にもこの薬が使われることが多いです。
アレルギー(花粉症など)
でもいろいろな抗アレルギー剤かおりますが、強いかゆみを取り除くには
ステロイドに勝るものはありません。

ステロイドと眼圧上昇
普通、眼圧は15mmHgくらいですが、正常の人でもステロイドの点眼を1ヶ月続けると5%程度の人2030mHg
上昇します。かつてはステロイドに反応しやすい体質の人がステロイドに反応して
高眼圧になると考えられていま
したが、ステロイドの投与量と投与期間によっては、すべての人に
眼圧上昇の可能性かおると考えられています。
特に、小児は1ヶ月つづけるとほとんど全例で眼圧
が上昇します。

眼圧上昇のしくみ
房水が流れ出る線維柱帯の部分の変性によって、房水流の抵抗が増大することで眼圧が上昇します。
どのような変化が起きるかは今のところ統した見解はありません。


投与方法と眼圧上昇
点眼による眼圧上昇が番多く、眼周囲の注射でも上昇しやすいです。顔面や眼瞼、目から離れた皮膚への軟膏
の使用でも起きることがあります。全身投与でも眼局所投与
 に比べて少ないですが上昇することがあります。
今日、全身の病気でステロイドの内服を数年続けて
いて、眼圧が40mHgになった人がいました。

ステロイド使用で注意すること
ステロイド使用では必ず眼圧は上昇すると考えて眼圧のチェックをすることが必要です。
初期には、投薬を中止すれば23ヶ月で眼圧は正常になります。
眼圧上昇が続くと緑内障になってきます。初期には自覚症状がないために、進行して視野が狭くなっ
て見つかることもあります。


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