点眼による角膜表面の障害     2022.6 

 治療のための目薬が原因で角膜に傷ができてくることがあります。長期に使っていた点眼で
角膜に傷ができてくることもあります。市販の目薬で角膜に傷がつくことがあります。
目薬が原因の角膜の傷です。何が起きているのでしょうか。

角膜表面を正常に保つ仕組み
角膜表面は角膜上皮といいます。角膜上皮を作っている細胞を角膜上皮細胞といいます。角膜上皮
細胞はの図のように、1(輪部上皮幹細胞)で作られます。
2で増殖して角膜の中央に移動します。
3で細胞が脱落します。このように角膜上皮は再生されています。





点眼で角膜上皮が障害される仕組み
薬が上皮細胞を傷つけて3の脱落が増える。長期に使うことによって2の増殖が抑えられる。

角膜傷害の所見
軽い傷から広範囲の傷まで様々な所見を呈します。傷を緑色に染めています。


    
原因となる薬や成分
緑内障の点眼薬 抗生物質の点眼薬 非ステロイド性抗炎症剤防腐剤 すべての点眼薬に含ま
れています。微量でも点眼回数が多かったり、点眼の種類が増えると障害を起こしやすくなります。
治療
使っている点眼薬をすべて中止して、ソフトサンティア(涙の成分で防腐剤なし)を点眼します。
傷が治ってから、点眼薬を変更します。
大切なのは、必要な点眼だけ使うことです。とりあえず目薬というのはやめましょう。

抗がん剤による角膜上皮障害
抗がん剤が1に作用して、細胞が作られるのを阻害します。
抗がん剤の副作用が心配なら、眼科で一度検査をうけてください。

              

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