皆既月食の月はなぜ赤い 2022.12
11月8日は皆既月食でした。月が見えなくなるかと思ったのですが、皆既月食になったとたんに月が
赤く見えました。なぜ月が見えて、なぜ赤く見えたのでしょうか。
皆既月食とは 月が地球の影に全部隠れる状態です。下右の図を見ると理解しやすいと思います。
なぜ月が見えるのでしょうか
地球の影に隠れるなら月は見えなくなるはずです。しかし赤い月が見えました。当日は、写真のように月食
が進みました。2枚目までが、部分月食です。3枚目の皆既月食になると赤い月が見えました。月が見えると
いうことは太陽の光が月に届いているということです。
なぜ太陽光が月に届くのでしょうか
太陽光は、真空の宇宙から大気に入るときと大気から真空の宇宙に出るときに曲がります。屈折といいます。
そのために太陽光は地球の裏側に届いて月を照らします。教科書などの説明で太陽光が平行光線になってい
ないものがありますが間違いです。
なぜ赤く見えるのでしょうか
太陽光は大気中の波長より小さな粒子(酸素・窒素などの分子)中を通過するとき散乱します(レイリー散乱)。
波長の短い光は粒子にあたり散乱します、波長の長い赤の一部は粒子をかわして大気を通過できます。太陽光の
うち大気を通り抜けた赤が届くため月は赤く光ります。波長より大きな粒子にはすべての光が散乱します
(ミュー散乱)。
教科書などで、大気中のゴミや水滴による散乱が赤くみえる原因と説明してあるものがありますが間違いです。
月食のまとめの図です
アストロアーツの図がわかりやすかったので引用しました。月が本影にはいると皆既月食です。太陽光が一部届く
と半影となり部分月食となります。
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