動眼神経麻痺 2020.12
眼球や瞼、瞳の動きを支配しているのが動眼神経です。動眼神経が障害されると複視や眼瞼下垂など
の症状がおきます。
動眼神経の走行は
中脳に動眼神経核があります。動眼神経核からでた神経線維は動眼神経として脳外にでます。上の枝と
下の枝に分かれて、それぞれの筋に向かいます。
目を動かす筋肉は6本ありますが、4本(上直筋・内直筋・下直筋・下斜筋)が動眼神経支配です。
瞼を上げる眼瞼挙筋、瞳を閉じる瞳孔括約筋も動眼神経支配です。
典型的な動眼神経麻痺の症状は(右目)
上左図は正面です。 眼瞼挙筋の障害 → 瞼が下がっています。
瞳孔括約筋の障害 → 瞳が開いています
4本の外眼筋(上直筋・下直筋・内直筋・下斜筋)の障害
→ 2本(外直筋・上斜筋)は働いています→ 右目は外下を向きます。
上中央図 左を向くと、内直筋が働かないため右目が内側に動きません。
上右図 右を向くと、外直筋が働いて右目は外側を向きます。
しかし、実際はどこの場所が障害されたかによって多彩な症状がでます。たとえば、下は動眼
神経の断面です。瞳孔への神経線維が外側になります。腫瘍、動脈瘤などによる周囲からの圧
迫では、瞳孔への神経線維が障害され瞳が開きます。細い血管の障害では、眼球運動の神経線
維が障害されて眼瞼下垂や斜視になりますが、瞳孔は正常なことがあります。
動眼神経核の障害では両眼性に異常がおきもっと複雑になります。
どうしたらいいか
糖尿病や高血圧などの全身検査、脳内の異常について検査します。
瞳が開いているときは脳内の検査をすぐに受けてもらいます。
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