大きく見える・小さく見える・歪んで見える2019.5
眼底の病気になると物が大きく見えたり、小さく見えたり、歪んで見えます。
代表的な病気についてその仕組みを説明します。
眼底の黄斑部の病気の時にそのような症状がでます。
下左は眼球の断面図で、黒丸が黄斑部です。
右写真がOCT という器械で測定した正常な黄斑部の断面図です。
物が小さく見える病気の代表は中心性漿液性網脈絡膜症です。
黄斑部に水分が溜まってしまう病気です。
OCTでは網膜の下に隙間があるのがわかります。下の図で、上が病気の網膜、下が
正常の網膜です。病気では網膜が膨らんで視細胞の間隔が広くなります。
そのために同じ長さの物を見ても刺激を受ける視細胞の数が少ないです。その
結果、病気の目では青の線、正常では茶色の線の長さと感じ、病気の方が小さ
く見えます。
物が大きく見える病気の代表は、黄斑前膜です。
網膜の表面に膜ができて、その膜が網膜を引っ張ります。OCT で網膜表面に膜
があり網膜を引っ張り上げているのがわかります。図で、上が病気の網膜です。
網膜が引っ張られて視細胞が寄ってきます。物を見ると刺激を受ける細胞の数が
多いので、青い線のように大きく見えます。
物が歪む病気の代表は加齢黄斑変性です。
OCTでみると網膜が下から押し上げられているのがわかります。その結果、網膜
は波打ち、物が歪んで見えます。
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