円錐角膜とコンタクトレンズ 2018.3
円錐角膜では、眼鏡では視力が出ないために特殊なコンタクトレンズを使います。円錐角膜でのコンタ
クトレンズの使い方について説明します。
円錐角膜とは
左写真が円錐角膜です。角膜が写真のように膨らんできます。原因は不明ですが、男性に多く、思春期に始まり
25歳くらいで進行がとまります。角膜が歪みますので乱視が強くなり眼鏡では視力がでなくなります。
中高生になって乱視が進行してくるならば円錐角膜を疑ってください。
治療は、まずコンタクトレンズです
角膜が歪んでいますので、ソフトレンズでは矯正できません。ハードレンズを使うのですが、乱視が強いことが
多いので、特殊なレンズを使います。2番目の写真が普通のハードレンズを装用した状態です。レンズの下が浮き
上がっているのがわかります。3番目の写真が、円錐角膜用のハードレンズを装用した状態です。きれいに角膜に
乗っています。右写真は、ピギーバックという方法です。ハードレンズで刺激が強い時に、ソフトレンズを装用し
てその上にハードレンズを装用します。
わかりやすいように染色してあります。角膜の周囲の大きな黄色い円は
ソフトレンズ、中央の小さな円はハードレンズです。
最新のハードコンタクトレンズ
スクレラルレンズ(ボストンレンズ)といいます。厚生省の認可がおりていませんが、輸入して処方している施設
があります。今までの方法で具合良くない人に試してみるといいと思います。ソフトレンズより大きいハードレン
ズです。周辺の白目でレンズを支持して角膜に当たらないようにします。レンズと角膜の間は液体(涙液)で満た
されます。液体はレンズの役目もします。角膜とレンズが接しないために装用感がいいです。先日、角膜移植が必
要かと思われる患者さんを東京の施設に紹介しました。視力もでて、痛みもなく経過もよさそうです。
円錐角膜の手術や角膜移植を考える前に試してもいいレンズだと思います。
戻る