ハズキルーペ 2018.2
最近、通販でハズキルーペについての宣伝が流れています。患者さんでも買って使っている人がいます。
また、患者さんに買いたいけどどのようなものですかと聞かれます。ハズキルーペについて調べてみ
ました。
ルーペの仕組み
下左図のように凸レンズで物を見ます。見る物をレンズの焦点距離より近づけます。緑の大きさの物もレン
ズを通すと赤い大きさに拡大されて見えます。ルーペには拡大率が記載されていますが、見る物とレンズの距離
により倍率が変わります。一般には25cmのところに物を置いたときの倍率で表現します。ハズキルーペでは、
1.32倍 1.6倍 1.85倍があります。実際の倍率は使い方で変わります。老眼鏡でも1.1倍程になります。
ハズキルーペと他のルーペとの違い
仕組みは同じです。ハズキルーペは両眼でメガネのように使えるように工夫されています。老眼鏡の左右の
レンズの中心は、個人差はありますが60mmです。ハズキルーペは48mmにしてあります。上右図のように目から
離して見るとレンズの中心で見えるようになっています。計算してみると目前30cmにある物を見るにはレン
ズを目から6cm離すといいです。つまり鼻メガネにするといいようになっています。この位置ですとレンズか
ら24cmの位置で物を見ることになり計算に近い倍率になります。
正しいのは宝田明か舘ひろしか
ハズキルーペの宣伝で、以前は宝田明、最近では舘ひろしがでています。ルーペの使い方が違います。目か
らの距離があるほうがルーペとしてはよく見えますので、宝田明の使い方が正しいです。舘ひろしのような使
い方では、老眼鏡をつかっているのと同じです。テレビの宣伝のような見え方を期待するなら目から6cm離す
必要があります。
ハズキルーペにはベースインプリズム効果で拡大して見える?
舘ひろしの使い方でも拡大して見えるという意見があります。ベースインプリズム効果といいます。
左右のレンズの距離を左右の目の距離よりも狭くする → レンズの中心が目の中心より内側になる
→ プリズムの働きが出る → 見るときに輻輳(寄り目)を少なくできる → 近くにあるものを遠くにあ
ると脳が錯覚する → 遠くにあるものだから実際より大きいと脳が判断する。これをベースインプリズム効
果といいます。ハズキルーペを老眼鏡のように使うと、この効果で大きく見えるそうです。 実際に試してみ
ましたが、私はベースインプリズムによる拡大効果を実感できませんでした。
ハズキルーペはおすすめか
使い方にもよりますので、実際使って具合良ければ購入してもいいと思います。人によっては、老眼鏡と変わ
りないと感じるかもしれません。外来にハズキルーペを置いてありますので試してください。
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