先天性風疹症候群     2018.12

風疹が流行しています。妊婦さんが風疹にかかると、胎児に「先天性風疹症候群」を引き起
こし、目にも障害がおきます。


       


どのような状態か
風疹は成人や小児がかかっても合併症を生じることなく自然と治癒することが多いです。
妊娠初期の妊婦さんが風疹に感染すると、風疹のウイルスは血液を介して赤ちゃんに感染
します。妊娠初期は胎児の重要な臓器が形成される時期なので、死産や重篤な合併症が胎
児に生じます。

妊娠の時期と障害のおきる割合
母親に風疹の症状が出たときの先天性風疹症候群の発生割合は

妊娠1ヶ月 50% 妊娠2ヶ月 35%  妊娠3ヶ月 18% 妊娠4ヶ月 8%
※不顕性感染といって症状のでない感染が
15%あるので、母親が無症状でも先天性風疹症
候群は発生する可能性があります。


症状は
風疹ウイルスに妊婦さんが感染した場合、およそ23週間の潜伏期間を経て症状が出現
します。妊婦さんにおこる症状は、微熱・倦怠感・発疹・関節症状などで、重篤になら
ず治癒します。
胎児に対しては大きな影響が生じることがあります。
眼症状:白内障・網膜症 妊娠初期
3か月以内の母親の感染で発生します。
難聴 :妊娠
6か月でも発症することがあります。
心疾患:心不全を引き起こすことがあります。妊娠
3か月までの感染でおきます。
子宮内発育遅延:週数に比較して胎児の大きさが小さいです。
小頭症:知能や発達に影響を及ぼします。


目の症状
 白内障 濁りの程度によっては、早期の手術が必要です。(写真)
 網膜症 眼底に異常がおきることです。稀にしか起きないので、私は経験したことが

        ありません。
 小眼球 稀な状態です。

大切なのは予防
 妊婦さんが感染しないように、妊娠の可能性のある女性だけでなく周囲も予防接種

 して風疹を撲滅することが大切です。

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