イヌの目 2018.1
我が家にも犬がいます。戌年生まれですので、今年12歳になります。我々が思っている
よりもよく見えているような気がします。特に夜間の視力は人間よりかなりいいと思い
ます。犬の目の仕組みはどのようになっていてどの程度の能力があるのでしょうか。
暗いところでよく見るためにタペタムがある
目の構造は人とほとんど同じですが、犬には網膜の後ろにタペタムという光を反射する膜が
あります。左が人の目、右が犬の目です。わずかな光でもタペタムで反射して増幅しますので、
夜は人より良く見えます。犬は恐竜から逃れて夜に活動していたので、夜間よく見えるように
このような構造になったといわれます。猫や野生の多くの動物がタペタムをもっています。夜
に光を当てると光が反射して、目が光って見えます。人が必要とする光量の四分の一程度で対
象を判別できます。
犬の視力
人の視神経は120万本、犬の視神経は17万本しかありません。犬に縞模様の図形を持ってく
るように訓練して視力測定すると、犬の視力は0.2程度でした。ただ、動体視力は良くて、
100m先でも敏感に反応します。
犬の色覚
網膜には色を判別する錐体と明るさを判別する杆体があります。人は3種類の錐体で色を識
別しています。図上は人の感じている色です。犬は2種類の錐体で識別しています。図下は
犬の感じている色です。犬は、赤と緑の識別を不得意としていることがわかります。暗闇で
は色の判別よりも、形の判別が重要だからです。
立体視できる範囲
両目で同時に見て、立体視を得られる範囲は、人では120度、犬は80度です。しかし、犬は
人よりも周囲が見えます。
犬にある第三のマブタ
瞼の内側には薄く白い膜があり、目を閉じると瞬膜が眼球を覆って目を保護します。第3の
眼瞼と言われます。角膜を保護したり目が乾くのを防ぎます。(写真)人の目にも内側に
瞬膜の名残があります。
その他の器官の働き
臭覚 人間の100万倍
聴覚 音の大きさの聞き取りは人間の6倍、感じる波長の範囲は人間の4倍、聞こえてく
る方向は、人が16方向、犬は32方向まで判断できます
味覚 味を感じる味蕾は人の五分の一です。人のように旨味、苦みの感覚はありません。
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