齢とともに衰える目の機能    2016.4

自動車の高齢者講習で視力が悪かった、動体視力が悪いといわれた、視野が狭いといわれたと
受診
するが多くいます。高齢者の視力・動体視力・視野はどのように衰えてくるのでしょうか。

高齢者の平均裸眼視力・平均矯正視力・白内障術後視力
高齢になると視力は低下します。裸眼視力とは眼鏡をかけない視力です。矯正視力はぴったり合って
いる眼鏡をかけた視力です。高齢になるといろいろな病気になります。高齢者の病気で一番多い白
内障を手術すると得られる視力が白内障手術後視力です。

平均裸眼視力

平均矯正視力

平均白内障術後視力

6069


  0.51

0.75

0.98

7079

0.39

0.75

0.92

8089

0.31

0.42

0.90

90歳以上

0.26

0.33

0.77

              老人医学テキスト(メジカルビュー1997年)より

運転免許の視力が0.7以上ですので、60歳~79歳では多くの人が免許証の更新のためには眼鏡が必
要になります。80歳以上では白内障の手術が必要となることが多いです。
今まで眼鏡なしで免許が取れていたので眼鏡をかけたくないとか、手術しないで免許は取れない
かと
いう人がいますが、必要であれば眼鏡をかけたり手術をうけるようにしてください。

高齢者の動体視力
高齢者講習で動体視力を測定します。図のように60歳以上になると動体視力は衰えてきます。
動体視力が悪くても免許は通ります。実際の車の運転では動体視力が重要です。若いころに比べ
て衰え
てきていることを自覚して慎重に運転してください。
周辺の視機能
視力は中心部だけの能力です。実際の運転には周辺部まで見えることが必要です。高齢者は若い
人に比
べて周辺部のものを見落とす傾向があります。

   


◎警察の検査さえ通れば安全に運転できるということではありません。裸眼で0.7見えても、眼
鏡でもっ
と見えるなら眼鏡を使う、白内障の手術をしたほうがよく見えるなら手術をするとい
うように考えてく
ださい。

◎すべての能力が衰えてきています。視力だけでも一番いい状態にして運転してください。 

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