CT MRI 2015.4
頭が痛いから、白目に血が出たから、頭を打ったから、目の奥が痛いから、見えにく
いからめまいがするからCTを撮ってもらったという患者さんが沢山います。年に一度
は検査してもらうという人もいます。日本は他の国に比べて数倍の器械が稼働してい
ます。CT、MRIはどのような器械で何を検査しているのか説明します。
CT検査
CT検査はcomputed tomograhyの略で、日本語ではコンピューター断層撮影と呼ばれ
ます。検査台に寝た状態で大きなトンネルに入ります。X線発生器と検出器があり、
照射されたX線が体を透過して検出器で読み取ります。集めたデーターをコンピュ
ーターで解析して体の断面画像として映しだします。検査時間は5分から15分です。
放射線の被曝があります。
MRI検査
MRIはmagnetic resonance imagingの略で、日本語では磁気共鳴画像法といいます。
人間の体の多くは水分でできています。水分に含まれる水素原子の原子核は磁気を
発しています。磁石を埋め込んだトンネルに体を入れると原子核が電波をだします。
この電波からコンピューターが画像を作成します。30分ほどかかり大きな音がしま
す。閉所恐怖症の方にはつらい検査です。
CTとMRI
CTは、検査時間が短く、出血性の病気の検査に優れています。てっとり早くある
程度の病気の有無を確認するのに適しています。欠点として、水分の多く含まれる
臓器の細かい画像がとれないこと、X線の被曝があるので妊婦には使えないことです。
MRIは、骨の影響をうけずに詳細な像を作ることができます。造影剤を使わずに
脳や頸部の血管を詳細に写しだすことができます。欠点は、時間がかかること、ペ
ースメーカなど体の中に金属の入っている人には使えないこと、閉所恐怖症の人に
は向かないこと
使い分けは、大きな外傷や出血を疑った時はCTです。内臓疾患、脳梗塞や脳腫瘍
その他ミリ単位の病気を疑った時はMRI CT,MRIは万能ではありま
せん。形を見る検査ですので、頭痛の原因などは判らないことが多いです。
またCT、MRIで見えない小さな病変もあります。
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