ドルーゼン     2015.3

人間ドックでドルーゼンと判定されて受診する人が増えてきました。ドルーゼンとは網
膜細胞が産生する老廃物です。若いうちは網膜と脈絡膜の間にある網膜色素上皮で消化
されてしまいます。加齢によって網膜色素上皮の働きが悪くなると処理されなくなりブ
ルフ膜にたまります。この老廃物をドルーゼンと言います。それ自体は年齢による変化
なのですが、加齢黄斑変性の前駆症状として重要であることがわかってきました。ドル
ーゼンの数が増えたり、大型のドルーゼンがでてくると加齢黄斑変性の心配がでてきま
す。


下左写真の中心の黄色い斑点がドルーゼンです。場所は右下図の黄斑です。

  

   


老廃物(ドルーゼン)は本来そこにあってはいけないものですから、それに対して慢性の
炎症が持続します。炎症の治癒を促すために血管内皮増殖因子(VEGF)が放出され脈絡膜
から新生血管が生えてきます。(下左図)その血管がブルフ膜を突き破って侵入してくる
と急に増殖をして出血を起こし視力が低下します。(下中央図)下眼底写真が加齢黄斑変性
です。





ドルーゼンといわれたらどうしたらいいでしょうか
 加齢黄斑変性に進行しないか定期検査を受けてください。
  禁煙はぜひ必要です。
  サプリメントが発売されています。有効との報告もありますが、効果はあまり期
  待
できません。

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