白内障の薬物治療 2015.10
NHKのためしてガッテン」で白内障についての放送があり、白内障の点眼薬が効果がある
との内容でした。私はいままで効果は少ないですと説明してきました。白内障の点眼はど
の程度効果が期待できるのでしょうか。
現在使用可能な白内障の点眼薬
ピレノキシンという成分です。白内障を起こすと考えられているキノイドという物質が水
晶体のタンパク質に結合するのをじゃまします。
タチオン
抗酸化作用があり、不溶性のタンパク質の増加を抑えます。
テレビで紹介されたのはピレノキシン(カタリン、カリーユニ)です。
どのような研究でしょうか
を検討しています
進行の抑制効果があった患者さんは
①59歳以下 ②初期の皮質白内障(混濁の面積が20%以下)
効果のなかった患者さんは
①60歳以上 ②核白内障、後嚢下白内障 ③進行した皮質白内障
皮質白内障 核白内障 後嚢下白内障
上が白内障の分類です。混濁している場所によって分けています。
上が写真、下が図です。図の紫が混濁している場所です。
ではどうしたらいいでしょうか
初期の白内障で手術を少しでも先延ばししたいと思っている人は使ってもいいかも
しれません。進行した白内障には効果がないようなので手術を考えたらどうでしょう。
私なら、点眼を続けるのは大変なので点眼しないで定期検査を受けます。