温罨法(おんあんぽう) 2014.12
私が眼科医になったころには目の周りを温める治療を行っていた医院もありました。私は
使ったことがありませんが、そのための器械もありました。その後、あまり行われなくなり
ました。最近、ドライアイや眼精疲労に効果があるということで見直されてきています。
どこに効果があるか
瞼にはマイボーム腺があります。マイボーム腺からは油分がでます。角膜は涙でおおわれ
ています。油がその上を覆うことにより涙の蒸発を防ぎます。(上図)
マイボーム腺の働きが悪くなると油の変性がおきて開口部が塞がります。油分が少なく
なるとドライアイになります。瞼を温めると開口部をふさいでいた油が溶けます。
定期的に油を溶かすとマイボーム腺の働きが良くなることが期待できます。
左写真の黄色いブツブツが開口部にたまった油です。右写真のようにマイボーム腺を圧
迫すると油がでます。
どのような方法があるか
瞼を40℃で5分間温めます
①蒸しタオルで温める
タオルを40℃位のお湯であたためて瞼の上にのせます。お風呂に入った時に
温めてもいいです。またはタオルを濡らして軽く絞り電子レンジで500w40秒
温めます。一定の温度に保つのが難しいですが簡単ですので試してみてくだ
さい。
②めぐりズム
花王から発売されています。40℃の温かさが10分程度続きます。潤いも感じ
ます。扱いやすいのでお勧めですが1回100円程度します。
③あずきのチカラ
袋の中にあずきが入っています。電子レンジで30秒ほど温めます。800円で
200回再利用できるのでお勧めですが、しっとりとする感じは少ないです。
ホームセンターやドラッグストアで売っています。
効果のほどは?
私も1週間ほど使ってみました。どの方法でもすっきりする気がします。涙
で潤うように感じる時もあります。ドライアイ、眼精疲労の方は試してみて
もいい方法だと思います。
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