鎮痛剤の働きと使い方        2014.11

頭痛や目の奥に痛みがあるときに、痛み止めを勧めるのですが、「痛み止めは飲みたく
ない」という人がいます。
理由は、体に悪いのではないか、習慣性があるのではないか
ということです。鎮痛剤について理解して、適切な時期に正しく薬を使うことが必要です。

痛みに関係している物質はプロスタグランディンとブラジキニン (下左図を参照)
頭痛の原因となる刺激や炎症があるとブラジキニンという物質が作られます。ブラジキ
 ニンは感覚中枢に作用して痛みを起こします。

この時、プロスタグランディンという物質も作られます。ブラジキニンはプロスタグ
 ランディンの合成を助けプロスタグランディンはブラジキニンの作用
を強める働き
 あります。


                           
   


鎮痛剤の成分 (上右図を参照)
①非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) 
プロスタグランディンの産生を抑えます。
  現在、一番使われています。成分名はアスピリン・イブプロフェン・エテンザミド
  など。胃腸障害を起こしやすいですが、障害の起きにくい薬もでてきています。
イソプロピルアンチピリン プロスタグランディンの産生を抑え、脳にも働きかけ
  ます。ピリン系ですので注意が必要です。(アスピリンはピリン系ではないです)
アセトアミノフェン  脳の痛みを感じる部分に働きかけます。効き目は緩やかで
  すが、下記の副作用が少なくより安全に使えます。小児にも使えます。


鎮痛剤の副作用 皆さんが心配している副作用です。
 胃腸障害 薬の量に比例しますので適量を上手に使えばいいです。
 腎障害  稀な障害です。短期に使うときは問題になりません。
 薬物乱用頭痛 一日中続く強い痛みです。鎮痛剤を月に15日以上3か月以上使用す
        ると
起きる可能性があります。頭痛を繰り返し頻回に鎮痛剤を必要
        とする場合は
早めに医者に相談してください。

鎮痛剤の上手な使い方
  痛みを我慢することは鎮痛剤を使うことより何倍も体と精神に悪いです。
  痛みが起きたら決められた容量を早めに使い、漫然と使い続けないでください。
  痛みが改善しない時は早めに医師に相談してください。


      戻る