iPS細胞と眼の治療
山中教授が、iPS細胞の研究でノーベル賞をもらいました。眼科で、加齢黄斑変性
という病気に対してiPS細胞から作った網膜色素上皮の細胞を移植して治療する研
究が始まるという報道がありました。iPS細胞を使った眼の治療とはどのような治
療なのでしょうか。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)
iPS細胞(下図の赤い丸)とは、さまざまな細胞になることができる万能細胞です。
以前からあるES細胞(下図の青の丸)も同じ働きがありますが、ヒトになる受精
卵を壊して作るために倫理上の問題があり実用化ができませんでした。また他人
の細胞から作るので拒絶反応の可能性があります。
iPS細胞は自分の皮膚の細胞から作ることができるので、倫
絶反応がおきないので画期的といわれています。
皮膚の細胞からiPS細胞を作ったのが山中教授です。
iPS細胞からできるもの
万能細胞ともいわれ、ほとんどの体の細胞になることができます。ただ、癌細胞に
もなれるし、精子や卵子にもなれるので取り扱いが問題となります。
iPS細胞にいろいろな物質を加えたり環境を整えることにより他の細胞に変化してい
きます。その条件を探すのも大変な研究です。
iPS細胞から眼球ができると思っている人がいますが眼球を作っている一部の細胞が
できるだけです。
iPS細胞による眼の病気の治療
角膜や網膜の細胞を作ることが期待されています。来年から治験が始まるのが、
加齢黄斑変性に対する
加齢黄斑変性は、脈絡膜からの新生血管が網膜色素上皮と網膜の間に侵入してき
て網膜に障害を起こす病
治療は、痛んだ網膜色素上皮を手術でとりだし、iPS
皮の移植片を注入します。(右下図)
(ES細胞から作った細胞での同様の治験では、視力が良くなったとの報告が
あります)
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