メガネの度を強くしてください

病気のある人が、「良く見えないのでメガネを強くしてください」、 病気の説明を詳
しくしたあと
に「メガネを掛けると見えるようになりますか」などと聞かれます。
病気があってもメガネを掛けると見えるようになると思っている人が多いです。
「メガネを掛けても見えないから病気なのですよ」といってもなかなか理解してもら
ません。
なかには、眼鏡店に行って幾つもメガネを作る人(作らされる)人がいます。

メガネの役目は
  メガネの役目は眼底にピントを合わせることです。図左は近視の目です。遠くからの光
  が眼底の前にピントがあいます。中央は正しいメガネ
を掛けた時です。眼底にピントが
  合っています。右は強いメガネを掛けた時です。眼底の
後ろにピントがあります。あっ
  ているメガネとは眼底にピントが合っているメガネです。
どんどん度数を上げれば見え
  るようになると思っている人が多いですが、そのようなこと
はありません。

      








病気があってもメガネの度数は変わらない
   下左図は、近視の人が白内障(オレンジ色の部分)になった時の状態です。メガネで
   眼底にピントはあっているのですが
白内障の濁りのために光が眼底に十分届かないの
   で視力が
悪くなります。メガネの度を強くしてもピントの位置がズレるので見えにく
   くなります。ただ、白内障の濁りのために屈
率が変わってやや近視が強くなることも
   あります。
下右図は、眼底の病気(黄色い部分)です。メガネで眼底にピントは合っ
   ているのですが、ピントの合った部分が病気
ですので視力が悪いです。メガネの度数
   を変えても見えない
ことがわかるかと思います。









車の免許の書き換えで
  「警察にいったら、視力が悪かったです。メガネを作ってくるように言われた」
  「今回はかろうじて通ったが、次回はメガネがいります」
などと、警察で言われて受診
   する人が多くいます。その中でかなりの人が、目に病気
があって、メガネを掛けても
   みえません。

  「目に病気があるので、メガネでは見えません。手術をしないと免許はとれません」と
   説明しても、「警察ではメガネを作るように言われた」と聞きいれてくれない人も多
   くい
ます。警察で、安易にメガネを作るように言わないで欲しいと思っています。
     せめて、「視力が出ないので眼科で検査するように」と指示して欲しいです。
メガネの度数はそんなに変わらない
   30歳ころまでは近視の進む人がいてメガネの度数が変化します。それ以降は、遠く
   を見るメガネの度数はそんなには変化しません。(老眼は65歳ころまで
進みます)
   中年以降で遠くが見えにくくなったら病気を疑って検査したほうがいいです。

     メガネが合わなくなったからと、眼科で検査をしないでメガネをつくり直す人がいま
   すが、
病気が見逃されて手遅れになった人も多く経験しています。
     目が悪くなったら眼鏡屋へという人がまだまだ多いのは困ったことです。

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