日 食 網 膜 症


7月22日に日本で日食が見られます。日本で皆既日食が見られるのは46年ぶりとのこと
です。太陽を肉眼で見るのは危険です。日食を見るときの注意点を書きました。








日食

  太陽と地球の間に月が入り込みその影が地球上に映るときにおきます。太陽が月の影に完全に
  隠れてしま
うとき皆既日食といいます。(上左図の月の後ろの黒い影が地球に当たる地域で見
  れます。)
太陽の一部分が隠されるときは部分日食といいます。(図の月の後ろの灰色の影が
  地球に当たる
地域で見れます。) 中央は皆既日食、右は部分日食です。

7月22日の日食
  皆既日食が見れるのは鹿児島のトカラ列島や奄美大島北部です。皆既の時間は6分です。
  長野県では部分日食ですが、始まりが9時52分、最大になるのは11時9分、終りが

   12時26分です。水曜日ですが、またとない機会ですので診察を中断して見ましょう。

観察時におきる目の障害
   太陽光線を肉眼で見ると眼底に障害が起きることがあります。太陽の光には見えている光の
  ほかに、目に見えない赤外線や
紫外線が含まれています。その中でも波長の短い光(500
  ナノメ
ーター前後)は網膜の網膜色素上皮という部分のメラニン色素に吸収されて光化学反
  応がおきて視細胞が障害されます。
よく、赤外線が良くないといわれますが、赤外線の熱作
  用による目
への障害は比較的少ないです。太陽を見た直後に眩しさや、充血があり、翌日に
  視力低下や暗点
を自覚します。下の眼底写真は日食網膜症です。物を見る中心部が腫れて
  央が赤くなっています。
視力障害は数週から数カ月で回復することが多いですが、視力障害
  が残ることもあります。


観察の方法は 
   絶対にしてはいけないことは、肉眼でみること、天体望遠鏡で直接見ることです。かつては
   ススをつけたガラス板や下敷きやフイルムのネガを
使ってみました。学校で皆で見た記憶が
   あります。
10分程度の短い時間の観察には問題ないと思います。サングラスも観察には適
   していません。
最近では、7時間程度観察を続けても安全な日食グラスというものが使われ
   ています。
長時間観察するならば日食グラス(写真右)を使ってください、1500円程度です
    天体望遠鏡や双眼鏡を日食グラスで見るとよさそうですが、日食グラスの保護フィルムの
   分が熱で溶けたり焦げたりして非常に危険です。


           







  


次回はいつ日本で見れるか

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