網 膜 裂 孔
網膜裂孔といわれ、レーザー治療が必要だと言われました。なぜ網膜に孔が開いた
のですか。レーザー治療はどのようにするのですか。網膜剥離になる心配はないの
でしょうか。網膜裂孔について説明します。
@ 網膜裂孔とはなんですか
網膜に孔があくのを網膜孔といいます。そのなかで網膜が引き裂かれて網膜に破
れができる場合を網膜裂孔、網膜が薄くなって孔があくのを網膜円孔といいます。
網膜裂孔のできるまで
目の中には硝子体という液体が詰まっています。硝子体は網膜(眼底)と付いて
います。年齢による変化で、硝子体が網膜から剥がれて来ます。網膜と硝子体の
癒着の強い部分があると、網膜が引っ張られて孔ができます。これを網膜裂孔と
いいます。上左の図で青紫の塊が硝子体です。茶色の部分が網膜です。硝子体が
網膜を引っ張って孔が出来ているのがわかると思います。
網膜裂孔の出来るときの症状は
硝子体の濁りのために黒いものが飛んで見えます。(飛蚊症) 網膜が裂ける
ときに血管が切れると出血(硝子体出血)がおきて視力が低下することもありま
す。(上左図の赤い部分)すぐに網膜剥離に進行することもあり、その場合は視
野が欠けます。
網膜裂孔の経過は
裂孔ができるとそこから硝子体の水が網膜の下に入り込んで網膜剥離になってき
ます。必ず網膜剥離になるわけではありませんが、3分の1程度が網膜剥離に進行
するという報告があります。(上右の図が網膜剥離です)
A網膜裂孔の治療は
レーザーで孔を塞ぎます。
治療の手順は 目薬で瞳を大きくします→目の表面を点眼で麻酔します→
レーザーの器械に座り顎を台にのせます→目にレンズを当てます→レーザー
光線を眼底に照射します。 治療は数分で痛みはありません
治療の効果は
治療により孔がなくなるわけでなく、孔の周りを固めることにより、孔から
水が入り網膜剥離に進行するのを防ぎます。治療しても飛蚊症は続きます。
上の写真の白い点がレーザー治療の瘢です。白い点の中心に裂孔があります。
白く浮き上がって見えるのが裂けた網膜です。
治療した日の注意は
特に注意することはありません。お風呂に入ったり洗顔、洗髪していいです。
定期検査は
治療の1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後にします。後は、状況により決めます。
費用は
1割負担で18100円 3割負担で54300円です。
手術が必要なときは
硝子体の引っ張る力が強くて網膜剥離の範囲が広いときやレーザー治療によ
っても網膜剥離の範囲が広がるときは、引っ張る力を弱めるための手術が必
要になります。
(網膜円孔は、急に網膜剥離になることはないので、経過を見ながら治療を決めていきます)
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