眼 瞼 痙 攣 (がんけんけいれん)

目が閉じてしまって開くことができない。まばたきが多い、まぶしい、目が乾くなどの症状が

あり、脳外科、神経内科などで診てもらっても原因がわからない人の中に眼瞼痙攣という病気
の患者さんがいます。かつてはこれといった治療法がなかったのですが、最近ではボトックス
の注射や手術で痙攣を軽くしてあげることができます。

眼瞼痙攣とは
 
目の周りには眼輪筋(がんりんきん)といって、マブタを閉じる筋肉があります。眼瞼痙攣
 は自分の意思に関係なく眼輪筋が収縮して目を閉じてしまう状態です。

 中高年に好発します。原因は不明です。

 症状は まぶしさを感じる、目を開いているのがつらい、目が自然と閉じてしまう、目が乾
  く、瞬きが多い、
目の回りがピクピクするなどです。ひどくなると、まったく目を開ける
  ことができな
い、目を閉じてしまって車の運転ができない、などの症状が出てきます。
   明るいところで悪化したり、精神的な疲労で悪化することもあり、日常生活に支障をきた
   すようになってきます。左写真は高度の眼瞼痙攣です。目が閉じて、眉間や額に皴がよっ
  て
います。
 症状が軽いと他の病気と間違われることがあります
  いままで、眼精疲労・神経症・更年期障害・眼瞼下垂・ドライアイなどと診断され治療を
  受けていた人の中に、軽度の眼瞼痙攣の人がいました。


           






 治療は
   内服 ビタミンB
12、精神安定剤などの内服を使うと多少軽減する人もいます
   ボツリヌス毒素(ボトックス)
    痙攣している瞼の筋肉に痙攣を抑えるボツリヌス毒素を注射します。
ボツリヌス菌
    は食中毒を起こす細菌ですが、その毒素は筋肉を麻痺
させる働きがあります。目の
    周りの紫の部分の皮下に1ヶ所
0.1cc注射します。中央図
    効果は
2,3日ででますが、3,4ヶ月で効き目が無くなりますので追加が必要となります
      現在では、眼瞼痙攣治療の第一選択になっています。右写真は、左の症例のボトック
    ス注射後です。

      美容外科でしわ取りに使っているのはこの薬ですが、本来は、眼瞼痙攣や顔面痙攣の
    ために開発さ
れたものです。 
     費用は
      治療費よりも薬の代金が高いので、診察代の他に薬代が
3割負担で27730円、
          1割負担で9240円必要です。
    手術  ボトックスの注射をしてもまだ症状が残るときには、手術を追加するこ
        ともあります。


瞼がピクピクする病気
  顔面痙攣
   目の周りだけでなく、口の周りの筋肉まで痙攣します。顔面神経が圧迫されるのが原因
     のことがあり、脳外科で顔面神経の圧迫をとる手術をすることもありますが、ボトック
     スも効果がありますので、まずボトックスの注射をします。
  眼瞼ミオキニア

    一時的に瞼がピクピクする症状です。疲れたときや精神的なストレスでおきます。
     自然と治まることが多いです。

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