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名誉の回復を求めて
ハンセン病と三つの法律
上映時間2時間23分 公式サイト |
現在 |
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監督/高橋一郎 製作/鵜久森典妙 脚本/川島信治、高橋一郎
撮影/原ひろし 語り/鈴木瑞穂(俳優)
2012年・日本映画・ドキュメンタリー・デジタル (C)「もういいかい」映画製作委員会 |
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面積が四十ヘクタールで人口が千余人という、全く玩具のような小国が日本列島の中に存在している事をご存じだろうか-この国では滅亡こそが国家唯一の大理想だということだ。
金色燦然と輝く丘の納骨堂の美しさは、滅亡の国のシンボルと言って過言ではないだろう。 島比呂志 著「奇妙な国」より
そこは本当に 療養所だったのだろうか!
絶対隔離と国民的忘却
住み慣れた地で家族と平穏に暮らしたい、人間らしく生きたい-そんな素朴な、ごく当たり前の願いが、ある日突然、国策という名のもとに奪い去られた人たちがいました。彼らの運命を決定づけたのは三つの法律-「癩予防ニ関スル件」(明治40年)、「(旧)癩予防法」(昭和6年)、「(新)らい予防法」(昭和28年)です。
彼ら、彼女らが強制隔離された地は遠い異国ではなく、私たちが暮らすこの国土にありました。その地に送られた人たちは、名前を変えさせられ、ふるさとへの帰郷は許されませんでした。ハンセン病という理由だけで、この地でひたすら死を待つ生活を強いられてきたのです。
人々の視界から消し去られ、記憶の外に追いやられた人たち。子孫断絶を強いた断種・堕胎、園内労働による手足の障害、懲戒検束規定による監房・重監房、国を挙げての無癩県運動…。ハンセン病療養所とは何だったのでしょうか。
この映画は、療養所の中で何が行われ、入所者はどのような生活を送っていたのか、多くの証言に基づいてその仕組みと実態を検証し、三つの法律をもとに展開された絶対隔離政策等、百年にわたるハンセン病の歴史を描いた作品です。
予告編(You Tube) 公式ブログ
ハンセン病問題はこれからの私たちの社会を考える上で大切なことを教えてくれます。それは「すべての病む人が安心して生きていける社会を作ること」です。人は病む存在です。どんな病を抱えていても人は平等に生きていく権利を持っています。ハンセン病問題は国家が政策として特定の病者を抹殺しようとした驚くべき事例です。さらに驚くべきことは、民主主義の時代のつい先ごろまでその政策が生き続けていたことです。私たちが病気になっても安心して生きていくため、ハンセン病問題は繰り返し語らねばならないと思います。(監督・高橋一郎) |
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