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あかね色の空を見たよ
学校に行ってない私はきらいですか

あかね色の空を見たよ

(上映時間 1時間40分)
上映予定
2022年6月30日
現在
監督 中山 節夫
堂野博之 詩画集
 『あかね色の空を見たよ 5年間の不登校から立ち上がって』(高文研刊)
左時枝 倉崎青児 清水由貴子 久保田篤 堀内正美 常田富士男
「くそばばぁ、出ていけ!」
 今日も泣きふせる母親の和子。
 中学3年の2学期、不登校5年目になった弘は、自分の中のいらだちから何度も自殺しようとする。その度に泣いて止める和子と呆然とする父、光男。延々と続くこの現実に、二人は弘を見守っていくことだけを決める。進路への悩みを感じている兄の明も、弘に自立を促す。
 中学を卒業した弘は定時制高校へ進み、岡山でひとり暮らしを始めた。昼は中華そば屋で働き、夜は高校に通う生活にゆっくりと慣れて行き、先生や新しい仲間と出会って明るさも生まれ、部活でバレーボールにも汗を流した。
 しかし、ふとしたきっかけで仕事にも学校にも行けなくなり、いらだちを感じ始めた弘に、つらかった不登校時代の思いがよぎる。そんな時、今まで感じたことの無かった、心配してくれる両親やあたたかい仲間支えがあることに気づく。特に、正美とはお互いの境遇を語り合い、詩を通して心の交流を深めていった。
 新しい生活の中で仲間たちにも様々な人生があることを知り、少しずつ成長する弘。先生や仲間との離れがたい感情の中で、それぞれが新たな道を見つけ始め、とうとう卒業式を迎える。そこには、仲間を代表し、両親の前で挨拶をする弘の姿があった。
解説  原作者の堂野さんは、兵庫県で生まれ2度の転校で岡山県に移り住み、不登校を体験しました。この詩画集に心ひかれた地元・岡山の市民グループが「ぜひ映画化を!」と制作委員会を発足、製作費を集めるところから運動を始め見事に完成させました。出演した子どもたちも地元で公募して選ばれた初々しいメンバーです。
 あかね色の空を見たよ

 不登校の小中学生は'98年度には12万8千人(文部省調査)にものぼりました。その中でも兵庫県はトップレベルだと言われています。
 不登校になった子どもの気持ちは、親にも先生にも学校の友だちにも、なかなか理解できないのが現実です。“甘え”や“わがまま”と言う言葉で片付けられたり、学校へ行かない事が『悪いこと』であると決めつけられたりします。そして、そう思われることで子どもはますます苦しくなって外に出ることができなくなり、生きる希望ももてなくなることもあります。
 映画の中の弘君もそうでした。両親、特に母親は、わけもわからないまま学校へ行かない子どもの世話に疲れ切ってしまいます。でも、一番悩み、もがき、苦しんでいるのは当の本人ではないでしょうか。「いい子」だった子どもが突然学校に行けなくなり、親を「クソジジィ」「クソババァ」とののしり、何を言っても反発してしまう、その理由は一体なんなのでしょう。
 原作者の堂野さんは自ら「私は確かに弱かったのです」と書いており、それは自分で乗り越えなければならないことだとも実感しています。 不登校の理由は、子どもによってそれぞれ違うことでしょう。この映画は、10数万を数える不登校の子どものうちのただ一人の例にしかすぎません。映画を見ただけで問題が解決するという事も現実的には考えられませんが、誰かを悪者にして済まされるほど単純に割り切れる問題でもありません。
 自分の身にも起こり得ることとして、こういう映画を地域や学校など同じような環境にいる人たちと一緒に見て、考えるきっかけになればと願っています。私たち一人一人が、自分のこと、自分のまわりで起こっていることを考えてみましょう。
 この映画は、子どもたちを見守る監督からの熱いメッセージです。
企画/「あかね色の空を見たよ」製作委員会 製作/中山映画株式会社 有限会社インディーズ 芸術文化振興基金助成事業  文部省特選・日本PTA協議会特選・(社)青少年育成国民会議推薦・優秀映画鑑賞会推薦・中小企業家同友会全国協議会推薦・映倫青少年映画審議会推薦・東京都知事優良映画推奨・兵庫県PTA協議会推薦・神戸市視聴覚教育映画審議会特選
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