Psycho le Cemu
Tour 2004 Psy遊記
〜彼ら出る処、道あり。〜

−愛知県勤労会館−
2004.04.14 WED
18:00/OPEN・18:30/START


サイコの名古屋初ホールライブはキャパ1500弱の愛知県勤労会館。壱号弐号は1階18列目リーダー寄りでした。1階でも通路を挟んで後方は2階という位置づけらしい「つるまいホール」。それでもステージ全体・床まで見渡せるホールはやっぱり良い!待ち時間も楽!(ババアですから)

ステージには緞帳が下りています。「○○寄贈」みたいな仰々しいやつです。ホールライブはいろいろ見てきましたが、緞帳が下りている状態のステージを見たのは初めてです。とてもこれから「バンドのライブ」が始まるとは思えない様相です。「演劇見に来たみたいだよね〜」などと話す後ろで流れるSEのGUNS N'ROSESが妙にミスマッチでした(笑)
客電が落ちて静かに緞帳が上がり、コントが始まりました。なるほど納得。頭からコントだから緞帳降りてたんですね。芸の細かさに脱帽(笑)

ステージには白い衣裳を見に纏った人物が登場し、三蔵法師一行のことを語り始めます。
「彼らはまだ旅の意味を理解していないようだ…。彼らの食料を石に変えてみようか?立ち止まり、己を顧み、新たなる道を見つけるだろうか?そして彼らは遥かなる旅路の果て、ここ愛知勤労会館に現れるのだ!」
「絶景かな絶景かな♪」と呟きながら白馬に乗った三蔵法師・YURA様が登場。その後から「待ってください、お師匠さん〜!」と沙悟浄・seekが登場。YURA様は一旦上手に引っ込み、今度は白馬から竜王に変化したLidaを伴って登場しました。「ひひ〜ん、ひひ〜ん!」YURA様に鞭打たれながら「クセになりそ〜」と悶える竜王・Lida(笑)。猪八戒・AYAちゃんは「もう少しでイケ面1人食えるところだったのに〜」とブツクサ言いながら登場。最後に孫悟空・DAISHIがキックボードに乗って登場。全員シンプルに黒のチャイナ服と上げ底無しのカンフーシューズという衣裳でした。
「地の果てまで行ってきました。 天竺は見つからなかったけど5本の柱が立ってたので『AYAは実は男』って書いてきました」とDAISHI。「楽をして天竺に行ってもお釈迦様はお前を人間にしてはくれませんよ」と諭すYURA様。「ああ、早く人間になりたい!」DAISHIの呟きに「ん〜妖怪人間♪」とコーラスを入れる妖怪トリオ(笑)
ひと休みして食事をとろうとするが、食べ物が全部石に変わってしまっていることに気付く一行。絶望に打ちひしがれ、どうしようか迷っているところに牛魔王・元帥が登場しました。三蔵一行は中国雑疑団と間違えられたのをいいことに、牛魔王の用意したご馳走にありつこうとします。「元祖中国雑疑団〜♪」とキメポーズをとる5名。「ホンモノの中国雑疑団なら、試しにやってもらおうか!」元帥の要望で『チャイニーズ少年』をBGMに偽中国雑疑団の妙技が披露されることになりました。途中段取りを忘れてオロオロする元帥とDAISHI(笑)。ひとつの技が終わるたびに「元祖中国雑疑団〜♪」のキメポーズ。あまりのうそ臭さ(笑)に「信じ難いな…」という元帥。そこにホンモノの中国雑疑団が到着したという電話が。「よくも騙してくれたな」と怒る元帥と戦うことになってしまった一行。元帥に吹き飛ばされてよろけるDAISHIを抱き留め、どさくさまぎれ?にキスをするYURA様。おいおい(笑)
「実は私は牛魔王ではない。お前たちを試しただけだ」という元帥の指には「AYAは実は男」というDAISHIが書いた落書きが。「お前たちは私の掌の上でもがいていただけだ」と言う釈迦・元帥。「天竺など本当は存在しない。お前たちがこれから作るのだ。もう武器は必要ない。竜王、八戒。武器の代わりにギターを。沙悟浄、お前にはベースを。三蔵、ドラムセットがお前を待っている。」自分の楽器を手にする4人。「僕には?」と問うDAISHIに「お前にはその声がある。」と答える元帥。旅が終わった今、何でも一つだけ願いを叶えてくれるというお釈迦様に「どうかこの5人で旅が続けられるようにしてください。」と頼むDAISHI。
「ならば想い出の中を歩き続けるがいい。お前はその声で多くの人々を理想郷へと導いた。旅を続け、今日とうとう愛知勤労会館へと降り立った。多くの人々にかけがえの無い夢を与えた。さあ、今宵新たな理想郷を作るのだ。君達の道は果てることはない。君たちの出る処に道はあるのだから!」…元帥の語りで一曲目『想い出歩記』へ。久しぶりにキレイにまとまったコントだった(笑)

一曲目が終わった途端、DAISHIの激しい煽りが入って『インドラの矢』、『クロノス』と激しい系の曲が続きました。『輝きの中へ…』が終わると再び元帥の声が。
「DAISHI、そろそろ自分たちが神だったころのことも思い出したか?君たちは天と地と水と火と風…それぞれひとつを司る神だったのだ。」「…?」思い出せない、と言いたげなDAISHI。「ならば更に想い出を遡るがいい。今宵この場に集いし全ての者たちを、お前の歌声で更なる想い出へと誘うのだ!」
暗く重々しいイントロが流れる中、「もっと来い!頭振れ!突っ込んで来い!!」と激しく煽るDAISHI。seekのシャウト系のコーラスとリーダーの重いギターが印象的な新曲『[feel on the dark]』。続いて『一億のパルチザン』。この曲をナマで聞くのは初めてだったんですが、こんなに跳ねる曲だったとは。
続いて『銀狼』。畳み掛けるように速い曲が続きます。DAISHIの煽りも一層激しくなり、歌うというより叫びに近いものがありました。

演奏が終わるとメンバーは一旦ひっこみ、ステージ前に白いスクリーンが降りて来ました。5人が昔「天・地・水・風・火」を司る神で、悪さをして地上に堕とされ、やがて三蔵法師に導かれて出会い旅立つまでの物語を描いた映像が流されました。中国語のナレーションと字幕で短編映画のような雰囲気でした。『想い出歩記』のPVとうまくリンクしていました。

映像が終わり白いスクリーンが上がると、『DANCE U HEAVEN』のイントロに乗ってpsy遊記の衣裳にチェンジしたメンバー5人がシルエットで現れました。5人揃ってのダンス、カッコイイ!!…けど微妙に笑えるのは何故(笑)。カッパ姿のseekが1人だけ振りを間違えて、やけに目立って笑いを誘っていました。ラップの時、下に置いてあったマイクをサッ!と拾って歌うリーダーがめちゃくちゃかっこええ!!
続く『激愛メリーゴーランド』では、YURA様の満面の笑みから目が離せませんでした。毎回「リーダー見るぞ!」と思っていても、全身から「楽しい!」オーラを発するYURA様についつい視線を奪われてしまう曲です(笑)

「名古屋、お久しぶりです。サイコルシェイムです!」ここで初めてDAISHIのMCが入りました。「デビューして最初の1年は何としても売れたい!というカッコ悪いバンドでしたが(笑)、これからはもっと自分らしく、『サイコルシェイム』を追求していきたいと思います!」
そして、5月の末にアメリカでのイベントに参加することが決まったということを発表。更にヨーロッパの方からもCDデビューしないかという話が来ているらしく、「正直僕らもびびってます。ドッキリなら早めにそう言って!」と。驚きとか喜びとか、微妙な空気の客席に向かって「海外も大事やけど、お前らも大事やから」とフォローを入れるDAISHIでした。
「これから歌う歌も、アメリカにも響けばいいと思う…けど、今夜はお前らのために歌う!聞いてください。『愛の唄』!」更に『Sky−High』『春夏秋冬』と続いてAYAちゃんのMCへ。

「ニーハオ!シェイシェイ〜!ライライ〜!」と怪しい中国語を連発(笑)。「今日は『中国4千年ブーブークイズ』をやるだブー!第一問。愛知の県庁所在地は?(間髪入れずに)ブー!時間切れだブー!第二問!seekはハゲている!ブー!正解は『ハゲかけ』だブー!YURA様の私服は…ブー!リダの素顔も…ブー!アンタたちはブ〜ス〜!!」AYAちゃんの暴言に大ブーイングの会場。と、横から「お前らめっちゃカワイイでvv」と客席に向かって囁くDAISHI。は、恥ずかしいよっ(笑)!「キャーっ!」と感極まるほど若く無い壱号弐号は笑いながら腰から崩れ落ちました(笑)
『LAST EMOTION』にのせてメンバー紹介。続く『Mind Core』のイントロのリーダーのギターは何度聞いても痺れます。サビの時のDAISHIの妖しい振りも定着してきましたね。『聖剣』ではサビの時リーダーとseekが見詰め合い、キスしてました。竜のかぶりものとカッパのクチバシでしたけど(笑)
「ステージとか客席とか関係無い。メンバーとかファンとかも関係無い。目の前にいるやろ?だから、何が言いたいかというと…次やる曲は、『こんなことがあったらどうするんやろ?俺…』とか思いながら書いた曲です。昔の俺やったら『それは無しやろ』とか思ってたんですけど、今はこんなことがあってもいいんじゃないかと思ってます。ラスト、聞いてください。『With』」
ちょっと意味深なDAISHIの前フリに客席がどよめいてました。本編はこれで終了。少し物足りなさが残る終わり方でしたね。

アンコール1曲目は『浪漫飛行』のアカペラバージョン。ボイパなんかも入ってて本格的です。が、私たちの耳はリーダーの美しいコーラスに釘付けでした。
ここでスペシャルゲスト・第14帝國楠本元帥の登場。「地元名古屋〜!!」と叫びつつ登場する元帥。前回元帥がゲストで参加した「スターオーシャンの秘宝」の時は、元帥の都合で名古屋だけ参加できなかったそうで。今回やっと故郷に錦を飾ることができたと喜んで浮かれまくる元帥でした。『LAST EMOTION』では東海大地震かと間違うほど楽屋が揺れていたとか。「名古屋のノリはで〜らスゴイでしょ〜?ナメとったらアカンよ〜」と名古屋弁で自慢(笑)。前日、YURA様と二人でパルコに買い物に行ったそうです。パルコのトンカツ屋でレディースセット(笑)を食べた後、ファンの子に気付かれて囲まれたらしいのですが、元帥はスタッフと間違えられていたとか。最後は自前の携帯電話でツアーグッズ(ストラップとかメールブロック)の宣伝までして去って行く営業上手な元帥でした。

続いてリーダーにファンクラブ限定のイベントの話を振るDAISHI。「どんなコンセプトになりますか?」という質問に、「コント無し!ダンス無し!」と答えるリーダー。そこですかさず「リダ無し!」と付け加えるDAISHI。…絶妙なコンビネーション(笑)
続いて新曲の話へ。「えーっとですねっ。6月9日にですねっ。新曲の方が出るわけですけど…」と営業口調で宣伝しようとするリーダー。と、横から「6月9日といえば!英語で言うと…」とDAISHIがふると、「……シックスナイン!!」素直に答えるリーダー。…ナイスコンビネーション(笑)。客席から「エロい〜!!」「変態!」と非難の声を浴びる2名でした。

「デビューしてから事務所とかレコード会社とかいろいろオトナの事情があったんですが、今回はワガママ言わせてもらいました。そんな熱い想いがつまった新曲です。聞いてください。『道の空』!」本日2曲目の新曲です。イントロのリーダーのギターがめちゃめちゃカッコイイ!曲途中のリーダーの刻みがカッコイイ!!「これはリーダーの曲だよ!ね!ね!」と興奮するリーダー贔屓のHUNGRYS2名でした。
アンコールラストは『REMEMBRANCE』。ステージも客席も大盛り上がりの中、興奮の余り外れたのか投げ捨てたのか…seekのクチバシが宙を舞っていました(笑)
曲が終わるとメンバー全員がステージ前方に集まりました。SEが流れる中、順に一言ずつ語ります。

DAISHI「生きてて一番良いな…と思える時間をありがとう!」
AYA「アメリカに行くんでちょっと会えないけど、やっぱサイコルシェイムすげえなって思わせられるバンドになって帰ってきます!」
Lida「名古屋ありがとう!僕ら初ホールツアーですけど…ホールとかライブハウスとか関係ないね。どっちでやっても気持ち良いですよ。ね?どこにいてもいっしょですよ。ありがとう」
seek「昨日名古屋に着いて、毎ツアー恒例なんですが風邪をひきました。今朝辛かったんですけど、ライブが始まるとみんなから元気をもらってるみたいで、みんなとコミュニケーションとりながら良いライブができるようになったなと思います。ありがとう」
YURA様「楽しいライブでした。手にマメができるくらいがんばりました。これからもいろんな苦労があると思うんですけど、5人で手を取り合ってそれを乗り越えていきたいな、と思っています。大きな障害をのりこえて、大きなジャンプをして、ロケットジャンプ♪で終わりたいな(笑)」
隣の人と手を繋いでください!というYURA様の呼びかけで、客席も隣同士みーんなで手を繋ぎました。最後は客席もステージのメンバーも一つになってロケットジャーンプ♪で締めでした。

SEが流れる中、まだまだ鳴り止まないアンコールの声。つられて再度メンバーが登場しました。「まだまだ行くで〜!2階いけるかー!?1階いけるかーっ!?かかって来ーいっ!!」seekの掛け声で『Murderer・Death・Kill』へ。待ってました!とばかりに盛り上がりました。
曲が終わってメンバーがステージを去り、客電が点いてスタッフが会場の片付けを始めてもまだアンコールの声は止みませんでしたが、さすがに3回目のアンコールはありませんでした。

踊り易くて跳ね易くて座って休める…やっぱホールは良いなぁと実感しました。でもそれだけじゃなくて、サイコルシェイムは大きなステージが似合うバンドだと思うから、またぜひ名古屋でもホールライブをやって欲しい!と願わずにはいられない私達でした。

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