クサ9000

2006年9月3日暫定、9月4日、10月15日追記

 クサ9000は日本初のピギーバック試作車で、1967年に1両製造されました。詳しくはRMライブラリー「車を運ぶ 貨車」下巻やRM連載の国鉄貨車教室第50回の写真と解説をご覧下さい。なお、車体標記等はRMライブラリには写真が 載っておらず、国鉄貨車教室にのみ載っています。実車の特徴としては、車体が掘り下げた構造となって いて、そこにセミトレーラのタイヤ部分を収めて車両限界内に収めていること、荷卸の際に隣接セミトレーラ及び 荷卸用専用トラクタを通過させるために、掘り下げた部分に蓋をするための中間渡り板という部品があることです。

 それ以外はただのコキ10000といった感じです。台車にワキ10000試作車の台車を流用していることや、荷卸の際に 専用トラクタを用いて、1台づつ端から一方向にのみ下ろす必要があることなどから実用化は当初から考えて いなかったのではないかと思います。セミトレーラに隅金具を付けて中間駅でもクレーン荷役をするなどであれば まだ実用化の可能性はあったのでしょうけど。実物はその後操車場の入換用リニアモータの敷設・保守用車のヤ250 へと改造されました。

さて、模型はTOMIXからのコキ10000系発売を受け、大量の余剰が予想されるKATOコキ10000系の活用策の一つとして改造 しました。実物同様チキへの改造やマリンファクトリーのパーツを用いて一部はそのままの使用を検討していますが 、チキへの改造にはコキ車の短縮が技術的に可能かを検討する必要がありました。そこで、クサ9000を先行試作車として、 チキ5200・コキ60000等を製作する際の工法等を試行してみました。合わせて図面のみで資料が少なく、構造や塗装等が分からなかった 部分が前述のRM等により明らかになったことも製作決定の理由です。ちなみに頼みの綱の父は「う〜ん知らないなぁ。大して 作られなかったんじゃないの(←試作車1両のみですって)」という回答。確かに父が社会人になって直後に製造されて いますので取材等もしていないでしょうし、当たり前という話も。

 車体はコキ10000より模型にして3ミリ程度短いため、短縮を行ないます。車体中央部で切り継ぎました。 なお、あっけなく瞬間接着剤で固定でき、補強等は無くとも製作中の扱いで車体がバラバラになるという事象は起きて いません。台車はワキ10000試作車に用いられたTR94というもので、空気バネ部分がコイルバネになっているようですが、 今回のメインではないので(←面倒そうなので)TR203をそのまま流用しました。

 トレーラ搭載状態として、台枠を掘り下げずに作るというのもアリだと思いますが、荷卸やセミトレーラを外されて 放置プレイされている状態を再現したくてセミトレーラ取り外し可能、中間渡り板可動としてみました。そのため、 車体を切り継ぐ際に、一旦2分割した状態で台枠内側の該当部分を切り取りました。セミトレーラのタイヤ収納部と 斜路部分は二階建てグリーン車一階のバスタブ構造を参考に別製作部品を落とし込む構造にしようと考えましたが、 模型と実物では台枠側面の厚さが異なることから、少しでも側面を薄くする必要があり、車体に作りつけていく構造 としました。また、台枠は近年のNコキ車製品のシースルー化に敬意を表し(?)、同じくシースルーを試みました。

 シースルー化しつつタイヤ収納部を作ることから、まず0.2mmプラ板製の斜路を車体に固定し、その後左右の斜路の間を 0.5mmプラ板より切り出した角材にて梯子構造を組んでいきます。本来はH鋼のようですが、省略です。というのもその部分には 作業用通路を設置するため、シースルー化の意義はあってもH鋼は目立ちません。その後台枠側面にチラっと見えるタイヤ 収納部側面を0.2mmプラ板にて作成し、左右を繋ぐようにタイヤ収納部底面を設置します。ここも本来は斜路同様ただの 1枚板ではなく、骨組み部でシースルーですが、ここで一旦左右の高さを揃える必要があること、側面との強度を考えて 1枚板としています。構造部の完成後に上から角材で骨組みを入れ、作業用通路も設置しています。次にタイヤ収納部終端 ですが、これは模型の台車位置が実物よりも車体中心に寄っていて、思うようにスペースを取れないことや、実車のようにタイヤ形状 に加工するのが難しいことから当初車体上面からタイヤ収納部底面に向かって1枚板を入れました。しかし、シースルー化 が中途半端になることや、車体中央の妙な切欠きを再現できないことから、作り直して斜路同様の角材とプラ板で組んでいく 構造としました。下の画像は片側を作り直す前です。透明プラ板で分かりにくくてすみません。

クサ9000片側斜路作り直し前
クサ9000片側斜路作り直し前

 次に中間渡り板ですが、これは可動とするためのスペースが少なくて何回か試作しましたが、瞬着で真鍮線を 芋付けというのが嫌で中間渡り板裏面の枠組みから割ピンを伸ばし、それをヒンジとして車体上面にやはり割ピンにて 固定した真鍮線と繋ぐという構造にしました。車体側面に割ピンの根元が出てしまうので、処理を検討中です。 パタパタ動き、実車のように走行路にするとツライチに近くなるのは感動です。

パタパタ〜
パタパタ〜

 引き続き中間渡り板のタイヤガイドと隣接車両との渡り板、忘れていましたが手ブレーキの設置を行ないました。 渡り板を畳んでいると1枚高さが高いところが・・・。

渡り板設置

 塗装はコキ10000系と共に行ないました。

上から

 上から見るとこんな感じです。塗装前は透明プラ板だらけでなんだか分かりませんでしたが、まぁまぁこんな 車両だったのかなって感じにはなりました。

 今後、セミトレーラの塗装とディティール加工、専用トラクタ及び日野HEトレーラヘッド、積載用斜路の製作があります。

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