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★☆★☆★☆★☆★☆★ 教室の『読み聞かせ』と『ゲーム』を
☆【教室読み聞かせ】☆ 楽しく行うためのマガジンです
★☆★☆★☆★☆★☆★ ☆発行者 千葉 昌之
☆【教室ゲーム】(^o^)☆ 2001/2/13 10号
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【本日のメニュー】 E‐mail chibacyan@mug.biglobe.ne.jp
1.子どもに「体験談」を話しませんか
2.「感動」する本を読ませたいですね
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こんにちは。ちばちゃんです。このメールマガジンでは、教職12年
目のちばちゃんが、教室で行っている読み聞かせやゲームの実践を通
して、「今の子どもについて」「読書指導」「子どもの遊び」「福祉
ボランティア」等について語っていきたいと考えています。たまには
他の話題も登場しますよ。
私のHPについて2点ほど、述べさせてもらいます。
「ちゃいるどぺえじ」ができました。これは、子ども向けのサイト
で、読書関係のクイズをすることができます。ガネットさんの「エル
マーの○○」シリーズ本のクイズが2ページあります。ぜひ、お子様
にどうぞ。(今後、充実させていきます。)
また、トップページに「掲示板」をつけました。壁紙やキャラクタ
ーが選べるという優れものです。こちらも、ぜひ、のぞいてみて下さ
い。
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1.子どもに「体験談」を話しませんか
▼ 私の住む街「旭川」は、故三浦綾子さんのゆかりの地です。三浦
綾子記念館は、私の職場から5分程の距離のところにありますが、
まだ1回しか行ったことがありません。しかし、2時間近くじっく
りと三浦綾子さんの世界に浸りました。ぜひ、行ってみて下さい。
先日、『氷点』を読み返しました。あらためて「いいなあ」と思
いました。さて今日は、三浦綾子さんの「読み聞かせ」のお話です。
三浦綾子さんは、読書好きだったそうですが、その芽を育ててくれ
たのは、綾子さんの祖母だったといいます。『わが青春に出会った
本』の中で、綾子さんは次のように述べています。
‥‥‥なぜ、私は読書好きになったのだろう。
その最初の芽を育ててくれたのは、祖母だと私は信じている。母
の母であるこの祖母は、母のお産の度にわが家に来ていたし、暇さ
えあれば、忙しい母を助けるために、何丁か離れた所からかけつけ
てくれた。
この祖母は、十年程前、九十六歳で死んだが、私はこの祖母の怒
った声や顔を、全くといってよい程知らない。祖母は、たくさんの
民話や、おとぎ話を知っていて、私の背をなでながら、眠りにつく
まで、話を聞かせてくれたものだ。たくさん知っているとはいって
も、せいぜい十か十五ではなかったろうか。「瓜子姫」「花咲爺」
「猿蟹合戦」などのほかに、ひと口話もあった。
「昔々ね、きゅうりと長靴が川に流れて来たんだとさ。靴の中に
きゅうりが入って言ったとさ。ああ、きゅうくつだ、きゅうくつだ」
とか、
「卵がとっくりの家に遊びに来たんだとさ。卵が帰ろうとすると、
とっくりが言ったとさ。たまたま来たんだもの、とっくりと酒をの
んでいったらどうだい」
などというひと口話があって、これらを幾度聞いてもその度に笑い、
「おもしろい、おもしろい」と喜んだものだ。
山うばが恐ろしい顔で、瓜子姫を追いかけて来る話は、祖母の胸
にしがみついて聞いたし、カチカチ山の兎が狸をやっける話には、
小さな拳を握りしめて、わくわくしながら聞いたものだ。
こうした毎夜の話が、幼い私を、物語の世界に誘っていってくれ
たのは確かである。‥‥
▼ 子どもに読み聞かせをしているみなさんには、うれしいお話です
よね。
祖母の作った「ひと口話」が楽しいと書いていますが、子どもが
1番喜ぶのは、このような話なのです。
私の読み聞かせは、子どもが喜んでいる(かな)と思うのですが、
1番喜ぶのは、私の子どもの頃の話なのです。
流氷にのって海に出た話、ロシア製の魚雷を分解した話、いかだ
が海に流された話、谷に落ちた牛を救出した話、バラ線(わかるか
な)に自転車で激突した話‥‥、このような話をよくします。
義務教育をオホーツクの僻地で過ごした私には、このような話が
たくさんあります。今は、クラスの子ども達が喜んで聞く「財産」
となっています。
子どもは、「成功した話」より、「失敗した話」「怒られた話」
の方が好きなようです。こういう話の方が人間くさいからかなあと
思っています。
みなさんも、子どもの頃の「体験談」をお子さんにしてみては、
いかがですか。これも、立派な「読み聞かせ」ではないのでしょう
か。
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2.「感動」する本を読ませたいですね
▼ 「第21回絵と文による冬休み読書大賞」というコンテストへの
応募を呼びかけました。原稿用紙1枚に感想文を、4つ切りの画用
紙に感想画を1枚かかなければなりません。クラスからは、8名が
応募しました。HP上に感想画のページを載せましたので、ご覧に
なって下さい。「ハリーポッター美術館」といいます。
この中の「光の季節に」という本の感想文を紹介します。本人の
確認がとれていますので、その文を載せます。自分の祖父が亡くな
った体験と本を照らし合わせて、文を書いています。
【 心 の 目 ・ 心 の 声 】
「必ず死ぬということを心の片隅において毎日を大事に生きる」
みさきが、輝の死で絶望の中にいた時、生きる事の大切さをおしえ
たのは祖父だと思います。
私も二年前、一緒に暮らしていた祖父を亡くしました。数時間前
まで元気だった祖父の死が信じられず、「おじいちゃんおきて」と
何度も体をゆすっていました。でも、みさきが輝にもらったローバ
しか心の中を見せる相手がいなかったのに比べ、私の場合は家族と
悲しみを共有する中で立ち直ることが出来ました。そして、今では
祖父との思い出が心の宝物として残っています。
私には、亡くなった祖父とみさきの祖父とが重なって思えます。
「どうした」と声をかけてくれたことが忘れられません。
「愛情とか希望とか心の目で見、心の声で聞かんとわからへんも
のがある」この言葉に感動しました。私も苦しみや悲しみをこえて
一生懸命生きている彼らのような強さとやさしさを持ちたいと思い
ます。
▼ 「山田式読書感想文指導」という読書感想文の指導があります。
今から9年前に私は知りました。それ以来、読書感想文を書かせる
時には、この指導をしています。すばらしい作品が書けるというこ
ともそうですが、「どの子も書ける」という事実に、やってよかっ
たという充実感が残りました。
現在、実践をHP上にまとめているところです。簡単に説明する
と、次のようになります。
●子どもに「感動」した本を選ばせる。「感動」なしには感想文は
書けない。
●原稿用紙を3色、用意する。
●1色目は、作品の感動した部分を書き出す。2色目は、作品にま
つわる「自分の体験」を書く。3色目は、1色目と2色目の原稿
用紙を見ながら、感想文を書いていく。
つまり、作品の感想と自分の体験を交えながら、感想文を書くと
いうことです。
▼ 「感動」という言葉はあまり使いませんが、みなさんはどのよう
な時に使いますか。少し古くなりますが、昨年、私は「アイ・ラブ
ユー」という映画に感動しました。忍足(おしだり)亜希子さんとい
う、北海道の千歳出身で聾者のヒロインということで話題になった
映画です。(『女優志願〜母と娘の歩いた道』ひのくま出版 は、
彼女の半生を綴ったものです。ご両親の姿に感動しました。)
この映画で、娘を産んだことで母親の耳が完全に聞こえなくなっ
てしまうという事実を、当の娘が知ってしまう場面があります。娘
は「お母さん、ごめんね」と泣きじゃくりながら走り出します。聾
者の母親がそれに気がつき、娘をおいかけます。そして、追いつい
て娘を抱きしめます。
もう、この部分は、涙ボロボロです。何に感動したかというと、
「親子の姿」です。自分の息子にダブらせてしまったのです。
テレビや本で、親や子どもが亡くなってしまった話があると、も
うだめです。見てられないし,読んでいられません。自分に照らし
合わせてしまうのです。
▼ 「感動」するということは、それを受け入れる何かが自分の中に
あるということだと考えます。似たような体験・似たような境遇・
これから自分にも起こり得る事実‥‥、こういうものが自分の心の
中にあり、読んだ本に共感のようなものを覚えるから「感動」する
のだと思います。
余談になりますが、1児の父親となり、息子を保育園に入れて2
年半がたちました。保育園の先生に「お世話になっています」と頭
を下げたり、子どもが頭突きで他の子を泣かせ「すみません」と園
の先生に言い、「元気があっていいですよ」と言われほっとしてい
る時など、つくづく保護者なんだと思います。
つまり、「保護者」の思いが共有できたわけです。自分が保護者
になるとならないでは、これほどまで子どもに対する気持ちが違う
のかと思いました。クラスの子どもに対する思いも少し違うのです。
新卒の頃、「自分の子どもが生まれたら、学級経営少し変わるよ」
と年配の先生に言われ、「何だよ、学級と自分の子とは別だから、
関係ないんじゃないのかな」と思いました。しかし、今になって、
分かりました。あの時の年配の先生の言葉が。何せ、私自身が若い
先生に「自分の子どもが生まれたら、クラスの子ども達の見方が少
し変わるよ」といっているのです。
自分が体験してみて、初めて分かることって、結構あるのです。
▼ 山田氏もかつて、読書について、たくさん読ませること、時には
読み聞かせをして、できるだけ多く本に触れればよいと考えていた
そうです。
しかし、現在は読書感想文の指導が、学級集団づくりにも役立つ
といっています。すごいですね。私は、そこまでは、未だできませ
ん。山田氏は、次のように言います。
‥‥1冊の本との出会いがその人の出会いがその人の考え方を変え、
人間を、おぼろげながら感じてはいたものの、目の前の子どもが、
それをやってみせた時、はじめて「本」の価値を知らされた思いが
した。‥‥
▼ こんな実践、一度でもいいからやってみたいなあ。
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第10号の「教室の読み聞かせ・ゲーム」はいかがだったでしょう。
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しています。