機種別攻略編

天草降臨は様々なハードに移植されている。

それらの移植版一つ一つにスポットを当ててみた。

 

 

MVS版 サムライスピリッツ天草降臨

移植先

ネオジオ(MVS)
発売日 1996年10月25日
定価 118000円

ご存知元祖、アーケード版である。容量は378メガと1996年に発売されたネオジオソフトではKOF96に次いで第二位。基本的に基盤というものは発売してからしばらくたつと大きく価格が変動する。MVSも例外ではなく、今現在秋葉原の基盤ショップを探せばなんと500円前後で入手可能。ここはひとつ本体ごと購入と言うのも一つの手かも。

 

 

ネオジオ版 サムライスピリッツ天草降臨
移植先 ネオジオ
発売日 1996年11月19日
定価 32000円

<長所>

・アーケードとほぼ同じ。

ネオジオ最大のウリである。家庭で快適な対戦がしたければ迷わずコレ。

<短所>

・対戦、プラクティスモードがない。

対戦モードがないのはチト痛い。CPU戦に乱入し続ける形となる。よって、勝った側がキャラを変えたい時はリセットあるのみ。プラクティスモードが無いのも初心者には辛いかも。これほどプラクティスが必要なゲームも無いと言うのに・・・。

 

 

ネオジオCD版 サムライスピリッツ天草降臨
移植先 ネオジオCD、ネオジオCDZ
発売日 1996年12月27日
定価 6800円

<長所>

・ 斬紅郎が使用可能

対戦のみランダムにカーソルを合わせてDボタンを押しながら決定で斬紅郎が使用可能。

・音楽CDとして使う

ネオジオCDのBGMは基本的に全てCDDA形式で構成されてるのでCDプレイヤーで直接聴く事ができる。1トラック目はデータが入ってるので再生しないように。ちなみにBGMは全てアレンジされている。

・全機種中最も音がクリアー

個人的趣味。・・・いや、単に他の機種がヒドすぎなだけなんだけど。SS、PSは問題外だし、NGは基本的にモノラルだし。あの斬り技をガードしたときの「カキーン」という音がスキなんで・・・。

<短所>

・音声が一部削られている

この頃からNGCDのボイスの削除が顕著になってきた。例えば羅刹覇王丸の勝利ゼリフ「勝つってのはいいことだぜ!」がタダの「フン!」になってたりする。

・プラクティスモードが使えない。

やっとプラクティスモードがついた・・・と思ったら相手のガード、ヒットガードの選択が無いので繋がってるのか不明、立ち、しゃがみ、ジャンプの切り替えもなく相手はただ棒立ちのまま、オマケに体力ゲージすら表示されないのでどれだけ減ってるのか皆目見当がつかないと素晴らしい内容であった。・・・まあ無いよりはマシだが。

・そもそもハード自体がダメ。

ミもフタもない結論。つーか真理。当時ほぼ定価の49800円で購入して泣いた(当然フロントローディング)。そもそも天草降臨の時点で容量不足なんだから。そりゃ餓狼も出ないわ。が、フロントローディングのみCD−Rにバックアップしたソフトを動かせる事を知っている人は割と少ない。全部動くというワケではないけど。

 

 

SS版 サムライスピリッツ天草降臨
移植先 セガサターン
発売日 1997年10月2日
定価 5800円(拡張ROM付きは7800円)

SS版の自決、武器捨てのボタンは弱斬り+蹴り。

斬紅郎は対戦、プラクティスのみ使用可能でランダムでYを押しながら決定

<長所>

・プラクティスモードが全機種中一番使える。

前述のNGCD版のプラクティスモードの問題点がすべて解消されている。ヒットガードがあるのが特にありがたい。又、設定で武器飛ばしがボタン一つで出来るのも良い。連続技の実験の時に役に立つ。

・NG以外で移植された機種では一番ロードが短い。

さすがは拡張ラム・・・とはいっても焼け石に水的な早さだが。

<短所>

・処理落ちが極悪。

サターン版最大の問題点。普通にプレーしてるときはあまり問題が無いのだが連斬をやると一気にスローになる。おかげでNGのタイミングより遅く入力しなければならない。特に骸羅や斬紅郎などデカキャラを使った時はすさまじく、コイツらの同キャラ対戦では本当にスローモーションを見てるとしか思えない。

・音の劣化が凄い。

天草降臨に限らず、SNKの移植作全てに言える事。声はマジでダミ声。効果音もくぐもった感じになってしまってる。

・4M拡張ラムが使えない。しかも認識しづらい。

コレより前にちゃんとヴァンパイアセイバー出てるのに何で4M使えませんか。しかも俺の家の黒サターンではいよいよ拡張ラムやパワメモリーが認識しなくなってきた。これらは奥までちゃんと差し込むのではなく、ちょっと浮かし気味に差すのがコツ。

 

 

PS版 サムライスピリッツ天草降臨スペシャル
移植先 プレイステーション
発売日 1997年12月25日
定価 5800円

PS版の自決、武器捨てのボタンはセレクトボタン。断末奥義のボタンは□。

<長所>

・チャムチャムが使用可能。

PS版のみに登場の完全な新キャラ・・・なのだがグラフィック、音声共に殆どが真の使いまわし。つーかなぜにチャムチャム?

<短所>

・チャムチャム、斬紅郎共にVSモードのみしか使えない。

プラクティスでも使えないとはこれいかに。

・ロードが激長。

しかも我が家のプレステ(縦置き)ではロード中に止まってくれるおまけ付き。

・「1本目、勝負」で勝負できない。

初めてやった時唖然とした。「勝負」と共にローディングで止まる。そしていきなり始まる。SFC版ストZERO2か。

・怒り爆発でロード。

↑よりは気にならないが、なんか違和感がある。

・プラクティスの「即死」が意味なし。

なんとプラクティスに即死コンボを演舞してくれる機能があるのだが・・・・ほとんどが有名なモノばかり。しかも無限段もアリ。困った事に死ぬまで永遠とやっているのでリムルルの13斬止めなんかメチャ長いです。しかも途中でキャンセル不可。さらに笑うのが一部の連続技は条件が変わると(例えばキャラが変わる)入らない&死なない事が。特に修羅破沙羅は必見。意味なしです。

・スティックの時のボタン配置がダメ。

ボタンの配置が4つのボタンの中でしか変更できない(つまりL1なんかにボタンを割り振れない)。そのためスティックを使用したときにネオジオのような横一列配置が出来ない。俺は横一列派なので耐えられませんでした。

・モーションが削られている。

ある意味PS版最大の目玉。そのおかげでSS版のように処理落ちはしないのだがまず動きがやたら不自然に見える。特に破沙羅は痙攣してるようにしか見えない。さらに恐ろしい事にモーションが削られる事によりNG版ではできない連続技が成立してしまったり、逆にNG版で出来たモノが出来ないという現象が稀におきてしまう。あと、連斬のタイミングがSS版以上に違う。全員同じタイミングで入力が可能なのだ。つまりPS版で慣れてしまうとおそらく幻十郎あたりの14連斬がNG版だと出せなくなる恐れアリ。マジで感覚違うし。

・もはや別のゲーム

結論。PS版で練習してもNG版やゲーセンでは全く役に立ちません。それを覚悟で購入を。

 

〜補足・SS版、PS版のシステム的な違い〜

SS版、PS版のみ一閃が通常技キャンセルで出せる。又、ネオジオ版などでは連斬が途中で ガードされると次斬が出せなくなるが、SS版、PS版だと途中でガードされてもガードの上から 連斬を続ける事ができる。反撃さえ受けなければ14連斬を出しきって怒る事もできる。

 

NEORAGE版
移植先 WINDOWS
発売日
価格

ちょっとこれは特別。要は「エ〇ュ版」というヤツです。よって正式な製品というワケではありません。とりあえず紹介という事で。詳しく知りたければ検索エンジンに「NEORAGE」とでも入れればいくらでも解説が載ってます。そちらを参考にして下さい。なお、人斬りBBS等にはなるべくNEORAGE版の事は質問しないで下さい。

<長所>

・リアルタイムセーブ・ロードが可能

NEORAGE版最大のポイント。要は「どんな所でもセーブ&ロードが可能」なわけだ。例えば自分が瀕死等の条件を揃えて怒り爆発して、その瞬間にセーブ。そして連ねの練習でもして失敗したら即ロードでまた怒り爆発の瞬間に戻る等色々な事ができる。うまく使えばとても優秀なプラクティスモードとして活躍してくれる。

・CPU戦で斬紅郎が使用可能

デバックスイッチを押す事によりCPU戦でも斬紅郎が使用可能。そのかわり敵が全部修羅覇王丸になる、かならずタイムアップという欠点がある。

・魅惑の別世界へようこそ。「アナザー天草降臨」(仮)がプレー可能。

上と同じくあるデバックスイッチを押すことによりなんと全ての通常技、ダッシュ攻撃にキャンセル、空キャンセルをかけられるようになってしまうのだ!!初心者がやってもあまり変化が分からないと思うのだが、ある程度やりこんだ人がプレーするとこれほど面白いものはないだろう。まず、全ての通常技、ダッシュ攻撃に回り込みによるガード不能化がかけられるだけでもデンジャラスである。特に熱いのは長年の夢、強斬りにキャンセルをかけられる事だろう。ほとんどのキャラで強斬り→武器飛ばしが安定して繋がるのがスゴイ。さらに強斬りを避けでキャンセルしてスキを無くす事により、キャラによっては驚天動地な連続技を造り出す事ができる。特に強斬りが二段技になってるキャラは極悪でタイミングによっては強斬り→避け→強斬りが永遠に繋がってしまう場合もある。もはや避けが一種のロマンキャンセル状態。例えば羅刹右京で相手は骸羅、画面端、背面限定で近しゃがみC(2HIT)→避け→近立ちC(2HIT)→避け→ダッシュC→キャンセル雲雀→遠しゃがみC→キャンセル武器飛ばしとか天草降臨の常識を遥かに超越した夢のコンボを造る事ができる。正に可能性は無限大である。自称天草降臨は今でもやってるぜ、特に連続技ならまかしとけ!な人はぜひ一度プレーしてみましょう。感動します。・・・ただし、所詮は一種の「裏技」なので興味本位でちょこっとプレー、ああこんなものか程度に抑えておくのをオススメします。基本的にゲーム性を大きく破壊してるワケですから。

・要はデバックスイッチを利用して色々な事ができる。

そういうことです。確認した結果上記のアナザー天草降臨のほかにいつでも武器飛ばしが使用可能、断末奥義を発生させない、謎の数値が出現、体力が減らなくなるなどかなり色々な事ができる。

<短所>

・処理速度が違う

パソコンのスペックにもよるが全体的に少しだけ処理が早い。よって目押し等のタイミングがNG版より早くなる。リムルルでダッシュB→14連斬をやってみるとよくわかる。NGのタイミングではまず入らない。

・コマンド受付が若干シビア

これもそのパソコン毎に変わると思うのだが・・・。我が家では明らかにそんな感じがする。

・基本的に色々な知識が必要

要はパソコンなワケだから当然。特に初心者がやろうとするとイタイ目にあう可能性大。

 

補足・デバックモードについて
デバックモードはNERAGEだけではなく実はネオジオでも可能である。ただし、そのためにはデバックBIOSを搭載した特殊なデバックNEOGEOを入手しなければならない。このデバックNEOGEOは非常にレアで、現在ほぼ入手する事は不可能と言ってもいいだろう。よってデバックモードを試すならNEORAGE版の方がまだやりやすい。こちらも色々と専門的な知識が必要ではあるのだが。

 

<総論>

やはり総合的にネオジオ版が一番オススメできる。ネオジオの市場が縮小されてしまった今、天草降臨のROMカセットは中々入手できないのが残念。あったとしても20000円ぐらいが相場のようだ。どうしてもほしいという人はネットオークションを利用するという手段もある。確実性は一番高い。SS、PS版は街の中古屋でも探せばいくらでも入手する事ができる。価格も大体お手ごろ、特に最近はSSは捨て値で叩かれてる事が多いのでチャンスだ。NGCDは・・・ある意味絶滅保護で買ってやると言う事で(笑)。というわけで、ネオジオマニアな俺としてはぜひネオジオ版を買って欲しいところだ。当然本体込みで。ちなみに我が家のネオジオ版はおそらく1プレイ100円で換算すると優に100万円分ぐらい遊んでる。一日6時間対戦なんてザラな時期があったし・・・。

 

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