時は2001年。
1999年末に発売された蒼紅の刃からサムスピの新作とかの話題が一切無くなり
サムスピ界では正に暗黒時代が到来しようとしていた時。
その情報はサムライファンを震撼させました。
なにやらPCのゲームでナコルルが主人公のゲームが出るらしい。
な、なんだってぇー!!!!
驚く事になんと開発はSNKではなく謎の会社「インターレッツ」の「ナコルル制作委員会」。
発売はこれまたSNKファンには聞いたことが無い「シャルラク」。
第一報が出た時からネットやサムライファンの間では 「ナコルルのエロゲーですかこれは。」「いや、一般作だ。」
「遂にSNKはサムスピの版権を売却したのか」「キャラの版権を1キャラいくらで売った」とか様々な憶測が行われました。
しかし何やら事情で別の会社の製作になってるが、ナコルルやリムルルのキャストはゲームそのまま。
そして公開されてるスタッフ情報であの北千里先生も居る!!!これはなかなか期待できるんじゃないか!!!???
と氷河期にさしかかろうとしていたサムライファンの期待は高まりました。
しかし媒体がwindowsゲームでアダルトではなく一般作。
そのため雑誌とかで情報がなかなか掲載されずに時は過ぎていきます。
そして2001年7月6日。運命の発売日を迎える事になります。
それではここに記しておきましょう。「あのひとからのおくりもの」とは何だったのかを…。
【ゲーム全体について】
ゲーム自体は実にオーソドックスなアドベンチャータイプ。
時たまミニゲームが挿入され、物語を楽しむタイプのゲームです。
シナリオ的には少し短く、5〜6時間もプレーすればエンディングまでたどり着けます。
物語は全部で8章構成となっていて、
第一章 雪深き里に美しき風
第二章 巫女の背に雪が降る
第三章 雪解けは微笑みに似て
第四章 白詰草が春風に謡う
第五章 夏の日差しと姫一花
第六章 薄雲が風に千切れる
第七章 再び巫女は白い闇へ
最終章 淡雪は春を信じて
となっています。
しかし・・・このゲームは物語を楽しむ以前にとんでもないワナが待ち受けていたのです。
それはバグの嵐!!!
人のPC環境によってだいぶ変わるのですが、まず「セーブデータをロードできない」という現象が頻発!
アドベンチャーゲームでこれは致命的です。
その他でも特定のミニゲームでゲームが強制終了するという現象までもでる始末。
当然ながらパッチが配布されましたが、パッチ適用後もロードが出来ない現象は残る人もいて正に阿鼻叫喚の状態に。
そのため一部の人はこのゲームをノーセーブで攻略せねばならず、
分岐とかを確認するのは全て最初からプレーしないといけないという拷問状態になったのです。
中でも地獄だったのがミニゲームで失敗すると即BADENDのポイント。
一瞬で数時間のプレーが灰燼と帰すために、正真正銘命がけでミニゲームに取り組むハメになったのでした。
【ミニゲーム】
ゲーム中にミニゲームのようなものが挿入されます。
上の画像はマナリと一緒に楽器を弾いてある曲を再現するというもの。
いきなりマナリが「キーボード」とか喋りだすのでその落差と違和感にズッコける事間違い無し。
ヤンタムゥと一緒に魚釣り。
ウキが沈んだ瞬間にクリックという実にオーソドックスなもの。
ポイントなのは大物を釣り上げた時にいちいちホクテが「なにぃ!」とキャプ翼ばりの驚きを連発する事。
後述しますが、ホクテのボイスパワーの力もあって異様に耳に残ります。
と思ったらタイピングゲームまであります。
またもやマナリと一緒に今度は歌の歌詞を再現するというもの。
・・・これらのミニゲームなんですが、最大の欠点がミニゲーム自体がゲーム進行の足かせにしかなってない事。
上のタイピングゲームや楽器は失敗しても何もペナルティとかは無いです。そして何度でもやり直せる。
そしてクリアしない限りシナリオは先に進みません。
しかもそんなものがエンディング直前の最終決戦で挿入されたりと激しくガックリ。
釣りとかレラとの特訓ゲームなんかは見れるCGが増えたりルート分岐のカギだったりしますが、所詮その程度。
しかし、その中でも唯一の例外が存在します。
それが…熊。
瘴気によって暴走した熊を退治するというミニゲームなんですが…なんとこれ失敗=即ゲームオーバー。
別にミニゲームの前にセーブしとけば大丈夫じゃんと思った方、甘い。
このゲームではセーブデータがロード不可というバグが標準搭載されてるのでそんなの無駄無駄無駄ァ!!!
これで熊退治ミニゲームでの死=またゲーム最初からという恐怖の図式の完成である。
そしてこの熊退治、結構難易度が高く一回目は「え?」って感じで割とアッサリと負けるんですよ。
多くのプレイヤーを絶望のどん底に叩き落したこの熊こそこのゲーム中最強の存在と言っても過言では無い。
いや、マジで。
【BGM】
これは手放しで絶賛してもいいレベル。
全体的にクォリティの高い曲が揃っており、中でも旧作曲のアレンジ「自然の宴」シリーズはかなり良い出来。
リムルルのテーマでもある「紗雪」のアレンジもうまい。
音楽がうまくゲームの世界観を作る事に成功していると言えるでしょう。
残念なのがサントラの類が一切発売されていない事。
しかしDISC2がそのままCD-DA再生となっているのでパソコン上などでDISC2から直接聞くことが可能。
ちなみに初回版は作中で使われたボーカル曲が収録されたCDがついてますが・・・。
こちらはあえてコメント不可の方向で。特にマナリの歌なんかは逆に洗脳されかねない危険な歌。
それではキャラごとに見所ポイントなんかをまとめて紹介。
【ナコルル】
このゲームの主人公はオリジナルキャラのミカトですが、
タイトルにナコルルの名前がある以上、当然メインはこのナコルルさんのはず。
そんなナコルルさんが天草四郎時貞を倒し、村に帰ってくる所から物語は始まります。
なのですが・・・。
後頭部でかっ!!!
初登場したナコルルさんは何故か後頭部がやたらとでかい印象を受けた。
村に帰ってきたナコルル。戦いは終わり、穏やかな暮らしが始まります。
しかし、ナコルルの親友でもあるマナリやヤンタムゥはなんか以前のナコルルと違う雰囲気を感じ取ります。
以前はよく笑顔を浮かべていましたが、帰ってきてからは何か悩んだような微笑を浮かべるだけ。
いったい旅先でナコルルに何があったのでしょうか???
そのナコルルの変化は旅先で多くの命を奪った事に起因していました。
自分の行為は正しかったのかをとにかく悩むナコルル。
自問自答を繰り返し、一人で悩み続けます。
・・・正直な話、このナコルルはこの作品で最も共感が持てないキャラと言えます。
ナコルルはとにかく悩みます。悪い言い方をすればずっとウジウジとしていて見ててウンザリするのです。
そんなナコルルに対して現れた謎のキャラ、レラ。
彼女は悩みません。ナコルルへの自問に対し竹を割ったように明快な回答を出し、
(その回答が正しいかは別問題ですが)、そして行動していきます。
いつまでも悩み続けるナコルル、明確な自分の意思・信念を持ち行動していくレラ。
この時点でプレイヤーとして見てて共感できるのは圧倒的にレラの方なのです。
このゲームでレラの印象が物凄く強いのはそういった事も作用しているんじゃないでしょうか。
あと悪かったのが、ナコルルが本当に最後の最後までこの悩みモードだった事でしょう。
結果的においしい所は全部レラが持っていってしまいました。
ナコルルにしては珍しくサービスシーン。
儀式の沐浴中に「くっきりハッキリ透けて見えた」そうで。
しかし、この後のOVAでナコルルさんが本当に「脱ぐ」なんてこの時点で誰が想像出来たんでしょうか。
もはやサービスとかを通り過ぎた姿に誰もが「売れなくなった女優は脱ぐしかない」というフレーズを頭に浮かべました。
秋の祭りでもあるイトカイナの儀式用の衣装。
この頃になるとヤンタムゥやマナリとの関係に変化がおきたりし始めるんですが・・・。
それでもまだナコルルは心の片隅で悩んでいます。いいからさっさと吹っ切ってくれ!と感じたのは自分だけ?
悩み続けるナコルルさんですが、状況は一気に変化。
出現した新たなる「魔」。瘴気に汚染されていくカムイコタン。
そしてナコルルはその新たなる「魔」を討つために再び旅立つ決意をします。
しかし、こんな時になってもナコルルは自分の中で悩みに回答を出す事が出来ませんでした。
最終決戦の時でもナコルルは迷い、躊躇します。それがどのような結果を招くか知らずに・・・。
・・・とにかく最後の最後まで悩み続けるばかり。
そんなナコルルに共感しろという方が難しいってのが自分の正直な感想でした。
そのためこの作品の中でも割と印象が薄い感じがします。
対比キャラであるレラの方が見てて実に共感できる言動を取っているのも逆にマイナスポイントになってしまいました。
そんなナコルルに訪れた結末も、「そんだけ悩んでりゃ当然だよなぁ」と感じてしまったのも痛い。
逆に言えば、本当に「ナコルル」というキャラを扱うのは難しいと思うのです。
イメージが固まりすぎているというか何と言うのか。そんな事を痛感した今作でした。
【リムルル】
サムライファンの誰もが最初このゲームのリムルルを見て思ったんじゃないでしょうか。
偽者だろこいつ!
リムルルの登場は第二章からになるんですが・・・登場の瞬間からとてつもないオラオララッシュを仕掛けてきます。
しょっぱなからコレです。
全国のリムルルファンはそのぶっとんだテンション&傍若無人なキャラ立てのリムルルに頭を抱える事になりました。
あと、その特徴的すぎるキャラデザも頭を抱えた原因の一つだったかと。
主人公・ミカトには完全に弟分扱い。
ちなみに声はポリゴン以来からの続投で神谷けいこ。あの声で上のマシンガントークが飛んできたりすると・・・。
その・・・何というか・・・。
そしてどうやら料理がうまいという設定。対する姉は「ラタシケプ」以外は殺人料理を作るらしい。
今回のこのゲームではリムルルの直接的な戦闘シーンはありません。
使った技もおふざけで使ったルプシカムイエムシぐらい。ちょっと残念。
あと、ゲーム中でやたらと恋愛に関して耳年増という事も判明。
そしてどうやらナコルルが不在の時の武者修行の旅先で何やら気になる人がいたらしい。
はてさてその人はいったい誰なのだろうか?
そんなリムルルさんの恋愛観。
とにかく強い人、大人っぽい人、・・・コンルシラルを100発くらって平気な人。
そんなヤツどこにもいねぇー!!!!というか旅先で出会った人気になる人はシラル100発に耐えたというのか。
すごい漢だ。
ちなみに中盤の隠れ分岐でリムルルが主人公と一緒にお風呂に入るという凄まじいイベントがあったり!!!
そーいえば武士道烈伝でも水浴びの隠れイベントがあっなぁ・・・。
もしかしてサービス担当ですか?リムルルさん。
しかし、この頃になるとこの傍若無人リムルルもなんとなく慣れてきてしまってるのが不思議。
これはこれで愛着が持てるキャラだったりするのですよ。
全世界のリムルル大好きっ子のみなさんのために鼻歌まで披露してくれます。
ありがとう!ありがとうリムルルさん!
基本的にギャグ担当キャラですが、ラストはキッチリ締めます。
全ての元凶が判明してそれを討つために1人旅立とうとするナコルル。
その前にリムルルが立ちはだかります。血の繋がった姉妹だからこそ退けない一線。
しかしナコルルの決意は固く、結局止められないリムルル。
そのナコルルに言われたのはカムイコタンを―ナコルルの帰るべき場所を魔の手から守る事。
リムルルは泣きながらナコルルを見送ります。カムイの巫女、ナコルルの妹として村を守護する立場となって。
その後のリムルルがどうなったか・・・それはエンディングでほんの少しだけ描写されます。
正直ちょっと首を傾げる部分もあるんですが・・・それは主人公「ミカト」の項目にて。
個人的にですが、何だかんだいってこの「ナコりもの」のリムルルは結構好きです(笑)。
しかし、この世界では純粋にナコルルと血が繋がっている設定みたいです。
もうここらへんの設定は作品によってパラレルしまくりですね。
実はこの作品ではナコルル&リムルルは血が繋がってますが、2人の実父、実母は子供の時に他界してます。
それでこの2人を引き取ったのがカムイコタンの巫女だったわけです。
だからナコルルも母の呼称は「義母様」となっています。
・・・しかし、そうなるとナコルルの巫女の力はどこから来たのでしょう?
幼い頃死別した両親が偶然に巫女だったという事でしょうか?
【レラ】
さぁ出ましたこのゲームでの一番人気(偏見)、
零以降のシリーズでなんとプレイヤーキャラまで昇格してしまった謎の少女、レラさんです。
ナコルルが村に帰ってきて今まで通りの生活が戻ると誰もが信じていたその時。
村が一望できる崖の上からナコルルを嘲る謎の少女。それがレラさんの初登場でした。
そんな謎の少女は主人公、ミカトとの邂逅を果たします。
暴れ熊に襲われたミカトを颯爽と助け出すレラさん。ナコルルとは違って容赦なく熊を短刀で一撃。
謎の少女はミカトに戦う事の必要性を説きます。
ミカトもそんな謎の少女の考えに共感し、戦いを嫌うナコルルに秘密で彼女に戦い方を教わる事になりました。
ひょんなことから何とも奇妙な師弟関係の誕生となったのです。
ここでまたまたミニゲーム登場。レラとシクルゥとの特訓ゲームです。
画面で何が起きてるかは分からないので説明すると、画面の両脇からシクルゥが突進してくるので
その逆の方向に移動してシクルゥを回避するというもの。
この判定がかなりシビア。この成績はレラの好感度に関係してくるので死ぬ気で頑張りましょうw
特訓も数回目になり、そういえば師匠の名前も知らない事に気がつき尋ねてみると
なんと名前が無いという事実が判明。それでは不便と思ったミカト、謎の少女に名前を贈る事に。
「レラ」、誕生の瞬間。
名前なんて必要ないと言った彼女ですが、満更でも無さそう。
その後もレラとの修行は続きます。シクルゥだけではなくレラも特訓に参加。
特訓中になんか実に羨ましいアクシデントなんかもあったりー!!!
しかしレラさん、ぺったんこなのかグラマラスなのかイマイチわかりません(最悪だ)。
余談ですが、この作品でのレラの声優はナコルル役の生駒治美さん。
零以降からレラ=氷上恭子さんという認識がありますが、実はそれはこの後出るOVAから。
この作品でも氷上恭子さんは出演していますが、レラ役ではなくナコルルの母親役です。
実は氷上恭子さんは一回だけリムルルの声優を担当した時があったりします。
サムスピクイズの一種でリムルル役の声優を6人挙げよと言われたら、
間違いなく氷上恭子さんが最も正答率が少ないと思います。逆にそれに答えられたらかなりのリムマニア。
(正解は桜井智、松本恵、氷上恭子、神谷けいこ、生天目仁美、釘宮理恵)
奇妙な二人の師弟の絆はしっかりと深まっていきました。レラさんもミカトが来るのが楽しみで仕方が無い模様。
・・・零シリーズでも実はリムルル萌えという最強の属性を持ってたレラさん。もしかして結構子供好き???
そして遂にレラさんと特訓だけじゃなくデートまでするようになったりー!!!
立ってるよ!フラグ立ってるよレラさん!
この頃になるとナコルルそっちのけでレラさんの存在感が圧倒的なものに。
そんなラブラブな状態も長くは続かず、戦い方の特訓とレラの存在がナコルルにばれてしまいます。
真っ向から衝突するナコルルとレラ。
・・・しかしナコルルの項目で書きましたが、お互いの主張で説得力があるのはレラの方なのです。
ミカトに戦うという事をちゃんと自分で選ばせて、さらにレラ自身でミカトを鍛えていったレラ。
ウジウジと悩んでばかりで、理由も明かさず争いを一方的に否定するナコルル。
プレイヤーとして共感できるのはどう見てもレラの方です。ここらへんのシナリオ展開がもう少しうまくいっていれば・・・。
あと、レラの主張はそのままプレイヤーが思っていた事の代弁になっているのです。
悩んでばかりのナコルルを見て誰もが思っていた事を、レラはほぼ全部指摘してくれます(笑)。
さて、根本的な問題ですが結局「レラ」は何者だったんでしょうか?
作中で一応の説明はありますが、少々はぐらかされた感もあります。
結局なんで「二人に分離」したのかは謎のままでしたしw
そしてナコルルとの衝突後にレラの好感度が高いと、何とレラエンディングへの分岐がががががが!
今までのカムイコタンでの暮らしを全て捨てて、レラと共に「魔」を討伐するために生きる修羅の道。
その選択をレラはミカトに持ちかけます。そしてできれば自分の事は忘れてカムイコタンへ戻れとも言います。
しかし、「弟子」としてのミカトが選んだ道はもう決まっていました。
ナコルルとカムイコタンの人々に背を向けて、レラとミカトは旅立ちます。
物語は途中で終わってしまうので扱いとしてはバットエンドなんですが、何故かどこか共感できるエンディングでもあります。
二人がこの後どこへ行くのか。それは実際にゲームをプレーしてみて確かめてみて下さい。
サムスピファンへのちょっとしたサービス要素も入ったラストシーンです。
しかし、本当に「主人公の師匠」というポジションでおいしいところを全部持っていってしまいましたw
ナコルルと違ってミカトをちゃんと導いたというのがやはり大きい。
作中でミカトへの格言めいたアドバイスも多く、とにかく印象に残る役回りでした。
最終決戦の際もミカトにアドバイスをしたのはナコルルでレラでしたし。
本当にいい師匠でしたレラさん。
人生の岐路に立たされたとき、自らの力で未来をつかみ取る力がなければ、それで終わり。
人は必ず、独り立ちしなければならないのよ。他の、すべての動物と同じように自らの力で生きていかねばならない。
ミカト、強く生きていきなさい。あなたは独り立ちするための力を得る事になるわ。
それは私が認めてあげる。ナコルルはそれを分かろうとしない。ただ叶いもしない奇麗事を追い求めてるだけ。
これだけは覚えておきなさい。戦う事を捨てるのは、生きることを放棄したのと同じ。
優しさという「臆病さ」に・・・まどわされないで。
【マナリ&ヤンタムゥ】
この「ナコりもの」のみのオリジナルキャラな二人。
そして物語の中核を担う事になるキャラでもあります。
ヤンタムゥはやたらとノリの軽い普通の村の青年、マナリは歌が大好きなやはり普通の村のドジな少女。
そしてこの二人とナコルルは幼馴染で子供の頃からよく遊んだ仲、といった位置付け。
ヤンタムゥのCVは子安武人さん。もう説明不要の有名な人ですね。
キャラ的にヤンタムゥはかなり軽いノリの兄ちゃんって感じです。
マナリとかをからかう事も日常茶飯事。でも客観的に見ればどう見てもマナリとは相思相愛のいい仲。
色々な事に失敗するマナリにさりげないフォローを見せたりと、いい感じのお二人です。
マナリのCVは川澄綾子さん。こちらももう説明不要。
タイミング的にもPS版のToHeartが出て神岸あかり役で一気にブレイクしたあの頃です。
しかも今回もこの作品ではドジっ娘幼馴染キャラ。完璧です。鉄板です。声がどう聞いても神岸あかりにしか聞こえないです。
さらにゲーム中に熊と意思の疎通を図ろうとして熊語を話そうとするあたりどう考えても狙ってるとしか思えません。
マナリは設定的には村を代表する「歌い手」の家系の少女。
歌は大好きでちゃんとうまいけど極度のあがり症で、人前では全く歌えないという事で困っています。
しかしこんなヒロイン級キャラ三人が一堂に会するカムイコタンっていったいどんな桃源郷ですかー!!
ちなみにこのマナリさん、カプコンから出たカプエス2にもナコルル登場デモで友情出演。
なんだかんだでこの「ナコりもの」を代表するキャラの一人なのです。
軽い男と思われてたヤンタムゥですが、マナリだけでなくしっかりとナコルルの事も見ていました。
誰もが感じていた、天草討伐から帰ってきたナコルルの変化をいち早く感じ取りその感情をナコルルにぶつけます。
本音の感情をぶつけて来るヤンタムゥ。そんなヤンタムゥにナコルルの感情にも少しずつ変化が。
どうやらヤンタムゥの事が気になるようになって来たみたいです。
ちなみに青いニンジャさんこと、ガルフォードの立場はこのゲームにおいてはかなり軽い扱い。
ナコルルの回想でちょっと気が合う友達程度の扱いを受けています。
まぁアスラ斬魔伝のEDで名前すら覚えられていなかったガルフォードさんですから仕方ないかも。
村の歌い手を母に持つマナリですが、実は義理の母だったという事が判明。
どうやらマナリも「巫女候補」の一人だったようです。
巫女候補という事はもしかしたらナコルルのようにカムイの力を行使する事が出来たのかも。
ヤンタムゥのおかげで以前のように本当の笑顔を浮かべられるようになってきたナコルル。
季節は巡り秋の祭り、「イトカイナ」の時期がやってきます。
そして若者の間ではイトカイナは好きな人に告白するという祭りらしいです。
幼馴染として過ごしてきた3人に大きな変化が訪れようとしていました。
この時点でナコルルの心もかなりヤンタムゥに傾いていました。
しかし、そんな事も知らないマナリはナコルルにヤンタムゥが好きだと言うことを打ち明け、
イトカイナでの告白を手伝ってくれとナコルルに頼みます。
一瞬呆気に取られるナコルルですが、幼馴染の親友の頼みは断れません。
マナリに協力する事になります。
そしてやってきたイトカイナ。
しかしそこでアクシデント発生。歌い手であるマナリの母親が倒れて突然歌えなくなってしまいました。
そこで代役を、という事で白羽の矢が立ったマナリでした。
当然マナリは出来ないと主張しますがヤンタムゥが「お前ならば出来る!」と励まし、歌う事を決意。
自分が大好きなヤンタムゥのために歌うマナリ。
そして人前で歌ったマナリの歌は…歌い手の名に恥じない見事なものでした。
…なのですが。ここでプレーした人は誰でも思ったはずです。
マナリ、歌下手じゃないか???
はい、ぶっちゃけ下手なんですよ。ここで流れるマナリの歌が…。
見せ場のイベントなんですが、その歌によってずっこけたプレイヤーは数知れず。
そもそもこの時に歌った歌、「二番目の奇跡」が大問題でして。歌詞はこんな感じです。
白く霞む雪の森に 運命の恋が降ってきた
この手に残る暖かさを 永遠に感じていたい
ひび割れた世界でも きみとなら飛べる
青く澄んだこの空に 遥か遠く思いを乗せて歌うよ
そしていつか届けたい 風と 花と 二番目の奇跡を
コテコテのラブソングです。年に一度の秋祭りの儀式で歌った歌がこれ!
そしてこの歌、ラスト付近の重要なシーンでまた登場するんですが…
これまたラブソングが流れるシーンとは思えない場所で流れたりします。
そのミスマッチっぷりに呆れた人も多いはず。
歌えた事を喜ぶマナリ。それを祝ってくれたヤンタムゥ。
この成功で自信をつけたマナリはヤンタムゥに告白しようとします。
しかし。
「そうだったんだね…」
結局、マナリは告白はしませんでした。気がついてしまったのです。
ヤンタムゥが本当に見ていたのはマナリではなく…ナコルルだったと言う事に。
そしてヤンタムゥはこのイトカイナでナコルルに告白をしました。
さぁ、いきなり物語がドロドロの三角関係ストーリーになってしまいました。
しかしまぁ、ヤンタムゥのマナリに対する態度はいくらなんでも思わせぶりすぎました。
それでいきなり選んだのはナコルルです。突然あまりにも哀れな扱いとなってしまったマナリ。
でも正直言ってしまえば、今までの展開が冗長すぎてイベント展開的にはこれでやっと面白くなってきたと言った感じです。
恋敵のナコルルは親友。その間で板ばさみになるマナリ。
その日から大好きだった歌もやめてしまい、プチひきこもりになるマナリ。
可愛そうです。いくらなんでも可愛そうです。
ヤンタムゥの取った選択によりバラバラとなってしまった三人の幼馴染。
そしてイトカイナ直後からまた蠢き始めた「魔」。異変がカムイコタンに襲い掛かります。
再び「魔」を討伐するために旅立つ事になるナコルル。旅立ったナコルルを追って村を飛び出すヤンタムゥ。
はたしてこの三人の結末は…???
【ミカト】
本編の主人公。物語は基本的にこのミカトの一人称視点で語られる事になります。
一人称は「ぼく」。それでまぁ・・・誰もがイッパツで気がつくと思いますがミカトは女の子です。
ぼくっ娘ですよ!一部の人は大喜びだ!なんですが。
誰だこのちんちくりんは。
画像が小さくて見えないですが、画像左の魚の後ろ&画像右の左側にいるのがミカトです。
このCGが出るのが序盤も序盤なのであっさり性別が分かってしまうわけですが。
7歳児だから仕方ないっちゃ仕方ないんですがががが。
そもそも7歳の女の子の一人称でゲームが進むという事を考えると凄まじくシュールだ。
そしてやってる事がまんまギャルゲーの主人公なんでレラとかリムとか口説きまくり。
ミカト、恐ろしい子・・・!!!
しかも右の画像だとぱんつ丸出し。ええぃ、貴様もサービス要員かー。
そして最終戦でやっとミカト専用の一枚絵が出るわけですが・・・。
何か・・・おかしい・・・ぞ?
頭身とか色々つっこみどころありますが、そもそも根本的におかしいような気がします。
やっぱりぱんつ丸出しだし。しかしレラさんとかもこんなちんちくりん7歳児に戦い方とかを教えていたのか・・・。
しかも熊とか一撃で倒せるぐらいの強キャラだし。そのままラスボス倒しちゃったし!そんな馬鹿な!!!
まぁ2D格闘とかで「チビキャラはそれだけで強い」という法則があるのである意味で正解。
(例:KOFのチョイとかジョジョの鳥とか犬。)
さらにミカトを語る上で外せない要素としては・・・声です。
後述のホクテもそうなんですが、下手なんですよ。絶望的に。
基本的にミカトはしゃべらないんですが、最終戦の最後の最後とエンディング直前になるとボイスが入ります。
そんな大事な時に激しくずっこける棒読みボイスが炸裂します。
そのボイスはホクテと並んでこのゲームにおいて純然たる2強。
追い討ちをかけるようにミカトの歌も挿入されますが…ぶっちゃけこれまた危険なレベル。
そしてOVA版になると二人揃ってボイス変更。その声は黒歴史として封印されたのです。
このゲーム、エンディングのラストシーンでキャラクターのその後みたいなのが少し語られます。
まー、このちんちくりん7歳児ぼくっ娘口説きまくり主人公がどうなるかなんて微塵も期待も・・・
あ・・・あ・・・?
思いっきり進化をとげておられるぅー!!!!
一人称も「わたし」になってるし!ホクテもいい感じにワイルドになっちゃってまぁ!
しかも重要なのが二人とも会話時にボイス無し。かかかかか完璧だ!!!
こうしてカムイコタンにまた一人完璧超人が誕生したのでありました。
【ホクテ】
ヤンタムゥ&マナリと同じく、この作品の完全オリジナルキャラ。
主人公・ミカトより一つ年上の8歳。
生まれた時からカムイコタンに住んでるガキンチョで、よくミカトと一緒に遊んだりしています。
このキャラ・・・とにかく特筆すべきはその声です。
はっきり言って凄まじく下手です。なにか根本的に間違ってるんじゃないの?レベル。
どれぐらい下手かというと「ウィザーズハーモニー」よりも下手。・・・分かりづらい例えですいませんw。
しかもこのホクテ、このゲームが開始されてからナコルルの次にしゃべるキャラなのです。
開幕早々のその凄まじい棒読みっぷりに、おそらく全ユーザーがこのゲームに不安を抱いた事でしょう。
自分も今まで様々な棒読みボイスを体験してきましたが・・・いまだにコイツに勝るキャラは現れていません。
そのファーストインパクトのせいで一部では「衝撃のホクテ」とか呼ばれているとか何とか。
気になる声優は・・・「蓮池拓也」。
宝映テレビプロダクションの子役として活躍してるらしいです。
マニュアルの声優コメントには
「目標のタレントは木村拓也さん。なんでもこなせるマルチなタレントを目指しています。」
とあります。
・・・まぁ、その。頑張れ。
その超ボイスのせいで、キャラクターのイメージが木っ端微塵にされたという意味では悲劇のキャラ。
後半になるとナコルルに八つ当たりしたりと全く持っていい所なし!!!
そのあんまりなボイスのためか、OVAの方ではもう一人の核ボイスの持ち主ミカトと一緒にあっさりキャスト変更。
文字通り闇に葬られる事になりましたとさ。べんべん。
【羅将神ミヅキ】
もはや説明不要、真サムのラスボス&おそらくサムスピシリーズで最も存在感のあるボスキャラ。
その圧倒的な強さで多くのプレイヤーを屠った羅将神ミヅキ。
このナコりものでもラスボスとして姿を現します。
真サムでは狂死郎との絡みもあったミヅキですが、今回はそこらの話は無し。
基本的には存在自体は真サムの設定に準拠っぽいです。
・・・なのですが。
物語的にあまりにも唐突過ぎる登場なんですよミヅキさん。
終盤になっていきなり出現したラスボスって印象が強い。
そして最終決戦は恐山・・・かと思ったらただの雪原。しかもたぶんカムイコタンからだいぶ近く。
なんでそんな場所にミヅキがいるんだよ!とプレーしてて冷静にツッコミたくなりました。
そしてこのミヅキ、純粋にバケモノとして描写されてしまっています。
台詞とかも無く、「シャァアー!!」とかの叫び声だけ。基本的に言葉はしゃべりません。
・・・ますますラスボスがミヅキである必要性がなくなってきたような。
そしてバトル描写。これがまた脱力モノのクォリティなのです。
特にミヅキの手下との戦いの脱力っぷりは凄まじいモノがあります。
ちょっとした事情でヤンタムゥが戦うんですが、ここの戦闘描写が
「やぁー」
「とぉー」
「うりゃー」
「せいー」
みたいなヤンタムゥの掛け声と効果音だけなんですよ。
戦闘開始から10クリックぐらいずっとヤンタムゥの掛け声で埋め尽くされ、
それが終わったら戦闘終了、魔物全滅。
・・・なんじゃそりゃぁああああ!!!
シナリオ担当の人は戦闘シーンが苦手だったんだろうかと疑いたくなった場面でした。
とにかく、ナコルルのラストシーンはを真サムと同じに→んじゃミヅキ出さなきゃね
みたいな感じで存在してるキャラクター。シナリオ後半全体の展開に言えることなのですが、
ラストを真サムと同じにするというのが逆に枷になってしまった印象があります。
私見ですが、ナコルルの結末は真サムと同じではなくこの物語独自の結末で幸せになって欲しかった。
その方がシナリオ的にうまくいったんじゃないでしょうか。
【作品中にみられる他の旧作の方々】
この作品中にはナコルルの回想&解説などで
旧作のサムライキャラたちの片鱗が見られるシーンが随所にあります。
代表的なのは上の画像のシーンで、ナコルルが荷物整理をしていると旅先で貰った服が出てくるというもの。
まずこのシーンで3名出てきます。
・チャムチャム
「黄色と黒のシマが入った毛皮」がナコルルにあげた服ですか。
初代にチャムチャムはいない・・・
んじゃなくて戦ってないだけで存在したはずですからタムタムと戦った時に面識ができたんでしょう。
リムと同じく後付け設定で生まれた妹なんて口が裂けても言えません。
問題なのはこのシーンの後で、発見した3着の服をこの3人が着るというシーン。
さぁ、この毛皮は誰が着る事になるのやら。
・シャルロット
普段から鎧って・・・日常生活もずっとあの鎧みたいな言い方をしなくても(笑)。
シャルがドレスが嫌いって設定あったっけ?まぁ細かい事なんでつっこんでも仕方ないですが。
しかしドレスをサラリとあげてしまうなんて流石は貴族。
当時を考えると貴族が着ていたドレスってかなり高価なものなんじゃないでしょうか。
・小田桐圭
また微妙にマニアックな。
ナコルルさんは小田桐家のお世話になってた時期があるようです。
でも良く考えると服三着って結構な荷物になりますよね。しかもドレスに浴衣だし。
こんなもの持ち歩いて世界中飛び回っていたんですか。他に必要そうなものが色々ありそうなんですが。
そしてこの三人が試しに服を着てみようということに。
すると・・・。
ナコルルにチャムチャムのコスプレをさせたのは絶対に誰かの趣味。
しかも肉球グローブにネコミミ尻尾のオプションまで完備。
こんな大荷物を抱えて世界中を旅していたナコルルさんがますますステキに思えてきました。
マナリの浴衣は順当。しかし何故シャルロットのドレスをすんなりとリムルルが着れたのか。
サイズ違いにも程があるっ!!!
・緋雨閑丸
・服部半蔵
・覇王丸
・壬無月斬紅郎
・天草四郎時貞
レラENDから5人。
物語から退場し、レラと共に修羅の道を歩んだミカトが出会う数々の剣士たち。
画像の文章を見れば分かりますが、レラルートだと斬紅郎無双剣→天草降臨と話が繋がっていくワケです。
そして最後にEND画像が出るわけですが、この時のレラの服装がポリサム時のもの。
紫ナコルルのあの服装にショートボブというアレです。最後までサービス精神旺盛なレラ師匠でした。
他にもルートによってはガルフォードの話なんかもちょろっと出てきます。
このガルフォードの話はナコルルの好感度が高い分岐ルートを辿らなければ出てきません。
ナコルル曰く、「旅先で一番印象に残っている人」らしいです。
おお、ガルフォードさんにちょこっと脈あり???でもこのゲームではヤンタムゥという厄介な存在が居ます。合掌。
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