秘宝06:熱闘サムライスピリッツ
斬紅郎無双剣


ジャンル
家庭用移植版
対応機種
ゲームボーイ
発売日
1996年8月23日
定価
4725円
入手難易度
やや難しい



前回に引き続き、熱闘シリーズ第二段の斬紅郎無双剣の紹介。
ちなみに悪夢のようなタカラ関連のサムスピ作品は、コレが最終作品です。



結論から言ってしまえば初代に比べてかなりマシになっていて、結構遊べます。
ドット絵なんかも初代のようにヘンなドットじゃなく、頑張ってネオジオ版に近づけている印象。



プレイヤーキャラは10人+隠しキャラ2人。・・・あれ?何か足りません。
斬紅郎無双剣はデフォルトで12人+斬紅郎だったはずでは?
キャラセレ画面を良く見てみると・・・

骸羅と狂死郎がいません。

いきなりのリストラっぷりに全米が泣いた。
特に骸羅に至っては新キャラなのに削除される有様。
デカキャラ削ってで容量削減、って意味もあるでしょうが、あまりにも哀れな扱いと言えます。

さて、キャラが減った=中身はスカスカという意味ではありません。
まず説明書の技表を見てみると・・・。



全キャラ、修羅&羅刹の必殺技を全搭載。

この時点で根性入れすぎです。その技がちゃんと使えるか否かは別問題ですが。
そして、なんとGBのくせにしゃべります。ボイス有りです。
戦闘中ではなく、勝利一枚絵が表示されている時のみですがそれでもビックリ。






初代熱闘と同じく、キャラ選択後に各キャラの旅立つエピソードが挿入されます。
全体的にコミカル路線ですが、これが中々興味深い一面もあります。
斬紅郎の娘、詩織はビジュアル面ではたぶんこの作品が初登場。同じく美鈴も初登場かと。

篝火なんか「おまえさま、せっかくいきかえったんだから、あそびにいきましょ(はぁと)」
「しょーがないわねー!おまえさまだけじゃ、ふあんだからわたしもたたかってア・ゲ・ル(はぁと)」

と原作のイメージから遥かにブッチしたイメージのキャラになっております。

デフォで
「オレさまをムシして“オニ”なんぞにきょうみをもつなどと・・・
ゆるせん!ゆるせんぞー!オレさまというものがありながらー!!」


とかのたまう幻十郎とか、斬紅郎を見て

「そしてキサマも、わたしのあいのしもべとなるのだぁ、うひょうひょひょーーーー!」

とかほざく天草とそれはそれで大変な世界に。

ちょっと補足しますが、斬紅郎無双剣という物語は謎な設定&不透明な部分がかなり存在します。
特に閑丸&斬紅郎絡みの設定は本気で謎だらけ。
さらに作品が進むにつれて設定が改変されたりして、もうワケが分からない事になっています。
零&剣で無理やりではありますがなんとかオチはついてはいますが。



さて、肝心のゲーム内容ですが・・・なんだかんだとしっかり斬紅郎無双剣しています。
つまり、イッパツで異常に減る&背後から技が当たると大惨事。
ゲームバランス的には完全にGB版オリジナルですが
これはこれでやりこむと、GB限定のトンデモ連続技とかかなり発掘できるような気がします。
発生が早く威力も高くて対空に超使える覇王丸の地天刀斬(しゃがみ大斬り)とか個人的に感動モノ。



中間デモもバッチリ再現。
こーゆー部分はやっぱり嬉しいです。



しかもGB版は中間デモに追加部分があり、キャラごとにちゃんと台詞が用意されていたりします。



原作ではいきなりの登場だった黒子。GB版では「己の中の鬼と戦う」というアレンジがなされています。
これはこれで説得力がある設定なので結構好きです。



そして登場の壬無月斬紅郎!!!言い回しがGB版で少し簡単になっています。



やってみると分かるんですが、このCPU斬紅郎がアホみたいに強い。
と言うか、CPU戦が全員かなり強い。ここらへんもある意味斬紅郎無双剣らしいです。
まともにプレーしたらノーコンテニューでクリアするのは至難の技。
ちなみにGB版はコンテニューでキャラや剣質を選択し直す事はできません。
他に強いキャラは鉄壁の攻撃を仕掛けてくるリムルル、うつせみとかが超強い半蔵・ガルフォードあたりでしょうか。



倒すとしっかり最終戦モードに。コイツに3回勝つの自体がもう至難の技ですからってば!



そして一抹の悲しさを秘めたエンディングへ。
この斬紅郎自害のシーン、全シリーズ通してサムスピのイベントシーンでは1番好きです。
今考えると、るろうに剣心の盲剣の宇水の最後の台詞ってもしかしてこのシーンのオマージュでしょうか?

宇水:「一片の淀み無く、己が道を貫く… 簡単な様で、何と難しい事よ。」

斬紅郎「真の敵は己の中にあり。一片の曇りなく我が道を行くことが何と難しいことか…」


似てます・・・よね???


そしてこのままスタッフロールかと思いきや・・・。




柳生十兵衛乱入!!!


これまたGB版のみのオリジナル要素です。
基本的にグラフィックとかモーションは真サムの時のもの。
しかし、骸羅と狂死郎を消して十兵衛が参入というのは実に複雑。



最後の敵だけあって、かなり強いです。
でも無駄にピョンピョン飛び回る事が多いので、お手軽対空を持ってるキャラならあっさり勝てたりする。



十兵衛を倒すと、やっとエンディング。
やはりコミカル路線と言っても、おしずにロリコン鬼畜呼ばわりされる覇王丸ってのは・・・。



スタッフロール。見慣れたフォントで完!で今度こそ終わり・・・




じゃなかったぁーーーーー!!!!


・・・何故か実に直視するのがつらい絵です。おまけとは分かってはいるんですが。



ゲーム難易度によって隠しコマンドを教えてくれるコーナーが始まります。
イージーだと何も無し、ノーマルだと十兵衛&斬紅郎使用コマンド、ハードでゲーム速度高速モード、
エキスパートでエンディングセレクトモード。





さて、ナコルル曰く鬼の強さを持つと言われる十兵衛、使うと強さはいかほどなものか???





引っ張りから八相発破で永久、48斬で相手死亡!!!


その強さ、まさしく鬼であった。


と言うか、このGB版十兵衛はかなり今までの十兵衛とは違います。

修羅

はっそうはっぱ Bボタン連打
かっとつ すいげつとう +B
にかくらとう +B
やぎゅうしんがんとう +B
(武器飛ばし技)
ぜつ・すいげつとう・かい +AB
+AB後、+B→+Bで三発まで発射可能

羅刹

はっそうはっぱ・かい Bボタン連打
にかくらとう・くう +B
やぎゅうしんがんとう・かい +B
しんいざん +A
りゅうせん +A
ぶきをおく +B
はくほうげき 素手時+B
げきこうは 素手時+B
ようそうれんきゃく 素手時+A(5回連続入力)
(武器飛ばし技)
せいい・みろくじん +AB

なにこのオリジナルっぷり。

技名は漢字の資料が無かったので、ゲーム中にナコリムが教えてくれる技の名前そのままコピペ。
3回連続の絶・水月刀の修羅もビックリですが、羅刹のはっちゃけぶりが凄い。
素手専用の技を持っている時点でマニアっぷりが伺えます。しかも武器捨て技まで持ってるし。



とりあえず、斬紅郎無双剣好きならば、1度やっておいて損は無い1本です。
ゲーム内容も初代よりもちゃんとゲームしてるし、何よりGB限定連続技を探すとかなり面白そう。
ネオポケには及びませんが、携帯機の格闘ゲーではそれなりに頑張ったほうだとは思います。






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