秘宝04:サムライスピリッツ 破天降魔の章


ジャンル
アニメ
対応機種
DVD-VIDEO
発売日
2003年9月26日
(放映日は1994年9月18日)
定価
5985円
入手難易度
難(思ったよりも売っていない)

さて、誰もが認めるサムライスピリッツにおける黒歴史第一号こと破天降魔の章です。
放映日は1994年9月18日。
KOF94稼動から一ヶ月後、真サム稼動直前でゲーセンではいまだ餓狼SPで対戦が盛んという
まさにSNK黄金期と言っても過言では無い次期に放たれた迷作です。
アニメ化が決定してから当時SNKの魅力に取り付かれた少年達(自分含む)はドキドキワクワクしながら放映日を待ちました。
そして放映後の次の日、学校でみんなで微妙な表情をしたのを鮮明に覚えています。
放映されたモノは少年達が知ってるサムライスピリッツではなく、
アニスレイザとか聖剣士とか始めて耳にする単語が乱れ飛ぶサムスピとはかけ離れた代物だったのです。
そんな作品をキャラ紹介を踏まえて紐解いてみましょう。



【覇王丸】



(主な台詞)
・おっかぁ〜〜!おっかぁ〜〜!
・俺は聖剣士、覇王丸!
・我が剣に一点の曇り無し!
・おうぎ!てんぱふうじんざん!





サムスピの主人公といえばこの人、ミスター斬鉄閃こと覇王丸。
・・・なのですがこの作品の覇王丸を覇王丸と認めるのはかなりの抵抗があります。
このアニメは設定そのものがゲームとはかなりブッ飛んだ事になっています。
まず、アニメ覇王丸は基本的にただの腕っ節が強い村人と言う位置付け。
村では子供達の人気者ですし、当然家に帰れば家族(母親)がいたりします。
子供達に頼まれて蜂の巣駆除をしたり母親に頼まれてクマ退治をしたりと至って普通。



腕っ節の強さを利用しての道場破りをしたりしていますが、本気で普通の村人モードです。
そんな村にある日謎の集団が襲ってきます。皆殺しにされる村人、母親から聞かされた出生の秘密。
そして突如現れた聖剣士と名乗る人物達と共に戦っていくことになります。



しかし、実は覇王丸が赤ん坊のときに聖剣と共に空から降ってきたというのはいくらなんでも無かった。


さて、アニメ覇王丸を語る上で欠かせない2つの要素があります。
それは声優天覇封神斬です。




覇王丸=香取慎吾。

香取慎吾です。ハットリくんです。黒歴史です。
いやはや、この香取ボイスがまたクセモノで覇王丸のイメージを色々と粉微塵にしてくれたモノです。
コイツのせいでこのアニメでの覇王丸のイメージは「おっかぁ〜おっかぁ〜」と叫びまくる青年に大確定。
いくらなんでも叫びすぎだから!あと、やたらと野太いダミ声の大笑いとか。
あ、画像でシャルロットと抱き合っていますが、このアニメだとヒロインはナコルルではなくシャルロットです。
それだけでも吃驚でござるよ!



ラスト付近ではもうラブラブ状態です。
一部の人は大喜びなんでしょーが、アニメ自体の出来のせいで喜ぶに喜べない罠。

そして天覇封神斬です。
これはアニメと真サムの連動企画で、1ヵ月後に稼動する真サムで覇王丸の「秘奥義」のコマンドを先行公開すると言うもの。
ただ、その公開方法は謎でアニメ中のどこかで表示するというアナウンスがありました。
当時の少年達(当然自分含む)はアニメが終わった後にコマンド表示してくれるのかな?とか甘いことを考えていました。
が、その公開内容は想像を絶するモノでした。



( + BC)

アニメ中にいきなりコレです。

最終決戦で覇王丸が空を飛んで(!!)邪心城に乗り込んでいくのですが、その時に空中でおもむろに出した技です。
その背後にコマンドが書かれているなんて誰が気がつくと言うのですかー!!!!

(※上のGIFはブラウザのプレビューで見ると実際よりかなり遅く表示されてます。保存して画像ツールで見て下さい。)

保存してツールで見ると分かりますが正に一瞬しか表示されないので、確認をとる&初見で気がつくのはかなり困難。
おかげで当時の少年達はコマンド探しのために、この微妙なアニメをビデオで何度も見るという苦行を行うハメになったのです。
ちなみにこの天覇封神斬は普通の飛び道具でした。 と言うか弧月斬も飛び道具でした。



旋風烈斬、弧月斬、天覇封神斬と飛び道具持ちすぎですコイツ。


【ナコルル】



(主な台詞)
・やっと巡り合えたわね!
・落ち着いて、私はナコルルよ。あなたは覇王丸でしょ?
・覇王丸、私たちはあなたと同じ聖剣を継ぐもの。
・私たちは大地の善なる心の集合体であるアニスレイザの意思を受けた7人の聖剣士、
あなたもその1人なの。




格闘ゲーマーならば誰もが知ってる大自然のおしおき娘&サムスピ界のヒロインであるナコルルさん。
もともと大自然からの電波を受信してるとよく言われますが、アニメではアニスレイザの電波を受信しまくってます。
村を滅ぼされて皆殺しにされた村人の墓を1人作っているときに、いきなり怪しい二人組みが現れて



「やっと巡り合えたわね!」

とか満面の笑みで言われたらそりゃ誰でも引く&プッツンするのは当たり前と言えるでしょう。
このナコルル&タムタムの空気の読んで無いっぷりがもうたまりません。



問答無用でナコルルに斬りかかる覇王丸の行動も頷けると言うものです。当然だ!
基本的にナコルル含む聖剣士はシャルロットを除いてまとめて空気みたいな存在なので、この後あんまり活躍しません。
ナコルルは必殺技の見せ場があるのでまだ優遇されてる方と言えます。さすがナコルル補正。

さて、気になるナコルルのキャストですが・・・



ナコルル=千葉麗子。

ある意味ネオジオ黄金期を象徴するようなキャストと言えるでしょう。

真サムではチャムチャムのボイスを担当してサムスピ好きを色々な意味で唖然とさせたり。
劇場版餓狼伝説でジョーに花束を渡す役で普通に出てきたり、挙句の果てにナコルルのコスプレをして再登場したり。
久しぶりにKOFEXで葉花萌のボイスで復活したと思ったら、ゲームそのものが凄まじい出来で速攻で闇に葬られたり。
最凶ネオジオソング「ふしぎなバナナン 〜チャムチャムのテーマ〜 」を歌った方だったりと

ネオジオを語る上でネタに事欠かないお方とも言えます。
肝心の演技の方は・・・「あんこくしん、あんぶろじあー。」という素晴らしい棒読みでTVの前の少年達をずっこけさせた。

というわけでアニメ版ナコルルは説明&電波役かと思いきや・・・。
思ったよりも戦闘シーンとかで見せ場が多い。全編通して必殺技を3つも使用したのはおそらくコイツだけです。
ヒロインのポジションをシャルロットに取られたとは言え、腐ってもナコルルだと言う事でしょうか。



大魔王バーンのカイザーフェニックス・・・ではなくアムベヤトロ。
凄いですママハハ。正に火の鳥です。




ナコルルの代名詞、アンヌムツベ!俺には天草降臨でひたすら苦しめられた記憶しか無いですが!
何故か画像が多いのは何かの陰謀だと言っておこう(えー。
以前ナコ信者の友人が「ナコルルの脇は究極の絶対領域なんだ」とマジ30分力説してくれた事をふと、思い出しました。
やっぱ脇なんですか。そうなんですか。



最終決戦で実はアペフチカムイリムセを出したりしています。
当然真サム稼動前ですから、ナコルルの秘奥義なんて分かりません。
何よりもチバレイの滑舌が悪いのか台本が悪いのか、どう聞いても「あぺむかむりゅせ」にしか聞こえなかった。
そのせいもあって、当時の自分はひたすら「?」だったような記憶があります。
ちなみにアペフチなんだけど飛び道具ってのはもうお約束。

しかし、ナコルル単品で見てみると実はかなり絵が可愛く描かれてると思うのですよ。
個人的にはアニメ版アスラのナコルルよりコッチの方が好きです。
これで声が以下略。


【シャルロット】



(主な台詞)
・あの腕ではとても…。
・覇王丸、あの声が聞こえないのか!善なる神アニスレイザの意思を思い出すんだ、覇王丸!




なんとナコルルを押しのけてこの作品のヒロインの座をゲットしてしまったシャルロットさん。
覇王丸×シャルロットのカップリングが好きな方のみが満足できた組み合わせと言えましょう(えー
最初のうちは他の聖剣士と同じく十把一絡の空気のような存在でしたが
後半に入ってから覇王丸の心の中に入って天草の邪魔をするなど、他の聖剣士よりは出番が多い事に。



ある意味貴重なのが、覇王丸の心の中での天草との戦闘。
天草の攻撃を受けてレアなアーマーオフ状態に!!!
というかこの状態でゲームに出てくださいマジで。多少は人気が出るかも!!



心の世界から復帰後はなんか覇王丸といい感じなムードに。
子供からも「覇王丸のあんちゃんとシャルロット、恋人同士なの?結婚するの?」とか言われる始末。



戦闘シーンでの見せ場はザコをスプラッシュファーントで蹴散らした事ぐらい。
パワーグラデーションは未使用。しかも最終決戦で覇王丸と共に天草に挑みますが
マジで何もしておらず完全にお荷物。逆に覇王丸がピンチになる有様です。
そして困った事にそのままアニメが終わってしまいました。
覇王丸とのその後とかは一切無し。なんじゃそりゃー!!!

まぁ、シャルに限らず他の聖剣士ズもシャル以上に何もしていませんでしたが!!!
覇王丸含む聖剣士6人がかりで天草1人にに圧倒されてるのはどうかとー。
んでその天草もなんか覚醒した覇王丸に1撃でやられて死亡。
本当に5人揃って役立たずです聖剣士軍団。


【ガルフォード】



(主な台詞)
・ほら俺だ、ハンサム忍者ガルフォード。それにパピィ。
・ここは俺とパピィだけで十分だ。




金髪で青いニンジャな聖剣士・・・なのですがいまいちパッとしません。
ビジュアル的に映えるキャラのはずなのですが、とにかく出番が少ない。
まともに戦ったのは序盤の幻庵と少し、それとザコ戦のみ。
特に後半は何もせずにそのまま物語が終わってしまいました。



貴重な出番、ザコ相手にプラズマブレード!!
イナズマニンジャのはずなんですがなんか炎の技に見えるのは気のせいでしょうか。



ラッシュドッグです。Go!パピィ!
初代ガルフォードのあまりの弱さから「パピィが本体でガルフォードが動物」とか散々言われた時期もありました。
このアニメでも邪神兵の矢を防いだりと大活躍。やっぱりガルよりも遥かに役に立っている状態です。



ビジュアルだけならばかなり格好いいキャラなのに実に残念。
ちなみに当然真サムが出る前なので、ナコルルとの絡みは一切無し。
後に出た小説版で少しだけ触れられていましたが。
真が出た当時は本当に話題になりましたよガル×ナコのネタは。
それだけナコルルというキャラが際立っていたと言う事ですが。


【タムタム】



(主な台詞)
・間違いない。タムタム見た!
・パグナパグナ!ホーウホホ〜ウ!!!


聖剣士軍団の中でもキングオブ空気。ホントなにしに来たんだよオマエ状態です。
そもそもあの特殊なしゃべりのために、基本的に他キャラとの会話が難しいという時点で致命的でしょうか。



初登場でなぜかでかいトーテムポール(?)の上で座禅を組んでいます。
何故に座禅???そもそもそんな所に登っちゃっていいんですかタムタムさん。
確かコレって神さまの像じゃありませんでしたっけ?



自然キャラ繋がりだからかもしれませんが、何故かナコルルと共に行動することが多い。
ただ、一緒にいるだけで何もしません。それにしてもアニメになってずいぶん身長が縮みました。
ナコルルと比べて頭一つ大きい程度です。タムタムの身長はゲームでは確か2m85cm。でかっ!



邪神城の触手(?)にとっ捕まる時もナコルルと一緒です。ホント仲がいい事で。



戦闘シーンはおそらく全キャラ中一番少ないです。
使った技はザコ戦にパグナパグナ、最終戦でアハウガブル。
でも実際最終戦は覇王丸以外全員空気&お荷物だったので活躍したのはザコいじめだけ。
漫画の石川賢版でも扱いが悪かったし、やっぱ使いどころが難しいキャラなのでしょう。
個人的意見ですが、タムタムが最も輝いていたのが漫画の島本和彦版。
かなりタムタムが格好よく描かれています。、あ、そう言えば島本版でもストーリー的にナコルルと絡んでいました。
・・・やっぱり仲良し???


【王虎】



(主な台詞)
・覇王丸を止めるんだ!このままでは暗黒神に取り込まれてしまうぞ!
・よせ覇王丸!我らが100年前に敗れたワケを思い出せ!


設定的には聖剣士軍団のリーダー格・・・らしいですが完全な解説役です。
男塾で言う雷電のポジションです。どんな時でも解説を怠らない王虎のアニキ。素敵です。



王虎の代名詞、気功爆転法。
・・・なんですがいくらなんでも使いすぎです。作品中合計4回も使っています。
とにかく誰かがピンチになったりすると気功爆転法が飛んできます。
ぬぅ、貴様何者!?みたいな感じで。



邪神城に捕まっている時も解説を欠かさない。それが王虎のジャスティス。
なにせストーリー解説の8割がこの王虎と天草がやっているので、どんなシーンでも解説に大忙し。
解説のせいでひたすらしゃべってる印象が強いですが、声優が玄田哲章のせいでやたらと存在感があります。


【服部半蔵・千両狂死郎・柳生十兵衛】


(主な台詞)
・我らは邪神の支配から人々を解放せんと立ち上がり申した。我らに力を貸して下され。
・冥土の土産にこの千両狂死郎の華麗なる舞を見るがよい!
・拙者、柳生十兵衛と申す。

三人揃っての紹介となったのは・・・やっぱ出番が無いから。
この三人は幕府側のエージェントみたいな位置付けで、邪神軍の動向を探ったり聖剣士の存在を調べたりしています。



でも作品中の印象だと狂死郎は何もしていないし、十兵衛に至ってはパシリ扱い。
唯一頑張っているのが半蔵さんです。



忍者というスキル持ちのためか、忍者軍団を率いて覇王丸の護衛をしたり天草の所に忍び込んだりと大忙し。
時には民衆を先導(扇動?)したりしますが、忍者が堂々と民衆の前で陣頭指揮を取るのはどうなんでしょうかー。



本当にタムタム以上に何もしていない狂死郎。
出番と言ったら邪神兵を跳尾獅子で吹っ飛ばしたぐらい。石川版でもそうでしたが、なんて哀れなヤツ・・・。
しかし一番右の画像、この適当さ加減マキシマムインパクトな跳尾獅子はどうしたらいいものか。



そして十兵衛先生は幕府側と聖剣士側の橋渡し役と言えば聞こえがいいですが、要するにただのパシリです。
活躍度も狂死郎と同じぐらい。でもまだ働いているから狂死郎よりはまとも。



貴重な見せ場、喝咄水月刀ぉー!!!貴重と言うか、見せ場はここだけです。



半蔵さんが作中で使った技は爆炎龍が2回。おぉ、この時点で狂死郎&十兵衛よりはマシだ。
しかし聖剣士もそうですが、本当にこいつら飛び道具が多いですね。モズ落としとか使って欲しかった。


【不知火幻庵】



(主な台詞)
・ケケケ・・・生意気な、魔道に落ちろ!
・邪魔をするか!ならば魔道への道連れよ!
・この術は・・・半蔵!ええぃ、かかれぃ!




アースクェイクと並んで、天草の配下。
魔道の王を目指す幻庵の姿はそこになく、実に分かりやすい悪役&やられ役。



しかしこの幻庵、見てるとなんか違和感があるのです。
それもそのはず、幻庵が通常状態から普通に直立歩行します。
幻庵といえばあのゴキブリのようなダッシュ、常に膝を折ったあのスタイルのはず。。
実際に動いているを見ると、何事も無かったかのように普通に歩いていたりするので何とも言えません。



出番はやられ役そのまま。
何度か手下を率いて聖剣士を襲いますが、案の定いつもボコボコにされて撃退されます。



アニメで使った唯一の必殺技、肉転突き!毒霧は使いませんでした。
しかしこの技もあっさりと覇王丸に避けられて、



その後覇王丸にバッサリと真っ二つにされて終了!!!
しかもこの真っ二つフェイタルティシーンを何故か3回連続で流す意味の分からなさ。
本当に典型的な雑魚キャラとして盛大に散っていった幻庵でした。
・・・泣かせるケ。


【アースクェイク】



(主な台詞)
・おお、天草様だ!
・村に火を放ち、肉親すら皆殺しにするのじゃ!




幻庵と同じく天草の配下の一人。
ゲーム中では「ブヒッ!」「フー!」とかいうボイスしかなくてまるで知性を感じないキャラだったんですが、
アニメ版では天草登場の時に「天草様だ!」とか言える位に知性的。よかったですねアース。
何気に台詞で「皆殺しにするのじゃ!」とかあるのもポイント。
ラーメンマンで龍神が突然「〜〜だぜ」という口調でしゃべりだしたようなモノです。
・・・また実に分かりづらい例えですが。



主な働きは手下を連れて覇王丸の村を襲い、村人を惨殺するなど。
やはりゲームと同じく悪役ポジションですね。ぶっちゃけコイツが聖剣士の一人だったらどう反応していいのやら。



しかしデブ繋がりか何だか知りませんが、キャラ的にまんま北斗の拳のハート様扱いされてます。
覇王丸が邪神兵の刀を破壊、その破片がアースの腹にささって、それを見たアースがプッツン。



そのまま鎖鎌で自分の手下の邪神兵を処刑します。
・・・この流れはまんまハート様の「いてえよ〜〜」だよ思うのですが、どうか。



使用した技はファットチェーンソーのみ。
ファットバウンドで崖を駆け上るというまたもやアニメ版ハート様みたいなことをしてましたが、
たぶん気のせいと思いたいです。
幻庵の肉転突きもそうですが、なんか回転中の絵がやたら愛嬌を感じます。超級覇王電影弾みたいに。



しかしプッツンした覇王丸に勝てるはずも無く、完全な引き立て役に。
旋風烈斬で巻き上げて落下してきたアースにそのまま一閃という羅刹覇王丸ばりの技でアッサリ死亡。
どうでもいいですが吹っ飛ばされてるアースがキャプ翼の森崎みたいです。



【天草四郎時貞】



(主な台詞)
・我は天草四郎時貞。おぬしらの主にして、全ての世の支配者だ。
・吉宗よ、目安箱にはまだ聖剣士達の情報は入らぬか?
・覇王丸、聖剣士の使命を、俺は・・・。




サムライスピリッツのボスと言えばこの人、天草四郎時貞。
そしてこのアニメ版の四郎ちゃん、何故か宝塚系のキャラになってしまいました。
声も中性的な感じでまさに宝塚系そのものって感じに。
石川版のワイルドさ溢れる魔人・天草四郎時貞とは対極に位置するようなキャラ付けです。



いや、宝塚系なのは個人的にそれはそれでアリだと思うのですよ。
問題なのは登場のしょっぱなから将軍・徳川吉宗に聖剣士の情報を目安箱を使って収集させるというおポンチっぶり。
それでもちゃんと情報が収集されちゃうあたりこの江戸時代は実に恐ろしい所です。



意外ですが、実はそこまで天草の見せ場はありません。
戦闘シーンも最終決戦のみですし。しかし、何よりも感じる違和感はメイン武器が刀だと言う事。
演出でガダマーの宝珠っぽいものは使っているのですが、戦闘シーンは全部刀で戦います。



他のキャラと違って、原作で使った技を使うことはありませんでした。
メインで使う技は青い爆炎龍みたいな技。ダークサンダーとか使っても良かったのに・・・。
しかしこの天草、そんなマイナス要素を全てを吹き飛ばすぐらいの強さを誇っていました。
最終決戦では覇王丸率いる聖剣士6人vs天草一人なんですが、天草が完全に6人を圧倒していました。
ただ、これが天草が強すぎるのか聖剣士が弱すぎるのかどっちかは、正直判断が難しい所。



何せ、最後は覇王丸がなんだか良く分からない力に覚醒して一人で天草を一撃の下に葬る始末。
天草の今までの圧倒的な強さは一瞬にして覆りました。
というか覇王丸の意味不明で問答無用なパワーアップっぷりは見てて涙が。
しかも今の際の言葉で、素の状態の一人称が「俺」であることが発覚。イメージ丸潰れ!
哀れ、ラスボス天草四郎時貞・・・。




ちなみに覇王丸が覚醒してから聖剣士ズは本気で何もしていません。お前らもう少しは手伝えよ!!!



天草を倒した後、予想通りアンブロジアが復活して戦うんですが・・・。
あまりにあっさりと倒してしまって(封印したんですが)、もう笑うしかありません。
アンブロジアの余命、復活してから約3分!!!
しかもまたもや聖剣士ズでは歯が立たず、覇王丸一人でブチのめしていました。

正直、このマッハな展開は見ている方は本気で呆れるしかありません。
そしてそのままエンディングまで一直線。当時の少年達(自分含む)はTVの前で呆然としたものです。


【橘右京】



(主な台詞)
・無し





このアニメ最大の被害者。


なんと登場はエンディング後のスタッフロールのみ、声とかは当然無し。
どう見ても最初は出番あって絵も出来てたんだけど、尺の都合で削っちゃった。てへ(はぁと)って感じです。
町で暴れてるあらくれを颯爽と登場して打ちのめしていく右京さん、カッコイイよ!!!



ちゃんと右京らしく去り際に一句詠んで、さらに口に花をくわえてキメですよ。
さすがサムライスピリッツを代表する美形キャラ・右京さん。コレ以上なく決まっています。



・・・今考えると、この時から右京さんの受難は始まったのかもしれません。南無。


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